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第十二章 秘密
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それはまったく予想外の出来事だった。
レーモンが、アリスの横に自分の馬をピタリと付け、
「失礼!」
と、ひとこと言って、いきなりアリスの体を強引に引き寄せて羽交い絞めにしてしまったのだ。
「レ、レーモン、何をするっ!!」
驚き叫ぶアリス。
その口を、レーモンは自分の手で無理やり塞ぐ。
アリスはもごもご言いながらも、体をくねらせレーモンから必死に逃れようとする。
が、力ではまったく敵わない。
レーモンは抵抗するアリスの体を抱え、そのまま馬から引きずり下ろしてしまった。
そこへ竜騎士たちが集まってきた。
他の兵士に見えないように、アリスをぐるりと取り囲む。
いったいどうしたんだ?
まさか謀反!!?
いや、レーモンに限ってそんなことするはずはない。
「レーモン様、どういうおつもりですか!」
僕は信じられない気持ちで叫び、レーモンとアリスの方に駆け寄ろうとした。
するとリナが、僕の腕を強くつかんだ。
「ユウトさん、待ってください!」
そう言うリナの顔には、どこか暗い影が差している。
「リナ様、手を離してください。アリス様が――!」
「ユウトさん、今は黙って見ていてください。お願いします」
リナはすがるような目をして訴えてくる。
僕は一瞬迷ったが、黙ってリナの手を振り払った。
そして、アリスを囲む竜騎士の間に無理やり割って入った。
「放せ! はーなーせーえー!!」
アリスはレーモンに抱えられたまま、足をジタバタさせている。
そんなアリスに向かって、レーモンが言った。
「アリス様、どうぞお静かに」
「レーモン! 貴様、自分が何をしているのかわかっているのか! 後でタダではすまんぞ」
アリスは激怒し、レーモンに凄まじい目線を飛ばす。
「この度の遠征の失態を招いた咎《とが》は元より、いかなる処罰も受ける所存です。ですが今は――」
「起きてしまったことは仕方ない。それより私を放せ! このバカ! 私には生き残った兵士たちを全員無事に連れて帰る義務があるのだ!」
「それはなりません。アリス様にはどうしても先に逃げていただきます」
「そんな卑怯なことができるか! ああ、ユウト――!」
アリスが僕に気付いた。
「頼む、レーモンを何とかして……」
しかしレーモンはその隙を与えない。アリスの体を強引にマティアスに預けると、自分は懐から白い布きれを取り出した。
「やむを得ません。御免!」
レーモンは布きれを輪っかにしてアリスの口に押し込んだ。
叫ばれないよう、猿ぐつわを噛ませたのだ。
「兵が動揺しますゆえ、しばらくの間我慢していただきます」
「む、むぐぅ……!」
アリスは悔しさのあまり、涙目になっている。
「待ってくださいレーモン様! 何をするんです! アリス様を解放してください!」
僕はレーモンに詰め寄った。
しかし……。
「ユウト、お前もだ」
レーモンが僕をじろりとにらんだ。
レーモンが、アリスの横に自分の馬をピタリと付け、
「失礼!」
と、ひとこと言って、いきなりアリスの体を強引に引き寄せて羽交い絞めにしてしまったのだ。
「レ、レーモン、何をするっ!!」
驚き叫ぶアリス。
その口を、レーモンは自分の手で無理やり塞ぐ。
アリスはもごもご言いながらも、体をくねらせレーモンから必死に逃れようとする。
が、力ではまったく敵わない。
レーモンは抵抗するアリスの体を抱え、そのまま馬から引きずり下ろしてしまった。
そこへ竜騎士たちが集まってきた。
他の兵士に見えないように、アリスをぐるりと取り囲む。
いったいどうしたんだ?
まさか謀反!!?
いや、レーモンに限ってそんなことするはずはない。
「レーモン様、どういうおつもりですか!」
僕は信じられない気持ちで叫び、レーモンとアリスの方に駆け寄ろうとした。
するとリナが、僕の腕を強くつかんだ。
「ユウトさん、待ってください!」
そう言うリナの顔には、どこか暗い影が差している。
「リナ様、手を離してください。アリス様が――!」
「ユウトさん、今は黙って見ていてください。お願いします」
リナはすがるような目をして訴えてくる。
僕は一瞬迷ったが、黙ってリナの手を振り払った。
そして、アリスを囲む竜騎士の間に無理やり割って入った。
「放せ! はーなーせーえー!!」
アリスはレーモンに抱えられたまま、足をジタバタさせている。
そんなアリスに向かって、レーモンが言った。
「アリス様、どうぞお静かに」
「レーモン! 貴様、自分が何をしているのかわかっているのか! 後でタダではすまんぞ」
アリスは激怒し、レーモンに凄まじい目線を飛ばす。
「この度の遠征の失態を招いた咎《とが》は元より、いかなる処罰も受ける所存です。ですが今は――」
「起きてしまったことは仕方ない。それより私を放せ! このバカ! 私には生き残った兵士たちを全員無事に連れて帰る義務があるのだ!」
「それはなりません。アリス様にはどうしても先に逃げていただきます」
「そんな卑怯なことができるか! ああ、ユウト――!」
アリスが僕に気付いた。
「頼む、レーモンを何とかして……」
しかしレーモンはその隙を与えない。アリスの体を強引にマティアスに預けると、自分は懐から白い布きれを取り出した。
「やむを得ません。御免!」
レーモンは布きれを輪っかにしてアリスの口に押し込んだ。
叫ばれないよう、猿ぐつわを噛ませたのだ。
「兵が動揺しますゆえ、しばらくの間我慢していただきます」
「む、むぐぅ……!」
アリスは悔しさのあまり、涙目になっている。
「待ってくださいレーモン様! 何をするんです! アリス様を解放してください!」
僕はレーモンに詰め寄った。
しかし……。
「ユウト、お前もだ」
レーモンが僕をじろりとにらんだ。
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