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36 素敵だわ―サリーニア
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私は先日、ロンドリオ殿下が石壁から落ちた際下敷きになってしまったのよね。
今は養生してベッドで休んでいるわ。
だって最近屋敷の空気が悪いんですもの。
異母姉様のせいで下へ買い物にも行けないんだから、酷いわよね。
そんな屋敷にアークアラ公爵がやって来たのよ。
「あぁ、やっと王子妃扱いされたわ。ここには私の価値を知らない者が多すぎる」
アークアラ公爵が見舞いに来て、宝飾品を置いていって私は満足したわ。
素敵、私にはきらきら輝く派手な宝飾品が似合っているのよ。
なのになのに……
私は結婚の記念にと王都で注文した沢山のドレスや靴、宝飾品を思い出していたの。
特注品だから時間がかかるのはわかっているけれど、超特急で作らせたんだから。
出来ている筈なのに、手に取れないなんてあんまりよね。
だから私、注文した王都の店に手紙を書いたの。
馬車が全部ダメになった時考えたんだから。
だって私は次期タリ・タスチーヌ侯爵で王子妃だもの。
行けないなら来させればいいじゃない。
私は着飾って益々愛され綺麗になるのよ。
私は少し前の不快な屋敷を思い出した。
お金がなくて使用人が飢える?知らないわよそんな事。
私の食事は用意してあるのでしょう?
貧相な物など必要ないのよ、いつもの様に豪華なものにしてね。
茶葉がない?ありえないでしょう。
貴族はね、贅沢に茶葉を使ってお茶を嗜むものなのよ。
使用人が使えないのは困り物だわ。
私は王子妃なのよ。
それなのに異母姉様が悔しがってロンド様が王族ではないと言うのよ。
信じられないわよね。いつもいつも意地悪をして私を苦しめる。
異母姉様の陰謀なら打ち勝てばいいじゃない。
ロンド様を奪えた様に上手くいくはずよ。
でも、今も異母姉様の嫌がらせは続いている。
しかし、私達は屈しないんだから。
暗い顔をしていた屋敷の者も、アークアラ公爵が来てからは変わったわ。
通行税は公爵だとあまり掛からないんですって。
ほら、やっばり異母姉様の嫌がらせじゃない。
領都でまとめて公爵の家臣が買い出ししてくれるのですって。
じゃあ、頼んでいたドレスの進捗も聞いてもらいましょう。
そんな中やっと王都から商人がやって来た。
「ロンド様、頼んでいた品が届きましたよ。素敵ですわよね」
ふふ、続々と屋敷に運ばれてくるわ。
「サリーニア、これは何だ?」
「お父様、結婚記念にと揃えた品々ですわ」
「……確かに記念になる品を買ってもいいと言ったが多過ぎないか?」
「そんな事はないですよ。ね、ロンド様。二人で選んだものもありますよ」
「そうだな、揃いの衣装を誂えた」
「沢山必要だと思って急いで作らせたんですよ」
何故今更そんな事を言うのだろう。
集まってきた皆が無言で品々を見ているわ。
「サリーニア、そ、その支払いは……」
「もちろんお父様、支払って下さいね。アークアラ公爵でもいいわ。公爵おすすめのお店の品ですもの」
「……」
「……」
あら、当然じゃない。
結婚式の後、公爵も殿下に合うように高級な品が必要だと勧められたわ。
私は有頂天になって商品を見比べていた。
お父様とロンドリオ殿下がアークアラ公爵と何やら内緒話をしているわ。
男同士の話は難しいから、私には関係ないわね。
お母様とドレスの品評でもしようと思ったら、部屋の隅で小さくなっていた。
何故だろう?呼んだら気分が悪くなったと部屋を出ていったわ。
体調が悪かったのね、後でお見舞いしましょう。
だから私は知らない。
男の人達が何を話していたのかを。
「随分高くないか?」
「商人に聞いたところでは、取り寄せ素材に超特急料金。領地に呼ぶ際タリ・タスチーヌ侯爵家の書状で通って来た為各地の通行税が余分にかかっているようだな」
「……返品出来ないのか?」
「特注品だから難しいな」
「サリーの喜ぶ顔は何よりも勝るのだ」
