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第4章 王都 学園高等部生活編
第69話 女神の仕事のお手伝い…なのか?
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ベルと共に屋敷に着くと、もう辺りは暗くなっていた。
ポーチを買いに行こうかとおもってたんだけど…まぁ、それは後日でいっか。
「お帰りなさいませ」
いつものようにセバスチャンさんが迎えてくれた。
「いつもありがとうございます」
ほんとにね。毎日帰ったら門のとこに立ってるんだもの。
「いえ、大したことではございません。それでは中へ」
セバスチャンさんが扉を開けてくれたので、屋敷へと入る。
「お食事の用意は出来ておりますので、お着替えなどが済みましたら、食事室にお越しください」
「はい、分かりました」
2階に上がって制服を脱ぐ。そして部屋着に着替える。前世はパーカーとかよく着てたんだけど、この世界にはないらしい。なので仕方なくワンピースを着ている。いっその事作ってみる?
…いや、私裁縫とかの腕皆無だったわ…作れる訳ない。
妙に傷つきながら、ベルと共に下に降りる。そしていつもの部屋に向かう。そういえばこの屋敷の全貌とか知らないや。毎日同じ部屋しか行ってないし。今度見回ってみようかな?
いつも部屋…食事室に着き、扉を開ける。するともう既に食事が用意されていた。まだスープから湯気がたってるから、出来たてだろうね。
「ごゆっくりお召し上がりください」
「あの、リーナは?」
いつもなら、この時間にリーナもいるのだ。
「カトリーナ様は、お仕事で帰るのが遅くなるそうです」
「そ、そうですか…ありがとうございます」
「いえ。ではごゆっくり」
そう言ってセバスチャンさんは、扉のすぐ脇に移動した。そこがセバスチャンさんの定位置だ。
…そして、何故私がリーナが仕事だということに動揺したのかというと…その仕事の原因の大半が私にあるからだ。
「あれはやりすぎたかなぁ…」
「うん?どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
実は、以前エルザの仕事の手伝いをしていたせいで、王都周辺の森をすこし吹き飛ばしてしまったのだ。それが思ったより大事になってしまって…名乗り出る訳にもいかないし、でも犯人は捕まらないから調査は続くし…本当に申し訳ない。
「…リーナにはなんか疲れが取れるものをプレゼントしよう」
そもそも、何故リーナが調査をしているのかというと、その森の破壊が魔法によって引き起こされたものだと判明したから。元とはいえ、リーナは賢者だった。無論魔法に詳しいので、破壊した魔法がなんなのかとかを調べてる訳だ。幸い私の魔力は拡散させておいたので、気づかれていない…はず。
「フィリアちゃん?食べないの?」
「あ、ごめん。食べるよ」
少し冷めてしまったスープを口に運ぶ。
「…美味しい」
冷めてしまったとしても、とても美味しかった。
食事を食べ終わり、ベルに話しかける。
「今日は私が先にお風呂に行っていい?」
「うん、いいよー」
お風呂は1人ずつ入っている。3人とかでも余裕で入れる広さがあるけど、1人の方がのんびりできるしね。魔法で体を綺麗にすることもできるけど、精神的にも入った方がリラックスしてゆっくり休めるから、入れる日は入るようにしている。
2階に上がってお風呂の準備をする。寝巻きに下着。タオルなどはあっちにある。
準備を済ませ、お風呂に向かう。ちなみにお風呂は男女別。
脱衣所で服を脱ぎ、中に入る。
「何回見ても広いねぇ…」
この屋敷にきてからずっと入っているお風呂だが、個人が持つにはやはり些か大きすぎる。
「ま、ゆっくりできるからいいけどね」
石鹸で泡を立てて体を洗い、洗い終わったら泡を流す。
そしてゆっくりと湯船に浸かった。
「ふわぁー…」
日本人は偉大なり。疲れが抜けてく~…
ーお、お姉ちゃん…ー
…前言撤回。一気に疲れが出た。
ーそ、そんなこと言わないでよ!ー
どうせまた仕事押し付けるんでしょ?
