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50 ナディオのこれまでの事
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俺はナディオ、生まれはロンバード男爵の三男だったが、七歳の時にヘインズ子爵家に養子に入った。
今はナディオ・ヘインズ子爵家次期当主を名乗っている。
養子になるより少し前に婚約者が出来た。
この婚約は父が賛成し、母は反対した。
もっと身分の合う相手にしたらいいと言っていた。
そして婚約者が来たんだ。
婚約者が出来た当時は何も思わなかった。
ただ遊び相手が増えたと思ったんだ。
だが、こいつがとろいしのろまだった。
なんで俺と一緒に走り回る事も出来ないんだよ!
そんな時、友達が婚約者と顔合わせをした。
「婚約者の身分が上でさ、訪問から気を使ってクタクタだ」
最初の顔合わせは、下の者が訪問する事が多いんだって言うんだ。
「アイツ地味だもんな。あんまり喋らないし、ちょっと構ってやったらすーぐ顔を真っ赤にして固まるし、のろまだし」
あのクラーラとかいうのは、俺より下なんだと思った。
少したって父が大喜びで帰って来た。
鉱山の発掘調査に尽力したのが認められて、ヘインズ子爵領の代官になったんだって。
俺もヘインズ子爵家の養子に決まったと喜んでいた。
「養子って、何をすればいいの?」
「今までと何も変わらんぞ。王都でこの家で暮らせばいい」
「領地持ちなんて、どうすればいいんだよ。兄さん達みたいに勉強するの?俺勉強嫌いなんだけど」
俺は体を動かしている方が好きだったから、たくさん不満を言った。
「そうか、だがな勉強は大事だぞ。でもどうしても出来ない事があったら、出来る人に任せればいい。父さんみたいにな」
「ふーん、そうなんだ」
「そうだよ。協力して貰えばいい。例えば兄さん達とかな。それに婚約者は将来一緒にいるのだから、手伝ってもらうといいさ」
アイツが役にたつのか?
とてもそうとは思えず、適当に話を合わせた。
一度ヘインズ子爵家へ挨拶する為に領地に向かった。
何日も馬車に乗り、退屈だった。
「ヘインズ子爵は体が弱い方だ。私も初めてお会いするんだよ。粗相のないようにな」
領地に着いて走り回る事もできず、退屈な大人達の話は仕方なく俯いてやり過ごした。
数日泊まりの予定が、何故かすぐに帰ることになった。
帰りの父は、行きと違ってびっくりする程不機嫌だった。
「ナディオ、子爵にもクラーラにも敬意を表さなくてもいい。ヘインズ領の事もクラーラに任せてしまっていい」
「えっいいの?」
「これまで通り、お前の父は私だけだ」
父が俺の肩に手をやり、力強く言った。
それから父はブツブツと独り言を言っていた。
「……伯爵もこの事業が上手くいって侯爵になれたのに……あんな娘を……あれはまるで貰い子…………不義……」
狭い馬車の中、小さく呟く父の不機嫌な独り言を何気なく聞き続けた。
今はナディオ・ヘインズ子爵家次期当主を名乗っている。
養子になるより少し前に婚約者が出来た。
この婚約は父が賛成し、母は反対した。
もっと身分の合う相手にしたらいいと言っていた。
そして婚約者が来たんだ。
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だが、こいつがとろいしのろまだった。
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あのクラーラとかいうのは、俺より下なんだと思った。
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「そうか、だがな勉強は大事だぞ。でもどうしても出来ない事があったら、出来る人に任せればいい。父さんみたいにな」
「ふーん、そうなんだ」
「そうだよ。協力して貰えばいい。例えば兄さん達とかな。それに婚約者は将来一緒にいるのだから、手伝ってもらうといいさ」
アイツが役にたつのか?
とてもそうとは思えず、適当に話を合わせた。
一度ヘインズ子爵家へ挨拶する為に領地に向かった。
何日も馬車に乗り、退屈だった。
「ヘインズ子爵は体が弱い方だ。私も初めてお会いするんだよ。粗相のないようにな」
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「えっいいの?」
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それから父はブツブツと独り言を言っていた。
「……伯爵もこの事業が上手くいって侯爵になれたのに……あんな娘を……あれはまるで貰い子…………不義……」
狭い馬車の中、小さく呟く父の不機嫌な独り言を何気なく聞き続けた。
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