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最終章
復興ですわ
しおりを挟むそれから私は1週間ぐらいゆっくり過ごして大聖女として復帰しましたわ。
先ずは教会へ行き聖力で記憶にある形を思い出しながら建て直していきます。
3日かかりましたがどうにか無事に建てれましたわ。細かい部分は違うみたいですがそこは許していただいて!
生き残っている聖女様達や神官見習いの方々に集まってもらいました。
魔王の左側に聖女様も神官見習いも半分くらい食べられてしまいましたの。でも私と同期のエミリー聖女様とサフィー聖女様は無事でした。
「頑張って一緒に立て直しましょうね!」
そうお2人に言われて元気が出ましたわ。
王族と教会とこの国の民達とで国の立て直しが始まりましたわ。
キメラに壊された建物の修復や森や川、農作物を作れる田んぼや畑などの浄化。
そして新しい教会のルールや国の法律などこれを機に一気に良い方向へ試行錯誤しながら変えていきましたわ。
私とルカさんペアと私とアクアペアで交代で地方も周りました。
キメラに破壊されたのは王都だけだと最初は思っていたのですが地方都市もやられていましたわ。あの男め。こんなに大規模にキメラを放っていたとは!許せませんわ。
そしてルカさんとは一緒に島まで行ってきたのですわ。ルカさんにとっては暫くぶりの里帰りです。私にとっても第二の故郷ですわ!
キルジーさんや娘さんにダンさん、沢山の島の方々に歓迎してもらいました。
この島まではキメラは来なかったそうですわ。安心しました。だってキメラ事件で苦しんだ島の方々をまたキメラで苦しんでほしくなかったのですわ。
折角来たのだからとルカさんは島全体に治癒をかけました。
元から綺麗だった海、空、森、などが浄化され更に綺麗になりましたわ。
ルカさんの聖力は本当に凄いのです。
感動して少し涙ぐんでしまいましたわ。
その夜、私達は2人で思い出の場所へと行きました。そうです。あの流星群を見た丘の上ですわ。
「まだあれからそんなに経ってないけど来ちゃったな。流星群はないけど星は綺麗だ」
「ふふふ。そうですわね。あの時から今日まで色々ありましたわ。お互いに大変でしたわね」
ルカさんと顔を見合わせて笑いました。
「アイラ、覚えてる?戦いが終わったら改めて告白させてと言った事。俺はアイラが好きだ。愛している。アクアからも求婚されているのは知っているけど。自分の気持ちをハッキリと伝えたかったんだ」
ルカさんは静かにでも力強く言いましたわ。
「ルカさんのお気持ちは本当に嬉しいですわ。この島で出会った時、醜い私の事を否定せずにいてくれました。それどころか『命の契約』までかけてくれていましたわ。そしてそれからずっと一緒に居てくれてどれだけ心強かったか分かりません」
「そ、それじゃあ......」
「でも、これはアクアにも言ったのですが私はまだ恋とか愛とか分からないのですわ。正直今はこの国の立て直しでその様な事を考えている時間がないのです」
「う、うん。そうだよね。今は国の復興が優先だ。だけど少しずつでいいんだ。俺との事を本気で考えて欲しい。俺もアイラに選んでもらえるように努力する」
アクアと似た様な事を言っていますわね?流石同じ神子様ですわ?
「分かりましたわ。私なりに考えてみますわ。ルカさん、2回も告白して下さって、私を好きになってくれてありがとうございます」
その帰り道は手を繋いで歩きましたわ。繋いだ手はほんわかと温かくて私は微笑みました。
それから4年ですわ。
すっかり国も復興して平和が続いています。時たま魔獣が発生しますがそれは復興前も同じでしたので何も問題はありませんの。
順調に新しい制度も回り国中がかなり安定していてホッとしています。
あれからポツリポツリと聖女様に認定される子達が増えています。やはり平和な国になり人々の心に余裕が出来てきたからなのでしょうか?どちらにしても嬉しい事ですわ。
前から居る聖女様達はすっかり逞しくなり今では私が居なくとも教会のお仕事は回ります。
そんな私も、もう20歳になりましたわ。
私は明日、南の方の田舎に暫く住む事になっています。何かあれば直ぐに移転魔法で飛んで来る事にはなっていますが。
それでもやっとですわ。私の2回目の人生の目標だった『地味に静かに目立たなく』を実現できるのです。
私はこの4年間毎朝、大聖堂にてお祈りを捧げていますの。多分ですけれどミカエル様が聞いてくれていると思うので報告のようなものですわね。
今日も来ています。
明日から暫く大聖堂に来られないので念入りに報告しなくてはいけませんわね。
ミカエル様に
「そんなに念入りに報告しなくともよい!見ていれば分かる!」
って怒られそうですわ。
ビュンーーー。
突然大聖堂に強力なシールドが張られましたわ。これでは何者も入って来れません。
キィィーーー。
大聖堂の扉が開いた音がしました。私はゆっくりと振り返り扉を見ます。
そこには黒いローブを着た人が立っていましたわ。お顔はフードで隠されていますので確認できません。
「あんたがアイラ大聖女?」
「......そうですけれど、貴方はどなたですの?」
「ふぅん。人間にしては美人だね。相手に不足はないかな」
そう言って私の方へ近づいて来ましたわ。
「初めまして。私、新魔王のニィーサといいます」
え⁉︎新しい魔王⁉︎あの魔王が死んだという事ですわよね?あちらの女神様がやってくれたのですわね?感謝ですわ!
