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最終章
記憶が戻りましたわ
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「アイバンは天界に居た時から異端児だった。その性格からしてこの世界を壊す理由が自分が楽しむだけには納得がいく」
ミカエル様はその夜、また私の部屋を訪ねて来ていました。
「あの男が今回、私に目を付けてから積極的に事件を起こしたのは神様に自分を捕えさせるように仕向ける為だったと思いますわ。キメラ事件の実験だって今まで通りに密かにやっていたら見つからなかったかもしれませんのに人魚になった子供や海坊主になった子供をわざと逃して私達が分かるように仕向けたのでしょうね」
「神様がこの世界をアイバンに壊される前に捕らえるようにする為......か」
「そうですわ。自分を捕らえる為には同じぐらいの力を持った天使を派遣すると考えてです。私という理想的な媒体が居ても天使が居ないと完璧なバルは誕生しないからですわね」
「アイツ、最初からそのつもりで......」
「それにそもそもお師匠さんが居る時を狙って現れたのは天使の血の呪文を追加させる為にわざとだったと考えられないかしら?それで天使の存在を知らせに来たのかもしれません。自分しか天使を来させる事が出来ない。完璧なバルを誕生させれるのは自分だけ。それを狙ったのではないでしょうか」
「確かに......。天界に居た時から魔法使いの呪文の作り方を観察していたとしたら合点がいく」
「作り方?」
「魔法使いは呪文に『血』を使うようにするのが基本になっているらしい。お師匠さんとやらはそれは魔法使いとしてごく普通の事だから先ほども話題には上がらなかったと思うぞ?」
そうでしたか。
それならお師匠さんを上手く誘導したのかもしれませんね。
「ですが、前にも言いましたがあの男との戦いの時にミカエル様が来なければ問題ありませんわ」
「俺も前に言ったがそれは出来ない。俺の任務はアイバンを捕らえる事だ」
「ですから、私達があの男を束縛してから来てくれれば良いのですわ」
「戦う為に来たのに何もするなと?」
「はっきり申しますとそうですわ」
私とミカエル様は見つめ合いどちらも譲りません。この話はいくらしても平行線なのです。
それから数日後、ベルナデッド様のお屋敷からお手紙がきたとユーリン様が私のお部屋に来ました。
数ヶ月前に病院で行方不明になっていた元聖女様のベルナデッド様を見つけて治療をしていたのですが記憶は戻らないけれど体調がかなり改善されたので今はご実家で静養しているのですわ。ご実家は位の高い貴族様ですの。
「この手紙です」
「ありがとうございます」
私はユーリン様から手紙を受け取りました。手紙はベルナデッド様のお母様からでしたわ。3日ほど前からベルナデッド様がぶつぶつと何かを呟き始めたそうです。そして昨日ハッキリと言ったそうですわ。
『アイラ大聖女様に伝えたい事がある』
と。私はその手紙を読み終え直ぐにユーリン様に内容を伝え返事を書きました。
これは急を要しますので明日、そちらに伺うと。
ベルナデッド様の記憶が戻ったのか、それとも私に伝えたい事だけ思い出したのかは分かりませんが誘拐犯の手掛かりが掴めるかもしれません。
この事を神官様やルカさんにも伝え明日はルカさんと聖騎士団長のお父様と一緒に行く事になりましたわ。
次の日の午後に私達一行はベルナデッド様のお屋敷を訪ねました。
すると何やら騒がしくなっていますわ。
「どうしたのでしょうか?」
馬車を降りた私達は出迎えの者も居ないので何が起こっているのか訊きたくても訊けない状況です。
私はぐんぐんとお屋敷に入って行きます。お父様もルカさんもあと護衛の聖騎士数名も一緒について来ています。
廊下でメイドや従僕達とすれ違うのですが酷い慌て様に私達に気が付かないようです。奥のお部屋の扉が大きく開いています。
その扉の前にご婦人が座り込んでいて震えていますわ。
私は素早く駆け寄り声を掛けました。
「どうされましたの?何がありました?」
私の声に反応したご婦人がこちらを見ました。
「あ、貴方は大聖女様......」
因みに私の顔は新聞に肖像画が載った事があったので貴族の方は殆どが知っていますの。
身なりからしてベルナデッド様のお母様でしょうか?
