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最終章
それが居るのですわ
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「私が弟子入りした白魔術師団体の大御所が実は元魔法使いだったのよ。魔法使いって絶滅したって言われてるでしょう?でも1人だけ生き残っていたみたいで。それが私のお師匠さんだったようなのよ」
ん?ん?『生き残った』ですの?
「生き残った魔法使いの子孫ではなくご本人ですの?」
「そうよ?本人。だからもう何歳になったかなんて覚えていないって言っていたわ。あの一番最初のバルトカピを作ってしまった魔法使いなんですって」
「まさか」
お兄様が堪えきれずに言ってしまいましたわ。本当にまさか!です。
「何よ?真の変態のくせに私を疑うの?」
「真の変態は関係ない。あれは神話の時代ぐらい昔だ。その時の人間がいくら魔法が使えるといっても今も生きているとは考えられない」
「お師匠さんは2体目のバルトカピを作る事を反対して魔法使い連盟から追放されたみたいでね......。色々あってこの世界が嫌になり森の中で暫く眠る事にしたんだそうよ。自分に術をかけて深い眠りについた。そして起きたら今から80年前だったんですって。少し長く魔法をかけ過ぎたみたい。それから魔法使いが使っていた魔法を『白魔術』って名称を変えて伝えていったのですって」
「それは凄い術ですわね?そんなに長い間眠るなんて......」
魔法かけ過ぎって限度があるでしょう......。
「でしょう?お師匠さんはその当時の魔法使い連盟の長だったから力は相当あったみたいよ?」
「そんな凄い方が追放されるなんて不思議ですけれど?」
「それが、お師匠さんってとても優しい人で騙されて追放されたんですって。でもバルトカピなんてもう作りたくないから騙されたと知りながら追放されたって言ってたわ」
成程ですわ。自分から去ったわけですわね。
「でも、お師匠さん、出て行く時にバルトカピを作る方法に一つ追加してから魔法使い達に渡したらしいの。勿論内緒でね。その方法がされない限り完璧なバルトカピは完成しないから聖騎士や白魔術士でも勝てるようなのよ?中々やるわよね」
なんと!そうなのですね?お師匠さん素晴らしいですわ!そんな事が出来るという事はですわ。
「お師匠さんはバルを作り出す方法を編みだしていたのですの?」
「そうみたい。側近達がまたバルトカピが間違って作られたりしたら困るからきちんと何故作れてしまったのか解明して欲しいと言われて研究したのですって。そもそもそれが騙されていたわけだけどね」
酷い話ですわ。最初から利用されたのですね。
「因みですがその追加された方法は聞いたのですの?」
私はワクワクしながらシャーロットに訊きましたわ。
「ええ。話してくれたのだけれど......」
「何だ?勿体ぶらずに話せ」
お兄様がイライラしてますわ。
「その方法は絶対に実現出来ないと思うのよね。バルトカピになる者に天使の血を飲す、ですって。天使なんて居ないでしょう?架空の生き物だもの。でもこれであの男が完璧なバルトカピを作り出す事は不可能だわ」
......。それが居るのですわ。天使は。
「お師匠さん、そんな方法を取り入れるなんてロマンチックね?って言ったら自分が若い時に天使に会った事があるんだって言い出しちゃって驚いたわよ。かなり生きてるからやっぱり脳も劣化してるのかしらね?」
劣化......。いえ、天使に会った事は本当かもしれませんわ。
「それにしてもその師匠はお前に話し過ぎてはいないか?嘘をつかれているのでは?」
「はぁぁぁぁ⁉︎馬鹿言ってんじゃないわよ!アイラが一番綺麗だけど、お師匠さんほど心が綺麗な人は中々居ないのよ!そんな人が嘘をつくだなんて!失礼にも程があるわ!」
むきぃーー!とシャーロットが怒りました。本当に信頼しているのですね。少し安心しましたわ。シャーロットが独りぼっちでなくて。
「シャーロット、そのお師匠さんに私は会えますか?バルについて質問したい事がありますの」
「アイラなら大歓迎だわ!お師匠さんの都合の良い日をまた連絡するわね!」
シャーロットが嬉しそうに私の手を握って約束してくれましたわ。
その日の夜ですわ。
「なんて事を追加してくれてんだよ、魔法使いめ!」
目の前にはキレまくっているミカエル様が私のお部屋の中を行ったり来たりウロウロしていますわ。
「んー。でもかなりの確率で完璧なバルは作れませんので宜しいではないですか?」
「それでもだ!それでも今は『かなりの確率』が崩れ去っているんだぞ?」
それはそうですけれど......。
「でもミカエル様が血を出さなければ良い事ですし」
「私も戦う事になるだろう?血を一滴も出さずにいられるか?」
「では、戦いが終わってあの男を捕らえたら来てくれれば良いのではないですか?」
「そんな人任せに出来るわけないだろう?なんの為に私がこちらの世界に来ているのだ!」
もー。面倒くさいですわね。
話題を変えますわ。
「でも、お師匠さんは本当に天使に会ったのでしょうか?ミカエル様は特命を受けて来ていますがこちらの世界には普通天使は来れませんわよね?」
「そうだ。来れない。来れないが、神様に堕とされれば来れる......」
「あの男以外にも堕天使になった方がいるのですか?」
「いや、ここ最近ではアイバンだけだが......」
なっ!お師匠さんが魔法使いだった時代は殆ど神話の世界ぐらいってお兄様が言っていたではないですか!それを『ここ最近』なんて言ってしまう天使って寿命は無いのですの⁉︎
ん?ん?『生き残った』ですの?
