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51 ナディオのこれまでの事2
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家に帰ると、家族の顔が暗かった。
「クラーラ嬢のお母様がお亡くなりになったの」
王都では小規模の見送りだったらしい。母も兄達も婚約者の身内として参列したとか。
あのクラーラの母だもんな、知り合いなんていなかったんだ。
父は興味なさそうに、すぐ会話の場を離れていった。
俺も興味がなく、家族が何か言っていたが無視してその場を離れた。
「お体が悪ったからナディオとの顔合わせもこちらでしたんでしょう、母さん」
「そうよ、ナディオさんにも顔合わせの時に言ってあるわ。それなのに、なんて薄情なのでしょう」
「それにしても、クラーラ嬢って母親似だったな。将来綺麗になるだろうな」
それから、家族の俺への態度が変わった。
まず母が勉強しろとうるさい。
兄達も同意した。
「わからない所があったら教えるからな。ナディオの養子が決まってから、領地の事も勉強しているんだ。一緒にやっていこう」
そう言いながら、勉強しろと迫ってくる。
兄は子爵領にも付いてきて、段々と態度が酷くなった。
俺のやりたくない事なんて、やらなくてもいいだろう?
クラーラなんか俺が喚くとあたふたして言う通りにするじゃないか。
友達も変わっていった。
「ナディオ、土地持ちに養子だなんて凄い幸運だな。その幸運分けてよ」
「将来雇ってくれよな、よっ将来有望なナディオ様」
俺はコイツらを雇える上の立場なんだと思った。
家族はクラーラの事にも口を出した。
俺より下だ、俺の方が偉いんだ、いらない子を押し付けられたと言うといつも反論された。
だって貰い子っていらないから捨てられたんだろ?
侯爵になったのも父が頑張ったからだろう?
「ナディオさん、そんな筈がないでしょう。クラーラ嬢は正真正銘バンデルン侯爵家のご令嬢ですよ」
「そうだぞ。何を勘違いしてるんだ。父さんも頑張ったが侯爵は元々実力のある方だ」
「蔑ろにしてはなりません。大切なご縁ですよ」
母や兄がそんな事を言うが、その頃には家族の声は鬱陶しいだけだった。
父に頼み、ヘインズ家の王都の家に引っ越した。
その際、子爵から将来の練習も兼ねて帳簿付けや、屋敷の運用の流れを知るようにと記された手紙を受け取った。
使用人は少ないが、一人悠々としていられると思ったのに。
家の事なんて女の仕事だろう?面倒な事はクラーラに押し付ければいいか。
夜会デビューを控え気晴らしに参加したお茶会で、幼なじみのクラリスと再会した。
世界が華やかになったんだ。
屋敷にクラリスを招待したら、使用人達から苦情がきた。
この屋敷に入れていい女性は、クラーラだけだというのだ。
暗くて鈍臭い、見てるだけで嫌にやるクラーラ。
だったらと、夜会やお茶会を頻繁にクラリスと参加した。
「クラーラ嬢のお母様がお亡くなりになったの」
王都では小規模の見送りだったらしい。母も兄達も婚約者の身内として参列したとか。
あのクラーラの母だもんな、知り合いなんていなかったんだ。
父は興味なさそうに、すぐ会話の場を離れていった。
俺も興味がなく、家族が何か言っていたが無視してその場を離れた。
「お体が悪ったからナディオとの顔合わせもこちらでしたんでしょう、母さん」
「そうよ、ナディオさんにも顔合わせの時に言ってあるわ。それなのに、なんて薄情なのでしょう」
「それにしても、クラーラ嬢って母親似だったな。将来綺麗になるだろうな」
それから、家族の俺への態度が変わった。
まず母が勉強しろとうるさい。
兄達も同意した。
「わからない所があったら教えるからな。ナディオの養子が決まってから、領地の事も勉強しているんだ。一緒にやっていこう」
そう言いながら、勉強しろと迫ってくる。
兄は子爵領にも付いてきて、段々と態度が酷くなった。
俺のやりたくない事なんて、やらなくてもいいだろう?
クラーラなんか俺が喚くとあたふたして言う通りにするじゃないか。
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「ナディオ、土地持ちに養子だなんて凄い幸運だな。その幸運分けてよ」
「将来雇ってくれよな、よっ将来有望なナディオ様」
俺はコイツらを雇える上の立場なんだと思った。
家族はクラーラの事にも口を出した。
俺より下だ、俺の方が偉いんだ、いらない子を押し付けられたと言うといつも反論された。
だって貰い子っていらないから捨てられたんだろ?
侯爵になったのも父が頑張ったからだろう?
「ナディオさん、そんな筈がないでしょう。クラーラ嬢は正真正銘バンデルン侯爵家のご令嬢ですよ」
「そうだぞ。何を勘違いしてるんだ。父さんも頑張ったが侯爵は元々実力のある方だ」
「蔑ろにしてはなりません。大切なご縁ですよ」
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屋敷にクラリスを招待したら、使用人達から苦情がきた。
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暗くて鈍臭い、見てるだけで嫌にやるクラーラ。
だったらと、夜会やお茶会を頻繁にクラリスと参加した。
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