転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに

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第3章 王都 学園中等部生活編

第52話 使徒のお仕事...不本意だけどその壱

「ねぇ、ねぇ!起きて!」

うぅぅん...なんだ?宿のベットで寝ていたら頭に直接響くような声が聞こえた。この声は...

「あ!起きた!」

あ!エルザか!

「うん、そうだよ」

いきなりなんの用だろう?私は目を開けた。そこは私が転生する時に来た場所だった。

「実は頼みがあって...」

頼み?

「うん、今お姉ちゃんギルディア魔国にいるでしよ?」

あ、うん...ってお姉ちゃんて私の事?

「そうだよ?だめ?」

そう言って上目遣いで見てくる...まぁ別にいいんだけど...

「良かった!なら話を進めるね」

なんか強引に話を戻された。

「前に世界樹の力を使った奴らがいたでしょ?」

あーあのローブの奴らね。

「そうそう。で、そいつらが今お姉ちゃんがいる所にいるの」

まじ?

「まじ」

で、どうしろと?

「そいつらがまた変なことをしようとしてるの」

ほうほう。

「だから止めて欲しいの」

それはいいんだけど、エルザが直接行けば速いんじゃないの?

「そうしたいのは山々なんだけど、そいつらが起こしたことで、この世界のシステムにエラーが出てて、その処理に追われてるの...」

システムにエラーって...大丈夫なの?

「うん、なんとか。で、これ以上は不味いから、止めて来て欲しいの」

分かった。でもそいつらの目的はなんなの?

「それが分からない...だから、それも含めて調査してきてくれると嬉しいな?」

はい、全部丸投げですか。

「そ、そんなことないよ?!私だって調べておくから!」

そーですか。

「なんか冷たい?!」

いや、私の職業が女神の使徒って時点で丸投げするつもり満々だったでしょ。

「.........」

おーい!

「と、とりあえず、よろしくね!」

あ、ちょ!

ーーーーーーー

「うぅぅん...」

私がもう一度目を覚ますと、そこは宿のベットの上だった。

「まったく...」

エルザに面倒事押し付けられたよ...まぁこの世界が無くなるのは困るので頑張りますけどね。

ちなみにあのエルザがいる世界には精神だけが行ってるらしい。だからあんまり長い間行けないんだけど...もうちょっと時間あったよねぇ?

「ま、それは後でかな」

まだ時間的には日が昇っていない。みんなはぐっすりと眠ってる。

「...て、どこに行けばいいのよ」

エルザなんも言ってないよね!なに、しらみ潰しに探せって言うの?!そう思っていると、ピコンッ!て音がして、頭の中に世界地図ワールドマップが展開された。そして1本のピンが立っていた。てかそんな機能あったの?!

「ここに行けってことか...」

その場所はここからかなり遠い森の中だった。とりあえず寝巻きから黒装束に着替えて、光学迷彩、気配隠蔽を発動し、宿の窓から抜け出した。タイムリミットは日の出までかな。

空歩で目的地まで向かう。そういえば転移魔法とか使えないのかな?また今度試してみよ。

空歩を使って空を走ること10分、端っこの方にある森に到着した。世界地図ワールドマップにはこの森自体にピンが立っているから、ここからは自分で探さないといけない。光学迷彩は展開したまま、森を進む。ちなみに、もし戦いになった場合は光学迷彩は解除しないといけない。なんか展開したままだと魔法も使いにくいし、激しく動くと見えちゃうんだよね。意外と使い勝手が悪い。

森を進むと、チラホラと魔物と戦った痕跡を発見した。『サーチ』してみる限り、魔物はほとんど倒されているようだ。なかなかの手練がいるみたい。前にベルが誘拐されたとこにいた、ローブの男達の戦闘センスは皆無だったけどね。

「うーん...めんどいから『サーチ』使いたいけど...」

対象をどう設定しよう?名前なんて分からんし、ローブを被った男ってやっても.........見つけたわ。まじ『サーチ』優秀。

「固まってるね...」

森の中心付近で固まっているみたい。人数にして5人ほど。あと、ローブは付けてないみたいだけど男が1人。

「とりあえず、行きますか」

光学迷彩にも実はタイムリミットがあって、もうそろそろ限界。こんなことなら最初から解除しておけばよかった。次に使えるようになるのは1時間後。まぁずっと展開できたらまさに最強だものね。

向かっている途中で光学迷彩は切れちゃったけど、到着した。地面には青白い輝きを放つ大きな魔法陣があった。その周りを囲むようにローブの男たちは立っていて、なにかの呪文を唱えている。

「これはすぐに...っ!」

すぐに止めた方がいいと思って、出ようとしたときに、風の刃が飛んできた。私は横っ飛びで躱して魔法を使った相手を見た。そいつはローブを着ていなかった男だった。

「おいおい、嬢ちゃん。ここはちっさい子が来るとこじゃねぇぜ」

そう言いながら近づいてくる。私は内心驚いていた。何せ私は気配隠蔽を最大で使っていたのだから。

「どうして...っ!」
「それはなんで見つけられたってことか?へっ!誰が教えるかよ!」

そう言って持っていた剣を振り下ろす。それだけで風の刃が飛んできた。さっきの攻撃と同じだ。とりあえず横っ飛びで躱すと、アイテムボックスから鉄刀を取り出す。

「お、殺り合うってか?ハハハッ!おもしれぇ!来いよ!」
「なら遠慮なく!」

私は足に力を込めて一気に間合いを詰め、抜刀術で相手の胴体を狙った。

ガギンッ!