「生き残った魔法使いの子孫ではなくご本人ですの?」
「そうよ?本人。だからもう何歳になったかなんて覚えていないって言っていたわ。あの一番最初のバルトカピを作ってしまった魔法使いなんですって」
「まさか」
お兄様が堪えきれずに言ってしまいましたわ。本当にまさか!です。
「何よ?真の変態のくせに私を疑うの?」
「真の変態は関係ない。あれは神話の時代ぐらい昔だ。その時の人間がいくら魔法が使えるといっても今も生きているとは考えられない」
「お師匠さんは2体目のバルトカピを作る事を反対して魔法使い連盟から追放されたみたいでね......。色々あってこの世界が嫌になり森の中で暫く眠る事にしたんだそうよ。自分に術をかけて深い眠りについた。そして起きたら今から80年前だったんですって。少し長く魔法をかけ過ぎたみたい。それから魔法使いが使っていた魔法を『白魔術』って名称を変えて伝えていったのですって」
「それは凄い術ですわね?そんなに長い間眠るなんて......」
魔法かけ過ぎって限度があるでしょう......。
「でしょう?お師匠さんはその当時の魔法使い連盟の長だったから力は相当あったみたいよ?」
「そんな凄い方が追放されるなんて不思議ですけれど?」
「それが、お師匠さんってとても優しい人で騙されて追放されたんですって。でもバルトカピなんてもう作りたくないから騙されたと知りながら追放されたって言ってたわ」
成程ですわ。自分から去ったわけですわね。
「でも、お師匠さん、出て行く時にバルトカピを作る方法に一つ追加してから魔法使い達に渡したらしいの。勿論内緒でね。その方法がされない限り完璧なバルトカピは完成しないから聖騎士や白魔術士でも勝てるようなのよ?中々やるわよね」
なんと!そうなのですね?お師匠さん素晴らしいですわ!そんな事が出来るという事はですわ。
「お師匠さんはバルを作り出す方法を編みだしていたのですの?」
「そうみたい。側近達がまたバルトカピが間違って作られたりしたら困るからきちんと何故作れてしまったのか解明して欲しいと言われて研究したのですって。そもそもそれが騙されていたわけだけどね」
酷い話ですわ。最初から利用されたのですね。
「因みですがその追加された方法は聞いたのですの?」
私はワクワクしながらシャーロットに訊きましたわ。
「ええ。話してくれたのだけれど......」
「何だ?勿体ぶらずに話せ」
お兄様がイライラしてますわ。
「その方法は絶対に実現出来ないと思うのよね。バルトカピになる者に天使の血を飲す、ですって。天使なんて居ないでしょう?架空の生き物だもの。でもこれであの男が完璧なバルトカピを作り出す事は不可能だわ」
......。それが居るのですわ。天使は。
「お師匠さん、そんな方法を取り入れるなんてロマンチックね?って言ったら自分が若い時に天使に会った事があるんだって言い出しちゃって驚いたわよ。かなり生きてるからやっぱり脳も劣化してるのかしらね?」
劣化......。いえ、天使に会った事は本当かもしれませんわ。
「それにしてもその師匠はお前に話し過ぎてはいないか?嘘をつかれているのでは?」
「はぁぁぁぁ⁉︎馬鹿言ってんじゃないわよ!アイラが一番綺麗だけど、お師匠さんほど心が綺麗な人は中々居ないのよ!そんな人が嘘をつくだなんて!失礼にも程があるわ!」
むきぃーー!とシャーロットが怒りました。本当に信頼しているのですね。少し安心しましたわ。シャーロットが独りぼっちでなくて。
「シャーロット、そのお師匠さんに私は会えますか?バルについて質問したい事がありますの」
「アイラなら大歓迎だわ!お師匠さんの都合の良い日をまた連絡するわね!」
シャーロットが嬉しそうに私の手を握って約束してくれましたわ。
その日の夜ですわ。
「なんて事を追加してくれてんだよ、魔法使いめ!」
目の前にはキレまくっているミカエル様が私のお部屋の中を行ったり来たりウロウロしていますわ。
「んー。でもかなりの確率で完璧なバルは作れませんので宜しいではないですか?」
「それでもだ!それでも今は『かなりの確率』が崩れ去っているんだぞ?」
それはそうですけれど......。
「でもミカエル様が血を出さなければ良い事ですし」
「私も戦う事になるだろう?血を一滴も出さずにいられるか?」
「では、戦いが終わってあの男を捕らえたら来てくれれば良いのではないですか?」
「そんな人任せに出来るわけないだろう?なんの為に私がこちらの世界に来ているのだ!」
もー。面倒くさいですわね。
話題を変えますわ。
「でも、お師匠さんは本当に天使に会ったのでしょうか?ミカエル様は特命を受けて来ていますがこちらの世界には普通天使は来れませんわよね?」
「そうだ。来れない。来れないが、神様に堕とされれば来れる......」
「あの男以外にも堕天使になった方がいるのですか?」
「いや、ここ最近ではアイバンだけだが......」
なっ!お師匠さんが魔法使いだった時代は殆ど神話の世界ぐらいってお兄様が言っていたではないですか!それを『ここ最近』なんて言ってしまう天使って寿命は無いのですの⁉︎
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