ー押し付けるって…まぁそうなんだけど…ー
「はぁぁぁぁー…」
思わずそんなため息が出る。それも仕方ないだろう。これで一体何回目か…ギルディア魔国での仕事、これはまぁ仕方ないと思う。神獣が死にかけだから助けてだとか、そんなんも仕方ない。ちなみに森を破壊したのはこの神獣を助けるとき。
治したければ我を倒せ!って言ってきて……イラついたのでついやりすぎてしまった。
…だけど、ミスって厄災の種を落としたり、神器落としたり…それを回収する仕事ってつまりエルザのミスの尻拭いな訳で…
ー尻拭いって…ちょっとミスっちゃっただけじゃない!ー
どこがちょっとだ!1週間に1回はやってるでしょ!それにどれもヤバイものばっかじゃない!
ーうっ!…で、でも私も忙しいし…だからお願い!ー
…はぁ。分かりましたよ。やればいいんでしょ?やれば。
ーやった!今回も神器拾ってきて!ー
今回もって…またやったの!?
ーそう言う訳でよろしく!ー
「はぁぁぁぁー…」
正直やりたくない。だけれども、神器は放置しておいたら大変なことになるし、早く回収しないと不味い。
私は湯船から出て、脱衣場に向かった。
「まったく…あのドジっ子め…」
そういいつつも、どこか憎めないんだよねぇ…私が甘すぎるのかもしれないけどね。
着替えてお風呂場を後にする。2階に上がって、ベルにお風呂が空いたことを伝え、私は自分の部屋に戻った。
「せっかくお風呂に入ったのに…」
先程着替えたばかりの寝巻きを脱ぎ、黒装束に着替える。
「さてと。神器をどこに落としたんだか…」
世界地図を確認すると、1本のピンが立っていた。そこにあるということだが…
「…ここって今リーナが調査してる森の近くじゃん」
なかなかに厄介な場所に落としたなぁ…ていうか、そもそもそんなに簡単に落ちるものなの?
「…後で問いただしてやろう」
そう吹いて、私は窓から夜の闇へと飛び込んだ。
ポーチを買いに行こうかとおもってたんだけど…まぁ、それは後日でいっか。
「お帰りなさいませ」
いつものようにセバスチャンさんが迎えてくれた。
「いつもありがとうございます」
ほんとにね。毎日帰ったら門のとこに立ってるんだもの。
「いえ、大したことではございません。それでは中へ」
セバスチャンさんが扉を開けてくれたので、屋敷へと入る。
「お食事の用意は出来ておりますので、お着替えなどが済みましたら、食事室にお越しください」
「はい、分かりました」
2階に上がって制服を脱ぐ。そして部屋着に着替える。前世はパーカーとかよく着てたんだけど、この世界にはないらしい。なので仕方なくワンピースを着ている。いっその事作ってみる?
…いや、私裁縫とかの腕皆無だったわ…作れる訳ない。
妙に傷つきながら、ベルと共に下に降りる。そしていつもの部屋に向かう。そういえばこの屋敷の全貌とか知らないや。毎日同じ部屋しか行ってないし。今度見回ってみようかな?