「殿下がそう仰るのなら…………早々に金が尽きるぞ」
「公爵何か言ったか?」
「なんでもございません……」
今は養生してベッドで休んでいるわ。
だって最近屋敷の空気が悪いんですもの。
異母姉様のせいで下へ買い物にも行けないんだから、酷いわよね。
そんな屋敷にアークアラ公爵がやって来たのよ。
「あぁ、やっと王子妃扱いされたわ。ここには私の価値を知らない者が多すぎる」
アークアラ公爵が見舞いに来て、宝飾品を置いていって私は満足したわ。
素敵、私にはきらきら輝く派手な宝飾品が似合っているのよ。
なのになのに……
私は結婚の記念にと王都で注文した沢山のドレスや靴、宝飾品を思い出していたの。
特注品だから時間がかかるのはわかっているけれど、超特急で作らせたんだから。
出来ている筈なのに、手に取れないなんてあんまりよね。
だから私、注文した王都の店に手紙を書いたの。
馬車が全部ダメになった時考えたんだから。
だって私は次期タリ・タスチーヌ侯爵で王子妃だもの。
行けないなら来させればいいじゃない。
私は着飾って益々愛され綺麗になるのよ。
私は少し前の不快な屋敷を思い出した。
お金がなくて使用人が飢える?知らないわよそんな事。
私の食事は用意してあるのでしょう?
貧相な物など必要ないのよ、いつもの様に豪華なものにしてね。
茶葉がない?ありえないでしょう。
貴族はね、贅沢に茶葉を使ってお茶を嗜むものなのよ。
使用人が使えないのは困り物だわ。
私は王子妃なのよ。
それなのに異母姉様が悔しがってロンド様が王族ではないと言うのよ。
信じられないわよね。いつもいつも意地悪をして私を苦しめる。
異母姉様の陰謀なら打ち勝てばいいじゃない。
ロンド様を奪えた様に上手くいくはずよ。
でも、今も異母姉様の嫌がらせは続いている。
しかし、私達は屈しないんだから。
暗い顔をしていた屋敷の者も、アークアラ公爵が来てからは変わったわ。
通行税は公爵だとあまり掛からないんですって。
ほら、やっばり異母姉様の嫌がらせじゃない。
領都でまとめて公爵の家臣が買い出ししてくれるのですって。
じゃあ、頼んでいたドレスの進捗も聞いてもらいましょう。
そんな中やっと王都から商人がやって来た。
「ロンド様、頼んでいた品が届きましたよ。素敵ですわよね」
ふふ、続々と屋敷に運ばれてくるわ。
「サリーニア、これは何だ?」
「お父様、結婚記念にと揃えた品々ですわ」
「……確かに記念になる品を買ってもいいと言ったが多過ぎないか?」
「そんな事はないですよ。ね、ロンド様。二人で選んだものもありますよ」
「そうだな、揃いの衣装を誂えた」
「沢山必要だと思って急いで作らせたんですよ」
何故今更そんな事を言うのだろう。
集まってきた皆が無言で品々を見ているわ。
「サリーニア、そ、その支払いは……」
「もちろんお父様、支払って下さいね。アークアラ公爵でもいいわ。公爵おすすめのお店の品ですもの」
「……」
「……」
あら、当然じゃない。
結婚式の後、公爵も殿下に合うように高級な品が必要だと勧められたわ。
私は有頂天になって商品を見比べていた。
お父様とロンドリオ殿下がアークアラ公爵と何やら内緒話をしているわ。
男同士の話は難しいから、私には関係ないわね。
お母様とドレスの品評でもしようと思ったら、部屋の隅で小さくなっていた。
何故だろう?呼んだら気分が悪くなったと部屋を出ていったわ。
体調が悪かったのね、後でお見舞いしましょう。
だから私は知らない。
男の人達が何を話していたのかを。
「随分高くないか?」
「商人に聞いたところでは、取り寄せ素材に超特急料金。領地に呼ぶ際タリ・タスチーヌ侯爵家の書状で通って来た為各地の通行税が余分にかかっているようだな」
「……返品出来ないのか?」
「特注品だから難しいな」
「サリーの喜ぶ顔は何よりも勝るのだ」
「殿下がそう仰るのなら…………早々に金が尽きるぞ」
「公爵何か言ったか?」
「なんでもございません……」
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