「ベルナデッド様の母君ですか?」
お父様が訊ねました。
ご婦人は無言で頷きました。
そしてお部屋の中を震える指でさしています。
私達はゆっくりとそのお部屋に入りましたわ。清潔感のある素敵なお部屋で陽当たりも良く居ごこちがいいですわ。奥にあるベッドをふっと見ましたわ。
ベッドにもたれ掛かる様に人が居ます。居るのですがその人の首から上がありませんわ。グシャっとされた様に潰れていてベッドや床に血が飛んで真っ赤です。
「こ、これは......」
ルカさんが私に見せないよう前に立ちました。
「ルカさん、私は大丈夫ですわ」
本当に大丈夫なのですわ。血とかご遺体とか平気なのですの。これはきっと戦い狂いの大聖女だからなのでしょうね。
私はご婦人の方に戻りました。
「あのご遺体はベルナデッド様ですの?」
「は、は、はい。娘の......ベルナデッドだと思います......」
小さな声で答えてくれました。
「何があったのかお話出来ますか?」
私はご婦人をゆっくりと立たせて違うお部屋に誘導します。その間にお父様は騎士達に言って聖騎士団の調査部隊をこちらに来させるよう指示しました。
ミカエル様はその夜、また私の部屋を訪ねて来ていました。
「あの男が今回、私に目を付けてから積極的に事件を起こしたのは神様に自分を捕えさせるように仕向ける為だったと思いますわ。キメラ事件の実験だって今まで通りに密かにやっていたら見つからなかったかもしれませんのに人魚になった子供や海坊主になった子供をわざと逃して私達が分かるように仕向けたのでしょうね」
「神様がこの世界をアイバンに壊される前に捕らえるようにする為......か」
「そうですわ。自分を捕らえる為には同じぐらいの力を持った天使を派遣すると考えてです。私という理想的な媒体が居ても天使が居ないと完璧なバルは誕生しないからですわね」
「アイツ、最初からそのつもりで......」
「それにそもそもお師匠さんが居る時を狙って現れたのは天使の血の呪文を追加させる為にわざとだったと考えられないかしら?それで天使の存在を知らせに来たのかもしれません。自分しか天使を来させる事が出来ない。完璧なバルを誕生させれるのは自分だけ。それを狙ったのではないでしょうか」
「確かに......。天界に居た時から魔法使いの呪文の作り方を観察していたとしたら合点がいく」
「作り方?」
「魔法使いは呪文に『血』を使うようにするのが基本になっているらしい。お師匠さんとやらはそれは魔法使いとしてごく普通の事だから先ほども話題には上がらなかったと思うぞ?」
そうでしたか。
それならお師匠さんを上手く誘導したのかもしれませんね。
「ですが、前にも言いましたがあの男との戦いの時にミカエル様が来なければ問題ありませんわ」
「俺も前に言ったがそれは出来ない。俺の任務はアイバンを捕らえる事だ」
「ですから、私達があの男を束縛してから来てくれれば良いのですわ」
「戦う為に来たのに何もするなと?」
「はっきり申しますとそうですわ」
私とミカエル様は見つめ合いどちらも譲りません。この話はいくらしても平行線なのです。
それから数日後、ベルナデッド様のお屋敷からお手紙がきたとユーリン様が私のお部屋に来ました。
数ヶ月前に病院で行方不明になっていた元聖女様のベルナデッド様を見つけて治療をしていたのですが記憶は戻らないけれど体調がかなり改善されたので今はご実家で静養しているのですわ。ご実家は位の高い貴族様ですの。
「この手紙です」
「ありがとうございます」
私はユーリン様から手紙を受け取りました。手紙はベルナデッド様のお母様からでしたわ。3日ほど前からベルナデッド様がぶつぶつと何かを呟き始めたそうです。そして昨日ハッキリと言ったそうですわ。
『アイラ大聖女様に伝えたい事がある』
と。私はその手紙を読み終え直ぐにユーリン様に内容を伝え返事を書きました。
これは急を要しますので明日、そちらに伺うと。
ベルナデッド様の記憶が戻ったのか、それとも私に伝えたい事だけ思い出したのかは分かりませんが誘拐犯の手掛かりが掴めるかもしれません。
この事を神官様やルカさんにも伝え明日はルカさんと聖騎士団長のお父様と一緒に行く事になりましたわ。
次の日の午後に私達一行はベルナデッド様のお屋敷を訪ねました。
すると何やら騒がしくなっていますわ。
「どうしたのでしょうか?」
馬車を降りた私達は出迎えの者も居ないので何が起こっているのか訊きたくても訊けない状況です。
私はぐんぐんとお屋敷に入って行きます。お父様もルカさんもあと護衛の聖騎士数名も一緒について来ています。
廊下でメイドや従僕達とすれ違うのですが酷い慌て様に私達に気が付かないようです。奥のお部屋の扉が大きく開いています。
その扉の前にご婦人が座り込んでいて震えていますわ。
私は素早く駆け寄り声を掛けました。
「どうされましたの?何がありました?」
私の声に反応したご婦人がこちらを見ました。
「あ、貴方は大聖女様......」
因みに私の顔は新聞に肖像画が載った事があったので貴族の方は殆どが知っていますの。
身なりからしてベルナデッド様のお母様でしょうか?
「ベルナデッド様の母君ですか?」
お父様が訊ねました。
ご婦人は無言で頷きました。
そしてお部屋の中を震える指でさしています。
私達はゆっくりとそのお部屋に入りましたわ。清潔感のある素敵なお部屋で陽当たりも良く居ごこちがいいですわ。奥にあるベッドをふっと見ましたわ。
ベッドにもたれ掛かる様に人が居ます。居るのですがその人の首から上がありませんわ。グシャっとされた様に潰れていてベッドや床に血が飛んで真っ赤です。
「こ、これは......」
ルカさんが私に見せないよう前に立ちました。
「ルカさん、私は大丈夫ですわ」
本当に大丈夫なのですわ。血とかご遺体とか平気なのですの。これはきっと戦い狂いの大聖女だからなのでしょうね。
私はご婦人の方に戻りました。
「あのご遺体はベルナデッド様ですの?」
「は、は、はい。娘の......ベルナデッドだと思います......」
小さな声で答えてくれました。
「何があったのかお話出来ますか?」
私はご婦人をゆっくりと立たせて違うお部屋に誘導します。その間にお父様は騎士達に言って聖騎士団の調査部隊をこちらに来させるよう指示しました。
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