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49 クラリスの断罪
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ナディオが王太子主催の招待状を貰った。
なんで私に招待状がないの?
実質私がナディオの婚約者じゃない。
ナディオも不思議がっていた。
個別にと書いてあるけれど、私に忘れた王城が悪いのよ。
私達は王城へ向かったが、城の中に入るのが一苦労。
夜会会場に着いた時点で疲れていたのに、また扉の前で止められた。
ありえないでしょう。間違いを犯しているのは王城なのに。
夜会には怯えた偽物がいたわ。
私がした事なんて、場違いな女が紛れ込んでいたから、指摘してこの場を退出しやすい様に便宜を図ってやっただけじゃない。
それなのに、カルドラシオ辺境伯の嫡男の不興を買った。
聞いていない知らない事ばかり言われ、混乱し絶望したわ。
それに従妹とかいう女にも貶められた。
王太子は居ないと思っていたのに会場には既にいて、私とナディオ様を連行する様に指示した。
私達は、ズルズルと引き摺られるように会場を後にし、薄暗い牢屋に放り込まれた。
「これでも温情だよ」
「全くだ。王太子の帰国後初の夜会を、滅茶苦茶にしたんだろう?」
「ありえん事だな」
冷たい看守達と、すえた臭いに気分が悪い。
ドレスは剥ぎ取られ、髪飾りなどの宝飾品も取られたわ。
代わりに与えられたのは、汚い薄い下着の様な服だった。
「私は貴族なのよ。こんな扱いしていい訳ないでしょう。ここから出しなさい。貴族としてせめて貴族牢に連れて行きなさい」
「アンタは貴族じゃないんだってさ」
看守はそう言ったきり、何も話さなくなった。
いったい何日ここにいるんだろう、と思っていた所で外に出る事になった。
自慢の金髪はぼさぼさで何日も入浴していない。
それなのに手首には大きな木の錠をかけられた。
説明なんてされなくて、黒い檻のような馬車に乗せられた。
馬車で移動する事一月位だろうか。
その間の食事は固いパンと薄いスープが日に一回のみ。
移動中、石を投げつけられる事もあった。
まるで見世物みたいに晒された。
泣いても喚いても変わらず、最初数人いた女達も一人、また一人と降ろされ最後に私だけが残った。
「クラリス、罪状」
やっと降ろされ告げられたのは、ありえない罪状の羅列だった。
王族侮辱罪、不敬罪、借財、詐欺などなどなど。
つらつらと告げられる。
家は既に断絶し、父も罪に問われているとの事だった。
もう喚く体力も逆らう気力も残っていなかった。
「おお、ここまでの罪人が来るなど久方ぶりですな」
「どれだけいたぶっても構わないのだろう?」
「ここに来たものはすぐ潰れるからな、コイツはどれだけ保つか、賭けようぜ」
頑丈でいやらしく笑う男達が目の前にいた。
今は生きているのか死んでいるのか、自分でもわからない日々が続いている。
なんで私に招待状がないの?
実質私がナディオの婚約者じゃない。
ナディオも不思議がっていた。
個別にと書いてあるけれど、私に忘れた王城が悪いのよ。
私達は王城へ向かったが、城の中に入るのが一苦労。
夜会会場に着いた時点で疲れていたのに、また扉の前で止められた。
ありえないでしょう。間違いを犯しているのは王城なのに。
夜会には怯えた偽物がいたわ。
私がした事なんて、場違いな女が紛れ込んでいたから、指摘してこの場を退出しやすい様に便宜を図ってやっただけじゃない。
それなのに、カルドラシオ辺境伯の嫡男の不興を買った。
聞いていない知らない事ばかり言われ、混乱し絶望したわ。
それに従妹とかいう女にも貶められた。
王太子は居ないと思っていたのに会場には既にいて、私とナディオ様を連行する様に指示した。
私達は、ズルズルと引き摺られるように会場を後にし、薄暗い牢屋に放り込まれた。
「これでも温情だよ」
「全くだ。王太子の帰国後初の夜会を、滅茶苦茶にしたんだろう?」
「ありえん事だな」
冷たい看守達と、すえた臭いに気分が悪い。
ドレスは剥ぎ取られ、髪飾りなどの宝飾品も取られたわ。
代わりに与えられたのは、汚い薄い下着の様な服だった。
「私は貴族なのよ。こんな扱いしていい訳ないでしょう。ここから出しなさい。貴族としてせめて貴族牢に連れて行きなさい」
「アンタは貴族じゃないんだってさ」
看守はそう言ったきり、何も話さなくなった。
いったい何日ここにいるんだろう、と思っていた所で外に出る事になった。
自慢の金髪はぼさぼさで何日も入浴していない。
それなのに手首には大きな木の錠をかけられた。
説明なんてされなくて、黒い檻のような馬車に乗せられた。
馬車で移動する事一月位だろうか。
その間の食事は固いパンと薄いスープが日に一回のみ。
移動中、石を投げつけられる事もあった。
まるで見世物みたいに晒された。
泣いても喚いても変わらず、最初数人いた女達も一人、また一人と降ろされ最後に私だけが残った。
「クラリス、罪状」
やっと降ろされ告げられたのは、ありえない罪状の羅列だった。
王族侮辱罪、不敬罪、借財、詐欺などなどなど。
つらつらと告げられる。
家は既に断絶し、父も罪に問われているとの事だった。
もう喚く体力も逆らう気力も残っていなかった。
「おお、ここまでの罪人が来るなど久方ぶりですな」
「どれだけいたぶっても構わないのだろう?」
「ここに来たものはすぐ潰れるからな、コイツはどれだけ保つか、賭けようぜ」
頑丈でいやらしく笑う男達が目の前にいた。
今は生きているのか死んでいるのか、自分でもわからない日々が続いている。
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