断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい

花音月雫

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最終章

告白ですわ

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「ではあの男なのですわね?お師匠さんに会った天使というのは」

「うむ。そうだろうな。しかし奴はその時すでに堕天使だが......」

「お師匠さんにしたら堕天使でも『天使』なのですわ。私でもそう思いますもの。元は天使だったのですわよね?って」

「成程な」

ミカエル様が納得しましたわ。

「その時に話した内容が知りたいのですわね。そう簡単には話してはもらえないとは思いますが......」

「まぁ、その事を話してもらえないにしてもバルトカピについてもっと詳しく聞けるかもしれないぞ?その師匠とやらはバルトカピを誕生させたくないのだから協力はしてくれるだろうからな」

そうですわよね、と話は終わりミカエル様は自分のお部屋に帰って行きましたわ。

1人になって色々考えてしまいました。あの男がこちらの世界に来てバルの存在を知ってからかなり経っています。私に出会う前に何人もの大聖女様が誕生している筈なのに何故その時に実行しなかったのでしょうか?

最初はバルに興味が無かったのでしょうか?それともこの世界を壊す事など考えていなかった?考えれば考える程分からなくなるのでお師匠さんに話を聞いてからまた考える事にしますわ。

そもそもあの男は何故この世界を壊したいのでしょうか?ただ楽しんでいるだけ?それとも何かに絶望してこの世界を憎んでいる?神様に対しての嫌がらせとかでしょうか?

「アイラ、アイラ!大丈夫か?さっきからぶつぶつと独り言が凄いけど?」

ルカさんの声が私を現実へと引き戻してくれましたわ。そうでした。今はルカさんと地方の病院を訪ねて患者さんを治療中でしたわ。

「あ......ごめんなさい。少しぼーとしてしまいましたわ」

「もうお昼だし休憩にしようか」

ルカさんが医院長に話してくれたようでお昼休みになりました。
今回の地方巡回は珍しく護衛がお兄様ではないのですわ。お兄様も福聖騎士団長ですのでどうしても王都を離れならない時もありますの。

「今日はさ、町でお昼食べないか?ここの名物のシチューは美味しいらしいよ?」

「いいですわね!私、シチュー大好きですの!」

「じゃあ、決まりだ!マークスさん、リュウさん、町に出ても良いですか?お2人も一緒に食べましょう」

ルカさんが今回の護衛騎士達に話してくれていますわ。このお2人も聖力が多く強い騎士なので色々安心ですの。

「分かりました。我々は一緒には食べれませんがしっかり護衛いたします。ご安心下さい」

そして私達4人は町に行きました。
ここ、グリードの街は活気があって賑やかです。商人の町で有名なので色々なお店が並んでいますわ。
歩いているとやはり神子様と大聖女様だと分かってしまうので注目の的です。

ですが、まずはお食事です。
グリードで一番有名なお店に入りました。もちろん名物のシチューを注文しましたわ。シチューには焼きたてのパンと新鮮なサラダも付いてました。
因みに護衛のお2人は少し離れた場所に立っています。後からゆっくり食べて欲しいのでここのシチューをお2人分買って帰りましょう。

「ふふふ。アイラは相変わらず美味しそうに食べるね。島に居た時からキルジーさんの料理を今みたいに幸せそうに食べてたよな」

ルカさんはシチューを食べている私をじーと見ながら微笑んで言いましたわ。

「私、食べる事が大好きですの。ですので食事をしている時は幸せなのですわ。キルジーさんのお料理は最高でしたわよね。お元気でしょうか?」

私もふふふと笑いながらお答えします。

「爺ちゃんの手紙には元気だって書いてあったよ?」

「そうですか!良かったですわ」

「それとマルタが結婚したって書いてあった」

マルタさんはキルジーさんの娘さんです。色々大変な目にあっていた方なので幸せになって欲しいのですわ。

「そうなのですね!結婚ですか......。何かお祝いのお品物を贈りたいですわね?今度一緒に買いに行きませんか?」

「う、うん。そうしようか。......そのう、アイラは結婚とかどう考えてる?好きな人はいるのか?」

ルカさんが照れたように訊いてきました。そういえばルカさんも、もう20歳ですものね。そんな話題にもなりますわ。

「私はまだ結婚とかは考えられませんわ。好きな方もいませんし。先ずはあの男をどうにかしないといけませんもの。それに悪魔が私を下見しに来たという事は魔王も動き出すのでしょう?そちらも片付けてからでないと」

「そ、そうだよな。うん。そうだな」

「でもルカさんはそろそろな年齢ですわよね?ルカさんこそ好きな方は......」

そこまで言ってはっ!と思い出しましたわ!ルカさんは神子様なので子供を残す事も託されているのですわ。神子様は一般の民や聖女様と結婚しても子供は絶対に生まれない。
もう残った選択肢は大聖女様の私のみでした......。
ルカさんと私は兄妹のような仲ですわ。それなのにルカさんにはそのような選択肢しかないだなんて。

「俺はアイラがいいんだけど。アイラじゃないと結婚はしないと決めてる」

え⁉︎ルカさんからの突然の告白にびっくりですわ!

「突然何言ってんだって顔も可愛いな!だけどこれは突然ではないよ?島に居た時から今日までアイラには俺の気持ちが分かるようにちょくちょく行動したり言葉にしたりしてきたんだけど」

それは私がもの凄く鈍いという事でしょうか?







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