出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む

家具屋ふふみに

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学園 高等部1年 対抗戦編

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 クーリアは書庫に入るなり、すぐさま机の上にあった無属性の魔法書を開いた。

「相変わらずねぇ…」

 サラがその姿を見て苦笑を浮かべていたが、クーリアは気にも止めていない。
 そして昨日飛ばし読みした箇所を重点的に読み返し、昨日の内容、自身の考察などをまとめて、今度こそ正確に理解した。

 その無属性の魔法書からクーリアが理解したこと。それは、無属性の本質だった。

 無属性とは、"無"を司る属性。つまり、音、光、熱、魔法、さらには……時間まで。その全てを"無"にすること。それこそが、無属性の本質であった。

「そっか…」
「当たり前みたいに理解してるけど、わたしそれ理解するのものすごく時間かかったのよ?」

 それはそうだろう。無とはとても曖昧で、定義しにくいものだ。だが、クーリアはそれを一瞬で理解した。しかし、実はクーリアは、自分の理論だけでその手前まで理解していた。それゆえに理解したという訳ではなく、確信が持てた、というだけだったりするが…それを言う必要はない。

「よし。疑問も解決!」
「疑問?」
「うん。ちょっとね」

 疑問とは、長距離転移のことだ。
 無属性の魔法書には、その事について記述があった。
 それは、『長距離転移は、魔法制御と魔力制御が高く、かつ、転移するイメージが大切になる』というものであった。
 だが、これはクーリアが以前本で読んだ内容と同じだ。

(問題は、イメージだった訳だ)

 転移するイメージ。それは、距離を"縮める"ということだと、魔法書には記されていた。だが、クーリアが以前読んだ本にはそのことが記されていなかった。
 そのため、クーリアは自分で勝手にイメージしたのだが…どうやらそれが長距離転移の鍵であったらしい。
 クーリアがイメージしたこと。それは……



 ──時間と距離を"無"にする。というものだった。

 もとより、無属性の本質が無にすることであると気づいていたからこそ、クーリアはこのイメージにたどり着けたのだ。
 そしてこのイメージこそが、長距離転移の要なのだろう。と、クーリアは結論付けた。

(まぁそれだけじゃ無理みたいだけど)

 クーリアが長距離転移を使えた訳は、実の所他にもあったのだが…今それは置いておこう。

「じゃあやりましょ!」
「わ、分かったから!」

 クーリアはサラに引っ張られ、書庫を後にした。書庫にいたのは、時間にして、およそ10分ほどだった…。
 





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