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学園 高等部1年 対抗戦編
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「くそっ!なんだこれは!」
「分かりません…ただ、魔法であるとしか」
「くそっ!こんなものを使うなど卑怯だ!」
(卑怯なのはどっちなのか…)
そんな会話を聞いて、クーリアは呆れていた。
なぜなら、煌びやか衣装を身につけた男子の周りに、騎士の格好をした男4人が立っていたからである。
ここにいる人数だけで規定人数をオーバーしていた。
「はぁ……」
ため息しかでない。とはいえ魔法の腕はあるらしく、クーリアの防御魔法を確実に削っていた。
そして耐えきれなくなった防御魔法が、パリンっ!という音を立てて砕け散った。
「ははっ!この俺にかかればこんなもの!」
「はぁ…」
2度目のため息を吐く。1枚だけと誰が言ったのか。
「なっ!?」
砕いたはずなのに、フラッグを取れず、というより、近づくことすらできないことに驚きの声を上げる。
「多重にするのは基本でしょうが…」
結界であれ防御魔法であれ、2枚以上重ねるのは基本だ。結界より脆い(とされている)防御魔法ならば尚更である。
(この人頭お花畑なのかな)
クーリア、毒舌である。
「なんで!この!」
また壊そうと魔法を放つ。周りの騎士たちも剣で叩くが、中に張ってあった防御魔法のほうが外側よりも強力なので、割れることは無い。
「なん、で…くそっ!!」
男子の額に汗が浮かび、息遣いが荒くなる。どうやら魔力が切れかけているようだ。
「うーん……あ」
このまま放っておいたとしてもフラッグが取られる心配はないので、別にいいのだが、クーリアはあることを思いついた。
「えっと……あ、あった」
クーリアが探していたのは、監視の魔道具。それに魔力の塊を当て、向きを変える。ちょうど男子が入るように。
『赤チーム違反行為により失格!』
案の定、すぐに失格宣言が出された。判断が早い…まぁ、一目瞭然なので当たり前だが。
「な、なぜだ!ここは見られないはず!」
「わ、分かりません!」
アタフタとあわて始める。そもそも違反行為をしてバレないと思うほうがおかしい…
(うん?じゃあなんで今までバレなかったの…?)
唐突にその疑問が浮かんだが、その時、小さな岩陰に隠れていたクーリアと男子の目が合ってしまった。
「お前かっ!」
「あらー、バレた」
見つかってしまったので、ひとまずその疑問は置いておくことにした。
「失格ですから、早く退場しては?」
「そんなこと認められるか!《ファイヤーボール》!」
何故ここまで往生際が悪いのか…
「はぁ…《リジェクト》」
ため息をつきつつ、短くクーリアが呟く。すると、クーリアに向けて飛んできていたファイヤーボールが空中で静止した。
「なっ!?」
「お返ししますね」
そう言うと、ファイヤーボールが男たちのもとへとひとりでに返っていく。ちなみに、監視の魔道具は魔法を使う前に向きを戻してあるので、クーリアが何をしたのか見られる心配はない。
「う、うわぁぁ!!」
ドカーンっ!とファイヤーボールが着弾し、男たちが吹き飛ばされる。
(うわぁ…規定違反級の威力じゃん)
男たちは吹き飛ばされた衝撃で気絶していた。それだけの威力が、男の魔法にあったのである。
「あー、テステス。サラ、聞こえる?」
『……はーい。聞こえるよ』
耳に着けたイヤリングに魔力を流すと、サラの声が聞こえる。
「終わったよ」
『了解。大丈夫だった?』
「もちろん」
『流石だね』
もともとサラは今回、違反行為が行われることを知っていた。動きがあるという言葉は、そのことを指していたのだ。
「それ以外はない?」
『うん。今のところはね』
「分かった。とりあえず行くね」
『うん』
