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14 男爵令嬢と新入学生
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生徒会室で私は勉強をしている。
正確には生徒会長に勉強を教えてもらっていた。
役員になっての唯一の特権だと思っている。
勉強の最中に上級生の伯爵令嬢が言った。
因みにこの方も生徒会長に勉強を教わっている。
わかる範囲だけね、と言いながらも困った様子もなく教えるのだから、学園で学ぶ必要ないんじゃないかと思う。
「今年の生徒会役員選びは難航しそうですわね」
「難航ですか?」
「そうよ、だって最初の婚約破棄騒動を知る人がいないでしょう?」
「あっ、そうですね。私達で最後だ」
すると、話を聞いていた生徒会長が言った。
「心配しなくてもいいわよ。今年は既に数人候補を決めているもの」
「私、選考基準を知りたいです」
絶対誰かに捕まってお茶会に呼ばれるから、答えられる理由が欲しい。
「簡単ですわ。学園で婚約破棄された方の中から、素敵な出会いがあった身内を探しましたの」
ずらりと並んだ生徒会の調書資料に目をやりながら答えてくれた。
「既に副会長には新入生を連れ出すように言ってありますわ。その内来ますわよ」
そんな話をした後、まず堂々と当然の様に生徒会室に一人の男性が入ってきた。
次にびくびくと怯えながら生徒会長室に入ってきた男性。
最後に副会長に誘導されて女性が入ってきた。
三人が新しい役員となった。
―――ご愁傷さまです。
正確には生徒会長に勉強を教えてもらっていた。
役員になっての唯一の特権だと思っている。
勉強の最中に上級生の伯爵令嬢が言った。
因みにこの方も生徒会長に勉強を教わっている。
わかる範囲だけね、と言いながらも困った様子もなく教えるのだから、学園で学ぶ必要ないんじゃないかと思う。
「今年の生徒会役員選びは難航しそうですわね」
「難航ですか?」
「そうよ、だって最初の婚約破棄騒動を知る人がいないでしょう?」
「あっ、そうですね。私達で最後だ」
すると、話を聞いていた生徒会長が言った。
「心配しなくてもいいわよ。今年は既に数人候補を決めているもの」
「私、選考基準を知りたいです」
絶対誰かに捕まってお茶会に呼ばれるから、答えられる理由が欲しい。
「簡単ですわ。学園で婚約破棄された方の中から、素敵な出会いがあった身内を探しましたの」
ずらりと並んだ生徒会の調書資料に目をやりながら答えてくれた。
「既に副会長には新入生を連れ出すように言ってありますわ。その内来ますわよ」
そんな話をした後、まず堂々と当然の様に生徒会室に一人の男性が入ってきた。
次にびくびくと怯えながら生徒会長室に入ってきた男性。
最後に副会長に誘導されて女性が入ってきた。
三人が新しい役員となった。
―――ご愁傷さまです。
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