126 / 135
最終章
バルの隙ですわ
しおりを挟む
「このクソ野郎が......」
皆様、お口が悪くてごめんなさいね。
バル?エリアス王太子様がクソ野郎だったのは前の人生ですわ。今はクソ野郎ではないのですよ?
私はギラギラした赤い目でエリアス王太子様を睨んでいます。
「クソ野郎......とは?どういう意味なのか分からないが私に敵意が見て取れるな」
エリアス王太子様が剣を抜き構えます。
あ、意味が分かりませんの?
意味が分からなくて良かったですわ。
流石に王族の間では使わないお言葉ですのね?
「お前はもうアイラ大聖女ではないのだな」
エリアス王太子様は汚い物を見る目で私を見ていますわ。
......1回目の人生を思い出してしまいます。あの時もこの様な目で私を見ていましたわ。
「待って下さい!王太子様!あれはアイラです!あの娘なのです!」
お父様がエリアス王太子様の腕を掴みながら訴えていますわ。
腕を掴むだなんて不敬になりませんの⁉︎
一応、ここは戦場なので不問なのでしょうか?
「聖騎士団長、気持ちは分かるがあのような化け物になり、言っている事も訳がわからない。残念ながら......」
そう言ってまた構え直していますわ。
切り替えが早いですのね。
少しは躊躇して欲しかったのですけれど国を背負っていかなければならない方としてはこれが正解なのでしょう。
エリアス王太子様が私に向かってきますわ。何度も、何度も、魔力を込めた剣で切り掛かってくるのですが私の鱗は頑丈で切り傷一つつける事さえできません。
エリアス王太子様の魔力を見る限り本気で殺しにきていますのね。
これ、少し前までは私でしたのに。
全然関係なくガンガン来ますわ。
2回目言いますけれど王太子様としては正解の行動ですわよね。でも少しイラっとしますわ......。
このままではエリアス王太子様もあの男のように潰されてしまうでしょう。力の差がはっきりしていますもの。
バルに私と入れ替われる『隙』はないのでしょうか?少しの間だけでもよいのですが......。
闇は1回目の人生で作られたものなのでその時に心の底から好きな人はいなかったでしょうか?自分の事なのにあまり分かりませんわ。
好きだった人に何か言われれば動揺して『隙』ができないでしょうか?
『恋』の好きは無かったと記憶していますわ。それでは家族?先程お父様を見てもバルがそれ程気にした様子がありませんでしたわ。まぁ、他の人よりはなんとなくですが何か思う事があるような感じもしますが。それもうっすらですわ。
そして今、アクアからお母様を渡されて抱きしめながこちらを泣きそうな顔で見ていますがバルは無反応ですわよね。
お母様をチラッと見たもののこちらも反応無しです。あと家族といえば。
......え⁉︎まさかのお兄様ですの?確かに1回目の人生では妹を溺愛していましたわ。今とは違って婚約者もいましたし、それこそお兄様が私に対して抱いていた愛は『家族愛』でした。
お父様が諦めてしまってもお兄様だけは諦めずに最後の最後まで私の無実を訴えてくれていましたわ。
可能性はありますわね。
ですが、今のお兄様は......。
変態すぎて......そこら辺はどうなのでしょう?
「アイラ!ここに居るのか⁉︎キメラを退治していて遅くなった!」
お兄様の声ですわ。
どうやら移転魔法を使ってここにやって来たようです。
お兄様はお父様とお母様を見てホッとしながら周りを見渡して私とエリアス王太子様が戦っている事に気がついたようですわ。
「はぁ......。ちょこまかと面倒だ。この廃墟ごと潰すか」
え?あ?ちょっと待って!待って下さいバル!そんな突然大雑把な!
「エリアス王太子様⁉︎何故アイラに剣を向けているのですか?私のアイラに!」
お兄様が叫びました。
え⁉︎もう既に見目は私の原型はとどめていないのですけれど?
ピクッ。
あら?バルが動きを止めましたわ。
と、いうか、まさかお兄様には私がバルに見えていないとか?
いえ、いえ。そんな事があるわけありませんわよね?
「何を言っているのだ!もうあの可愛かったアイラ大聖女は居ないのだ!ここに居るのは化け物だ!殺さねばこの世界が壊されてしまう!」
うっ。その通りなのですけれど化け物と言われてしまうと傷つきますわ。
「はぁ?化け物になっていてもアイラはアイラだ!お前こそ何を言っているのだ?」
ぎゃあーーー!お兄様!
エリアス王太子様に対してなんて不敬な事を!お前だなんて!
お兄様がこちらに振り向きズンズンと私の側まで歩いて来ましたわ。
あら?バルが少し嬉しそう?
「皆でよってたかって。怖かっただろう?私が来たからにはもう大丈夫だ。な?アイラ?」
そう言ってお兄様はバルの私をギューと抱きしめました。
えぇぇぇぇーーー⁉︎
この見目なのに抱きしめられるのですの⁉︎気持ち悪くないのでしょうか?
真の変態、恐るべしですわ!!
「お......お......お兄様?」
「そうだよ?アイラの最愛のお兄様だ」
私の最愛ではないのですが。
しかしですわ!バルが嬉しさと動揺でパニックになっています!
お兄様!変態ですがやる時はやる男ですわね!
