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第一章 公爵令嬢の姉
10 姉として学んで
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評判が良くない教師にも二通りある。
厳しすぎて子供の評判が良くない教師と、教師としての能力がない教師。
私は両方の教師と当たった。
私に興味のない両親は、教師の質などどうでも良かったのだろう。
そのうち王太子妃教育が始まった。
何故か私も一緒に王太子妃教育を受けさせられた。
私は同時に次期公爵家当主としての教育も始まった。
「えっ、私次期公爵家当主なの?」
新しい教師を紹介され、勉強内容を教えられて発した言葉がそれだった。
教師は残念そうな顔をしていた。
私は自分が次期公爵家当主とは、この時まで知らなかった。
私の待遇はとてもそうには見えないもの。
今までも『将来の王太子妃の姉なのだから』と言われるだけだったのだ。
私は外で、父が子供を作っているのではないかと疑っている。
だってどう考えても、私の扱いはおかしいもの。
そして、今まで以上に勉強一色の生活が始まった。
以前解雇された厳しすぎるキャサリン先生がご結婚され、王族推薦で王宮より派遣されて来られた時には笑ってしまった。
両親は気づかず、私は発言権がないので何も言わず、妹はすぐに両親に泣きついてしまった。
王宮からの派遣だから辞めさせる事も出来ず、妹を宥めるのに周りは苦労していた。
それでも、キャサリン先生がご懐妊されるまで王太子妃教育は厳しく続いた。
妹は最低限の貴族としての基本と仮病と言い訳の技術を磨いていった。
それと、私に課題を押し付ける事も覚えた。
キャサリン先生の時はまだ良かった。
見抜かれて、妹を叱責し妹が勉強部屋を出て両親と一緒に戻って来て頭ごなしに私が叱られる。
何度も同じ事を繰り返し、私は理不尽にも叱られ続けた。
ある日私は両親に反発した。
この部屋には味方になってくれるキャサリン先生がいるもの。
「何故私が叱られるのですか」
「当たり前ではないか。マリアーヌはこのエイヴァリーズ公爵家を盛り立ててくれる素晴らしい逸材だ。何をおいても、マリアーヌが優先されるのだ」
「そうですわ」
「この輝かしきマリアーヌを支えるだけの立場の貴様が何をやっているのだ。将来公爵家を継ぐというのに、不安しかないわ」
「将来妹を支える為だけに公爵家を継ぐというのに、自分の立場も弁えないなんて、なんて不出来なのでしょう」
キャサリン先生も呆れていた。
「私は王太子妃教育をする為に王宮から遣わされております。本来、リディアーヌには不要のもの。マリアーヌがしなければならないものなのですよ」
「おお、先生もそう思われますか。不要と……出来が悪いのみならず必要ない出来損ないですからな」
「私達に口答えするなど、教育が足りていない者が紛れ込んでしまって……再教育が必要かしら」
この日から折檻が始まった。
それでも出来るだけキャサリン先生は、私を守ってくれていたのだろう。
先生が辞められて、その事が如実にわかった。
厳しすぎて子供の評判が良くない教師と、教師としての能力がない教師。
私は両方の教師と当たった。
私に興味のない両親は、教師の質などどうでも良かったのだろう。
そのうち王太子妃教育が始まった。
何故か私も一緒に王太子妃教育を受けさせられた。
私は同時に次期公爵家当主としての教育も始まった。
「えっ、私次期公爵家当主なの?」
新しい教師を紹介され、勉強内容を教えられて発した言葉がそれだった。
教師は残念そうな顔をしていた。
私は自分が次期公爵家当主とは、この時まで知らなかった。
私の待遇はとてもそうには見えないもの。
今までも『将来の王太子妃の姉なのだから』と言われるだけだったのだ。
私は外で、父が子供を作っているのではないかと疑っている。
だってどう考えても、私の扱いはおかしいもの。
そして、今まで以上に勉強一色の生活が始まった。
以前解雇された厳しすぎるキャサリン先生がご結婚され、王族推薦で王宮より派遣されて来られた時には笑ってしまった。
両親は気づかず、私は発言権がないので何も言わず、妹はすぐに両親に泣きついてしまった。
王宮からの派遣だから辞めさせる事も出来ず、妹を宥めるのに周りは苦労していた。
それでも、キャサリン先生がご懐妊されるまで王太子妃教育は厳しく続いた。
妹は最低限の貴族としての基本と仮病と言い訳の技術を磨いていった。
それと、私に課題を押し付ける事も覚えた。
キャサリン先生の時はまだ良かった。
見抜かれて、妹を叱責し妹が勉強部屋を出て両親と一緒に戻って来て頭ごなしに私が叱られる。
何度も同じ事を繰り返し、私は理不尽にも叱られ続けた。
ある日私は両親に反発した。
この部屋には味方になってくれるキャサリン先生がいるもの。
「何故私が叱られるのですか」
「当たり前ではないか。マリアーヌはこのエイヴァリーズ公爵家を盛り立ててくれる素晴らしい逸材だ。何をおいても、マリアーヌが優先されるのだ」
「そうですわ」
「この輝かしきマリアーヌを支えるだけの立場の貴様が何をやっているのだ。将来公爵家を継ぐというのに、不安しかないわ」
「将来妹を支える為だけに公爵家を継ぐというのに、自分の立場も弁えないなんて、なんて不出来なのでしょう」
キャサリン先生も呆れていた。
「私は王太子妃教育をする為に王宮から遣わされております。本来、リディアーヌには不要のもの。マリアーヌがしなければならないものなのですよ」
「おお、先生もそう思われますか。不要と……出来が悪いのみならず必要ない出来損ないですからな」
「私達に口答えするなど、教育が足りていない者が紛れ込んでしまって……再教育が必要かしら」
この日から折檻が始まった。
それでも出来るだけキャサリン先生は、私を守ってくれていたのだろう。
先生が辞められて、その事が如実にわかった。
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