「なっ!」

だけどそれは相手の剣で止められた。

「おーいい動きじゃねぇか。久しぶりに楽しめそうだぜっ!」

そう言って私をはじき飛ばした。私は空中で一回転して着地した。

「今度はこっちから行くぜ!」

私は攻撃に備えた。見切りのスキルは持っているけど、この男の人は他とは違う。見切れないのだ。

「くっ!」

ガギンッ!

男は真上から剣を振り下ろしてきた。なんとか刀で受け止めたけど、身長差があるせいで、私はその衝撃を受け止めきれず、片膝を着いた。

「ほー、これを受け止めるか。想像以上にいい腕してるじゃねぇか!」
「そりゃどーもっ!」

私がやられたように相手をはじき飛ばした。けど、そこまで距離を離せなかった。

「おらおらぁ!まだまだいくぜぇ!」

男は見かけの巨体に似合わないスピードで私に斬りかかってきた。私はその攻撃を捌きつつ、反撃の隙を狙うけど、全然見つけられない。

「おらぁ!さっきの威勢はどうしたぁ!」
「くっ!」

またしても私ははじき飛ばされた。極力受け流していたけど、攻撃が1発1発重くて、腕にはかなりの負荷がかかっていた。

「はぁはぁ...」

このままだと負けるな...

「へっ!こんな程度かよ。期待して損したぜ。じゃあ最後に俺の本気を見せてやるよ」

本気?そう言って男は自身の剣に魔力を流し始めた。すると剣から禍々しいオーラが出てきた。

「やっぱこの感覚はいいぜ!」
「感覚...?」
「剣が俺と一体化していく感覚だぜ!お前もやったら抜け出せないと思うぜ!」

剣が体と一体化...それってかなりヤバいんじゃない?ただでさえ剣からヤバいオーラが出てるのに。

「ま、やることは二度とないだろうがな!」

そう言って、さっきとは比べ物にならないほどの速さで、斬りかかってきた。

「くっ!」

ガギンッ!ピシっ!

ピシっ?あ!刀にヒビが!

「おらぁ!」

ピシピシビシッ!

不味い不味い不味い!!私は急いで全力の身体強化を使って刀を置いて逃げ出した。

バギッ!

「あっぶなぁ!」
「あれを避けるか...だが、これで終わりだなぁ!」

私はアイテムボックスから翡翠刀を取り出した。まだ刀はあるけど、あの刀が壊れた時点で、翡翠刀じゃないと対抗できないとおもったからだ。

ガギンッ!

「ほう。まだあったか」
「勝手に殺されちゃたまらないからねっ!」

私は男をはじき飛ばした。そこまで飛ぶとは思っていない。あくまで牽制のつもり...だった。

「ぬぉ!」

男が軽く10メートルは吹っ飛んでった。

「...は?」

思わず間抜けな声が出るのも仕方ない。だってそこまで飛ぶとは思わなかったんだもん。
私は思わず翡翠刀を見る。すると翡翠刀の刃の部分に、青白い輝きを纏っているのが分かった。

「なに...これ」

私は原因が分からなかったので、鑑定してみる。

翡翠刀・真:翡翠刀が#■№に反応し、覚醒した状態。邪気を浄化する能力が解放されている。

なんか文字化けで見えないんだけど...

「ちっ...なんなんだよ!さっきまでとは全然違うじゃねぇか!」

あら、男が立ち上がってきた。今思えばなんで剣で勝負しようとしてたんだろ?身体強化すれば楽なのにね。こうやって吹き飛ばせたのも、逃げる時に使った身体強化の影響だと思うしね。

「そろそろ本気でやろっかなって」

わざと男を煽る。見てる限りそんな頭良さそうじゃないし、こうすれば怒りで動きが短調になるとおもったから。

「くっそぉ~!殺してやる!!」

まぁ、予想通りの反応ありがとう。

「じゃあこっちからいくよ」

最初に切り込んだ時は単純な力を込めただけ。身体強化をした今の状態なら...

「なっ!」

男が反応する間もなく私は懐に潜り込むと、剣を持っていない方の腕を切り飛ばした。

「このっ!!」

剣を横薙ぎに振るってきたので、一旦距離をとる。

「くそっ!殺して...コロジデヤルゥッ!!」

なにやら男の様子が変わった。剣から出てた禍々しいオーラが男の体から出始めた。そういえば剣と一体化する感覚って...

「ヌオォ!!!」

禍々しいオーラが男を包んだと思ったら、うめき声が聞こえた。そして包んでいたオーラが消えると、そこには人とは違うがいた。真っ黒な体に怪しく光る赤い瞳。切り飛ばしたはずの腕も復活していた。

「ゴロスゴロスゴロス!!!」

先程とは違う声でそう叫んだ。

...どうやら第2ラウンドの開始のようだね。
















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