「へぇ。あんたがロッキーニが惚れた女かぁ」
と、言いながらフードを下げました。
ええ?女性ですの⁉︎
もの凄く綺麗な、美人な、この世のものと思えないぐらいな人、いえ魔王が立っていますわ。
「あ?今、女だって驚いてる感じ?女でも魔力が強ければ魔王になれるんだよ?」
「まあ!そうなのですね!素晴らしいですわね!」
「はぁ......?こんな頭の中が花畑みたいな女のどこが良かったんだか」
ん?さっきのロッ......なんとかって方の事でしょうか?
「ロッ?誰の事でしょうか?私には記憶に無いのですけれど?」
「ロッって勝手に愛称つけるな!あんたがアクアって呼んでる神子だよ!元はロッキーニって名前がきちんとあったんだ!」
「あら?そうだったのですわね?でも名前は無いって言っていましたけれど?」
「その頃にはもう悪魔をやめて神子になる決心でもしてたんだろうさ。だから悪魔時代の名前を捨てたんだよ」
「成程ですわ!で?貴方はアクアとは?」
「私はアイツと悪魔村で一緒に育った幼馴染だ。こっちに2人で逃げてきたのにいつの間にか逸れちゃって。見つけたと思ったら神子になってて驚いたよ!」
そうでしょうねぇ。
魔王はスッと移動してギュッと私を抱きしめてきましたわ。
「え⁉︎魔王や悪魔は人間には触れないのではなかったのですか?」
「ふふふ。それは前魔王の奴が力不足でどーしょもない奴だったからだ。私はそのルールを無効にした。私の力なら簡単に出来た事だよ」
凄い魔力なのかやはりミカエル様がポンコツなのか分かりませんがこの国に危機が迫っている事は確かですわ。
「なっ!!お前!妊娠しているのか⁉︎しかも神子のオーラを感じるぞ⁉︎」
私を抱きしめた魔王から焦りの気配がしますわ。
「アクアの子か⁉︎まだ結婚はしていないと調べでは聞いていたが......。まあ、アイツが手を出さずにいられるわけかないか......」
「あら?この国には神子様はお2人居ますのよ?」
「ではもう1人の方の子供だと?」
「さあ?何故貴方に言わなければなりませんの?敵の貴方に......。でも言える事はこの子は神子様と大聖女である私との子ですの。もう既に膨大な力を持って私のお腹で眠っていますわ。ですので今までの私の力と思ってもらっては泣きをみますわよ?」
私の今の力はこの子の力も一緒に使えるのですわ。凄い子なのですの。実はまだこの子の事は誰にも言ってはいないのですけれどまさか魔王に1番最初に報告する事になるなんて。
それにしても私の田舎暮らしはまた遠のいてしまいましたわ。
2度目の人生は中々思う様に進みませんわね。まだ私を抱きしめて固まっている魔王の耳元で
「アクアの事が好きなのですわね?」
と囁きました。
「そ、そうだ!大好きだった!嫁の座を狙っていたしアイツが悪魔だったら魔王に相応しかったのだ!それをお前が全て邪魔をした!絶対に許さない。ずっと付き纏ってやる!執着してやるからな!」
魔王はギャーギャーと叫びましたわ。
執着ですの?何故私の周りはこういった者達ばかりなのでしょう?
まだ私を抱きしめて離さない魔王をどうしましょうか?と思いながら私はため息を吐き右手に聖剣を静かに創り出しました。
完
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皆様、最後までお読み頂き本当にありがとうございました!今回の更新で連載が終わりました!最後まで書けたのは読んで頂いていた皆様のおかげです。
感謝、感謝でございます!
少しでも『面白いな~』と思ってもらえていたら嬉しいです。
また新しい連載も考えていますのでご縁があれば読んで頂けると嬉しいです!
ではまた~!!
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