いつも部屋…食事室に着き、扉を開ける。するともう既に食事が用意されていた。まだスープから湯気がたってるから、出来たてだろうね。
「ごゆっくりお召し上がりください」
「あの、リーナは?」
いつもなら、この時間にリーナもいるのだ。
「カトリーナ様は、お仕事で帰るのが遅くなるそうです」
「そ、そうですか…ありがとうございます」
「いえ。ではごゆっくり」
そう言ってセバスチャンさんは、扉のすぐ脇に移動した。そこがセバスチャンさんの定位置だ。
…そして、何故私がリーナが仕事だということに動揺したのかというと…その仕事の原因の大半が私にあるからだ。
「あれはやりすぎたかなぁ…」
「うん?どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
実は、以前エルザの仕事の手伝いをしていたせいで、王都周辺の森をすこし吹き飛ばしてしまったのだ。それが思ったより大事になってしまって…名乗り出る訳にもいかないし、でも犯人は捕まらないから調査は続くし…本当に申し訳ない。
「…リーナにはなんか疲れが取れるものをプレゼントしよう」
そもそも、何故リーナが調査をしているのかというと、その森の破壊が魔法によって引き起こされたものだと判明したから。元とはいえ、リーナは賢者だった。無論魔法に詳しいので、破壊した魔法がなんなのかとかを調べてる訳だ。幸い私の魔力は拡散させておいたので、気づかれていない…はず。
「フィリアちゃん?食べないの?」
「あ、ごめん。食べるよ」
少し冷めてしまったスープを口に運ぶ。
「…美味しい」
冷めてしまったとしても、とても美味しかった。
食事を食べ終わり、ベルに話しかける。
「今日は私が先にお風呂に行っていい?」
「うん、いいよー」
お風呂は1人ずつ入っている。3人とかでも余裕で入れる広さがあるけど、1人の方がのんびりできるしね。魔法で体を綺麗にすることもできるけど、精神的にも入った方がリラックスしてゆっくり休めるから、入れる日は入るようにしている。
2階に上がってお風呂の準備をする。寝巻きに下着。タオルなどはあっちにある。
準備を済ませ、お風呂に向かう。ちなみにお風呂は男女別。
脱衣所で服を脱ぎ、中に入る。
「何回見ても広いねぇ…」
この屋敷にきてからずっと入っているお風呂だが、個人が持つにはやはり些か大きすぎる。
「ま、ゆっくりできるからいいけどね」
石鹸で泡を立てて体を洗い、洗い終わったら泡を流す。
そしてゆっくりと湯船に浸かった。
「ふわぁー…」
日本人は偉大なり。疲れが抜けてく~…
ーお、お姉ちゃん…ー
…前言撤回。一気に疲れが出た。
ーそ、そんなこと言わないでよ!ー
どうせまた仕事押し付けるんでしょ?
ー押し付けるって…まぁそうなんだけど…ー
「はぁぁぁぁー…」
思わずそんなため息が出る。それも仕方ないだろう。これで一体何回目か…ギルディア魔国での仕事、これはまぁ仕方ないと思う。神獣が死にかけだから助けてだとか、そんなんも仕方ない。ちなみに森を破壊したのはこの神獣を助けるとき。
治したければ我を倒せ!って言ってきて……イラついたのでついやりすぎてしまった。
…だけど、ミスって厄災の種を落としたり、神器落としたり…それを回収する仕事ってつまりエルザのミスの尻拭いな訳で…
ー尻拭いって…ちょっとミスっちゃっただけじゃない!ー
どこがちょっとだ!1週間に1回はやってるでしょ!それにどれもヤバイものばっかじゃない!
ーうっ!…で、でも私も忙しいし…だからお願い!ー
…はぁ。分かりましたよ。やればいいんでしょ?やれば。
ーやった!今回も神器拾ってきて!ー
今回もって…またやったの!?
ーそう言う訳でよろしく!ー
「はぁぁぁぁー…」
正直やりたくない。だけれども、神器は放置しておいたら大変なことになるし、早く回収しないと不味い。
私は湯船から出て、脱衣場に向かった。
「まったく…あのドジっ子め…」
そういいつつも、どこか憎めないんだよねぇ…私が甘すぎるのかもしれないけどね。
着替えてお風呂場を後にする。2階に上がって、ベルにお風呂が空いたことを伝え、私は自分の部屋に戻った。
「せっかくお風呂に入ったのに…」
先程着替えたばかりの寝巻きを脱ぎ、黒装束に着替える。
「さてと。神器をどこに落としたんだか…」
世界地図を確認すると、1本のピンが立っていた。そこにあるということだが…
「…ここって今リーナが調査してる森の近くじゃん」
なかなかに厄介な場所に落としたなぁ…ていうか、そもそもそんなに簡単に落ちるものなの?
「…後で問いただしてやろう」
そう吹いて、私は窓から夜の闇へと飛び込んだ。
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