クーリアはそこで通信を切り、男たちを放ったまま、サラ達のもとへと向かうことにした。
「分かりません…ただ、魔法であるとしか」
「くそっ!こんなものを使うなど卑怯だ!」
(卑怯なのはどっちなのか…)
そんな会話を聞いて、クーリアは呆れていた。
なぜなら、煌びやか衣装を身につけた男子の周りに、騎士の格好をした男4人が立っていたからである。
ここにいる人数だけで規定人数をオーバーしていた。
「はぁ……」
ため息しかでない。とはいえ魔法の腕はあるらしく、クーリアの防御魔法を確実に削っていた。
そして耐えきれなくなった防御魔法が、パリンっ!という音を立てて砕け散った。
「ははっ!この俺にかかればこんなもの!」
「はぁ…」
2度目のため息を吐く。1枚だけと誰が言ったのか。
「なっ!?」
砕いたはずなのに、フラッグを取れず、というより、近づくことすらできないことに驚きの声を上げる。
「多重にするのは基本でしょうが…」
結界であれ防御魔法であれ、2枚以上重ねるのは基本だ。結界より脆い(とされている)防御魔法ならば尚更である。
(この人頭お花畑なのかな)
クーリア、毒舌である。
「なんで!この!」
また壊そうと魔法を放つ。周りの騎士たちも剣で叩くが、中に張ってあった防御魔法のほうが外側よりも強力なので、割れることは無い。
「なん、で…くそっ!!」
男子の額に汗が浮かび、息遣いが荒くなる。どうやら魔力が切れかけているようだ。
「うーん……あ」
このまま放っておいたとしてもフラッグが取られる心配はないので、別にいいのだが、クーリアはあることを思いついた。
「えっと……あ、あった」
クーリアが探していたのは、監視の魔道具。それに魔力の塊を当て、向きを変える。ちょうど男子が入るように。
『赤チーム違反行為により失格!』
案の定、すぐに失格宣言が出された。判断が早い…まぁ、一目瞭然なので当たり前だが。
「な、なぜだ!ここは見られないはず!」
「わ、分かりません!」
アタフタとあわて始める。そもそも違反行為をしてバレないと思うほうがおかしい…
(うん?じゃあなんで今までバレなかったの…?)
唐突にその疑問が浮かんだが、その時、小さな岩陰に隠れていたクーリアと男子の目が合ってしまった。
「お前かっ!」
「あらー、バレた」
見つかってしまったので、ひとまずその疑問は置いておくことにした。
「失格ですから、早く退場しては?」
「そんなこと認められるか!《ファイヤーボール》!」
何故ここまで往生際が悪いのか…
「はぁ…《リジェクト》」
ため息をつきつつ、短くクーリアが呟く。すると、クーリアに向けて飛んできていたファイヤーボールが空中で静止した。
「なっ!?」
「お返ししますね」
そう言うと、ファイヤーボールが男たちのもとへとひとりでに返っていく。ちなみに、監視の魔道具は魔法を使う前に向きを戻してあるので、クーリアが何をしたのか見られる心配はない。
「う、うわぁぁ!!」
ドカーンっ!とファイヤーボールが着弾し、男たちが吹き飛ばされる。
(うわぁ…規定違反級の威力じゃん)
男たちは吹き飛ばされた衝撃で気絶していた。それだけの威力が、男の魔法にあったのである。
「あー、テステス。サラ、聞こえる?」
『……はーい。聞こえるよ』
耳に着けたイヤリングに魔力を流すと、サラの声が聞こえる。
「終わったよ」
『了解。大丈夫だった?』
「もちろん」
『流石だね』
もともとサラは今回、違反行為が行われることを知っていた。動きがあるという言葉は、そのことを指していたのだ。
「それ以外はない?」
『うん。今のところはね』
「分かった。とりあえず行くね」
『うん』
クーリアはそこで通信を切り、男たちを放ったまま、サラ達のもとへと向かうことにした。
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