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お姉様がお友達の弟の容態を聞いています。

原因に心当たりがあるか聞きましたが、お友達や湖の領主にはやはりないそうです。

お父様やお姉様がお城や都のお屋敷でのことを話し、もう一度聞いてみました。


お友達はハッとして思い出しながら話し始めました。

「王子とお気に入りの女性がいたわ。女性は弟を気に入ったようで『ここで素晴らしい愛があったの。私たちの真実の愛をわけてあげるわ』といって抱きしめたのよ」

その後すぐにお城を出たそうです。

皆一斉お友達の弟を見ました。息をするのも苦しそうでした。
その側には立ちつくしたままの女の子がいました。

お姉様が女の子にお友達の弟の様子を聞きました。
女の子はこの部屋で見たことを伝えました。


「少しでも弟が楽になる方法はない?試して貰えないかな?手伝えることがあるならなんでもするわ」

お友達が女の子へ必死に頼みました。
お姉様も「私も手伝うわ」と言いました。

女の子はそのままお友達の弟を触るのは怖かったので考えました。

女の子はじーっとお姉様を見つめてぱっと顔を輝かせ、がさごそと小さなポシェットに手を入れました。
そこにはお姉様の涙のしずくで出来たたまが三つありました。

残念ながら他の人には見えません。


女の子はお友達の弟の胸にぽーんと投げました。
当たった珠は弾けてお友達の弟と体を覆っている妖精たちを包みました。


『きよらかだよ』
『すてきだよ』
『うごけるよ』
『『『ここからぬけだせたよ』』』


お友達の弟はすやすやと安らかな息をしています。


『『『『『『こっちにもちょうだい』』』』』』


お部屋に貼りついている妖精たちは力なく言いますが、数が多いので大合唱になってしまいました。




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