この機会しかありませんわ。
そしてチャンスは一度きりです。
皆様、お口が悪くてごめんなさいね。
バル?エリアス王太子様がクソ野郎だったのは前の人生ですわ。今はクソ野郎ではないのですよ?
私はギラギラした赤い目でエリアス王太子様を睨んでいます。
「クソ野郎......とは?どういう意味なのか分からないが私に敵意が見て取れるな」
エリアス王太子様が剣を抜き構えます。
あ、意味が分かりませんの?
意味が分からなくて良かったですわ。
流石に王族の間では使わないお言葉ですのね?
「お前はもうアイラ大聖女ではないのだな」
エリアス王太子様は汚い物を見る目で私を見ていますわ。
......1回目の人生を思い出してしまいます。あの時もこの様な目で私を見ていましたわ。
「待って下さい!王太子様!あれはアイラです!あの娘なのです!」
お父様がエリアス王太子様の腕を掴みながら訴えていますわ。
腕を掴むだなんて不敬になりませんの⁉︎
一応、ここは戦場なので不問なのでしょうか?
「聖騎士団長、気持ちは分かるがあのような化け物になり、言っている事も訳がわからない。残念ながら......」
そう言ってまた構え直していますわ。
切り替えが早いですのね。
少しは躊躇して欲しかったのですけれど国を背負っていかなければならない方としてはこれが正解なのでしょう。
エリアス王太子様が私に向かってきますわ。何度も、何度も、魔力を込めた剣で切り掛かってくるのですが私の鱗は頑丈で切り傷一つつける事さえできません。
エリアス王太子様の魔力を見る限り本気で殺しにきていますのね。
これ、少し前までは私でしたのに。
全然関係なくガンガン来ますわ。
2回目言いますけれど王太子様としては正解の行動ですわよね。でも少しイラっとしますわ......。
このままではエリアス王太子様もあの男のように潰されてしまうでしょう。力の差がはっきりしていますもの。
バルに私と入れ替われる『隙』はないのでしょうか?少しの間だけでもよいのですが......。
闇は1回目の人生で作られたものなのでその時に心の底から好きな人はいなかったでしょうか?自分の事なのにあまり分かりませんわ。
好きだった人に何か言われれば動揺して『隙』ができないでしょうか?
『恋』の好きは無かったと記憶していますわ。それでは家族?先程お父様を見てもバルがそれ程気にした様子がありませんでしたわ。まぁ、他の人よりはなんとなくですが何か思う事があるような感じもしますが。それもうっすらですわ。
そして今、アクアからお母様を渡されて抱きしめながこちらを泣きそうな顔で見ていますがバルは無反応ですわよね。
お母様をチラッと見たもののこちらも反応無しです。あと家族といえば。
......え⁉︎まさかのお兄様ですの?確かに1回目の人生では妹を溺愛していましたわ。今とは違って婚約者もいましたし、それこそお兄様が私に対して抱いていた愛は『家族愛』でした。
お父様が諦めてしまってもお兄様だけは諦めずに最後の最後まで私の無実を訴えてくれていましたわ。
可能性はありますわね。
ですが、今のお兄様は......。
変態すぎて......そこら辺はどうなのでしょう?
「アイラ!ここに居るのか⁉︎キメラを退治していて遅くなった!」
お兄様の声ですわ。
どうやら移転魔法を使ってここにやって来たようです。
お兄様はお父様とお母様を見てホッとしながら周りを見渡して私とエリアス王太子様が戦っている事に気がついたようですわ。
「はぁ......。ちょこまかと面倒だ。この廃墟ごと潰すか」
え?あ?ちょっと待って!待って下さいバル!そんな突然大雑把な!
「エリアス王太子様⁉︎何故アイラに剣を向けているのですか?私のアイラに!」
お兄様が叫びました。
え⁉︎もう既に見目は私の原型はとどめていないのですけれど?
ピクッ。
あら?バルが動きを止めましたわ。
と、いうか、まさかお兄様には私がバルに見えていないとか?
いえ、いえ。そんな事があるわけありませんわよね?
「何を言っているのだ!もうあの可愛かったアイラ大聖女は居ないのだ!ここに居るのは化け物だ!殺さねばこの世界が壊されてしまう!」
うっ。その通りなのですけれど化け物と言われてしまうと傷つきますわ。
「はぁ?化け物になっていてもアイラはアイラだ!お前こそ何を言っているのだ?」
ぎゃあーーー!お兄様!
エリアス王太子様に対してなんて不敬な事を!お前だなんて!
お兄様がこちらに振り向きズンズンと私の側まで歩いて来ましたわ。
あら?バルが少し嬉しそう?
「皆でよってたかって。怖かっただろう?私が来たからにはもう大丈夫だ。な?アイラ?」
そう言ってお兄様はバルの私をギューと抱きしめました。
えぇぇぇぇーーー⁉︎
この見目なのに抱きしめられるのですの⁉︎気持ち悪くないのでしょうか?
真の変態、恐るべしですわ!!
「お......お......お兄様?」
「そうだよ?アイラの最愛のお兄様だ」
私の最愛ではないのですが。
しかしですわ!バルが嬉しさと動揺でパニックになっています!
お兄様!変態ですがやる時はやる男ですわね!
この機会しかありませんわ。
そしてチャンスは一度きりです。
7
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる