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第四章
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それからアベル様が家族を脅している
......いや、相談している数日間、お父様とジョゼフ兄様は僕を離さなかった。特にお父様だ。
「カールから待ち合わせ場所にリアが来ないと報告を受けた時、私は死ぬ程の衝撃を受けた。王族に気付かれてもいいからやはり『影』達を護衛に付ければよかったと何度、後悔したことか」
『影』とはギャバット家に昔から使えてくれている護衛集団で前世で言うところの
『忍者』みたいな?『忍者』より冷酷で
残忍らしいみたいだけどなんでもギャバット家に命をかけているんだとか。何で?昔、何かあったのかな?
お父様は僕を膝に乗せてギューと抱きしめながら同じ話を何回もしてるんだ。
よっぽど後悔してるんだねぇ。
「父上!今日はそろそろリアを私に!昨日もずっと抱きしめていたではないですか!!」
ジョゼフ兄様が僕を抱きしめる用意なのか両腕を広げて待っている。
「そうだっただろうか?ジョゼフの
勘違いではないのか?なぁ、リア?」
うわぁぁー!僕に振らないでよ。
この2人は僕が小さな頃からこんな感じで取り合ってたんだよね。そしていつもお母様がこの争いを終わらせてたんだけど今は居ないし。
「お父様?王家との話し合いは終わりましたの?」
そー言えばどーなったの?
「ああ。あれは王家の方が悪いからな。話し合いはスムーズに進んだよ。第二王子はあの娘を王妃にすると言っていた」
ジョゼフ兄様がダンマリになったお父様の代わりに答えてくれた。
僕が断罪された事がよっぽど嫌だった
みたい。でもあれはそうなる様にしたん
だからそんなにむくれなくても......。
「いや、うん。分かってはいるぞ?あれはリアが頑張って仕向けたんだと。しかしこの可愛いリアがあの時言われた愚かな事などするわけが無いのに」
お父様が不機嫌な声で言う。
「ふふふ。あれはマリーナ様の魅了の
力で皆さん信じていましたものね」
「そうだ、魅了の力のせいなのだがそれが尚更許せないのだ。そもそも他の者ならまだしもこの国の第二王子が魅了ごときを跳ね返せないとは。情けない」
まだブクツサ文句を言ってる。
マリーナ様は魅了の力を使って自分を聖女様だと周りに思わせてたんだよねー。だから王子様と釣り合うのは私だと。うん、うん。それは本当にいいよ?見た目もお似合いの2人だったもんね。だけど嘘はダメだよ。いつかバレちゃうと思うけど。
でもマリーナ様が魅了使ってくれてやっとジャスパー殿下も婚約破棄してくれたから正直助かったんだよね~。
お父様にも何回もそう言ったのに。
溺愛って凄いなぁ。怖いなぁ。
「それに話し合いは断罪の次の日だったからまだリアが行方不明になったと知らない時間帯に行われた。だから私もジョゼフも平常心でいられたがあれが報告を受けた後であったなら話し合いの場には行っていなかっただろうな」
お父様が更に僕をギュッとしながら呟いた。良かった......。時間差で。王家との話し合いは確実にして欲しかったから。
ふぅー。危ない。
「一つ疑問が。何故あの女は第一王子のアスティカ殿下ではなくジャスパー殿下に言い寄ったのでしよう?アスティカ殿下の方が王太子で更にまだ婚約者がいないので狙い目だったのでは?」
ルークが敬語だ!!あ、お父様が居るからかぁ!!なんか久しぶりの敬語!!
感動するよぉ!
「あの女、最初はアスティカ殿下に言い寄っていたみたいだよ?全然相手にされずに悔しがっていたけれどね。魅了も通じなかったようだ。あの女に纏わりつかれた時に『お前、気持ち悪いな』と一言放って終わった」
ジョゼフ兄様が思い出したのかプッと笑ってる。
魅了が通じない強い方が王太子で安心だけど彼女は魅了がなくても結構可愛いと思うんだけどなぁ。『気持ち悪い』ってちょっと酷くない?
「ところで、リア?アスティカ殿下とは
個人的に会った事があるのかい?」
ジョゼフ兄様が思い出した様に僕に訊いてきた。
......いや、相談している数日間、お父様とジョゼフ兄様は僕を離さなかった。特にお父様だ。
「カールから待ち合わせ場所にリアが来ないと報告を受けた時、私は死ぬ程の衝撃を受けた。王族に気付かれてもいいからやはり『影』達を護衛に付ければよかったと何度、後悔したことか」
『影』とはギャバット家に昔から使えてくれている護衛集団で前世で言うところの
『忍者』みたいな?『忍者』より冷酷で
残忍らしいみたいだけどなんでもギャバット家に命をかけているんだとか。何で?昔、何かあったのかな?
お父様は僕を膝に乗せてギューと抱きしめながら同じ話を何回もしてるんだ。
よっぽど後悔してるんだねぇ。
「父上!今日はそろそろリアを私に!昨日もずっと抱きしめていたではないですか!!」
ジョゼフ兄様が僕を抱きしめる用意なのか両腕を広げて待っている。
「そうだっただろうか?ジョゼフの
勘違いではないのか?なぁ、リア?」
うわぁぁー!僕に振らないでよ。
この2人は僕が小さな頃からこんな感じで取り合ってたんだよね。そしていつもお母様がこの争いを終わらせてたんだけど今は居ないし。
「お父様?王家との話し合いは終わりましたの?」
そー言えばどーなったの?
「ああ。あれは王家の方が悪いからな。話し合いはスムーズに進んだよ。第二王子はあの娘を王妃にすると言っていた」
ジョゼフ兄様がダンマリになったお父様の代わりに答えてくれた。
僕が断罪された事がよっぽど嫌だった
みたい。でもあれはそうなる様にしたん
だからそんなにむくれなくても......。
「いや、うん。分かってはいるぞ?あれはリアが頑張って仕向けたんだと。しかしこの可愛いリアがあの時言われた愚かな事などするわけが無いのに」
お父様が不機嫌な声で言う。
「ふふふ。あれはマリーナ様の魅了の
力で皆さん信じていましたものね」
「そうだ、魅了の力のせいなのだがそれが尚更許せないのだ。そもそも他の者ならまだしもこの国の第二王子が魅了ごときを跳ね返せないとは。情けない」
まだブクツサ文句を言ってる。
マリーナ様は魅了の力を使って自分を聖女様だと周りに思わせてたんだよねー。だから王子様と釣り合うのは私だと。うん、うん。それは本当にいいよ?見た目もお似合いの2人だったもんね。だけど嘘はダメだよ。いつかバレちゃうと思うけど。
でもマリーナ様が魅了使ってくれてやっとジャスパー殿下も婚約破棄してくれたから正直助かったんだよね~。
お父様にも何回もそう言ったのに。
溺愛って凄いなぁ。怖いなぁ。
「それに話し合いは断罪の次の日だったからまだリアが行方不明になったと知らない時間帯に行われた。だから私もジョゼフも平常心でいられたがあれが報告を受けた後であったなら話し合いの場には行っていなかっただろうな」
お父様が更に僕をギュッとしながら呟いた。良かった......。時間差で。王家との話し合いは確実にして欲しかったから。
ふぅー。危ない。
「一つ疑問が。何故あの女は第一王子のアスティカ殿下ではなくジャスパー殿下に言い寄ったのでしよう?アスティカ殿下の方が王太子で更にまだ婚約者がいないので狙い目だったのでは?」
ルークが敬語だ!!あ、お父様が居るからかぁ!!なんか久しぶりの敬語!!
感動するよぉ!
「あの女、最初はアスティカ殿下に言い寄っていたみたいだよ?全然相手にされずに悔しがっていたけれどね。魅了も通じなかったようだ。あの女に纏わりつかれた時に『お前、気持ち悪いな』と一言放って終わった」
ジョゼフ兄様が思い出したのかプッと笑ってる。
魅了が通じない強い方が王太子で安心だけど彼女は魅了がなくても結構可愛いと思うんだけどなぁ。『気持ち悪い』ってちょっと酷くない?
「ところで、リア?アスティカ殿下とは
個人的に会った事があるのかい?」
ジョゼフ兄様が思い出した様に僕に訊いてきた。
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