62 / 138
学園 高等部1年 対抗戦編
56
しおりを挟む
「お姉ちゃ──うわ、なにこの魔力濃度」
兄2人と入れ替わるようにしてパン屋へと入ってきたのは……クーリアの妹、リーフィアだった。
入って早々、リーフィアはパン屋内の魔力濃度の濃さに、思わず顔を顰めた。
「あぁ、ごめんリーフ。すぐ戻す」
「それはいいんだけど……何があったの?多分お姉ちゃんの機嫌が悪かったか、怒ったんだろうけど……」
さすがクーリアの妹か。クーリアのその時の様子を勘で言い当てる当たり、姉のことをよく分かっている。
「……お兄ちゃんがきた」
「あぁ…」
それだけでリーフィアは納得してしまった。どれだけ妹達に信用されていないのか……少し兄2人に同情してしまう。
ちなみにこうしてリーフィアと話している間にも、クーリアは放出した魔力を再吸収していた。
……だが、魔力の再吸収など、そんなこと普通出来はしない。クーリアの魔力制御の高さがなせる技である。
「……相変わらずの制御力だね」
半ば呆れた様子でリーフィアが呟く。
「まぁわたしにはそれしか取り柄がないからね」
「そんなことないよ!」
リーフィアが思わず強く否定した。
クーリアは自身を過小評価することが多い。だが、リーフィアはそれを止めて欲しいと常に思っていた。
姉が正当な評価を受けない。それがとても悔しいのだ。
「……ごめん。つい」
それを知るクーリアだからこそ、リーフィアの前では自身を過小評価しないようにしていた。今回は本当にうっかりだったので、素直に謝った。
「はぁ……まぁ、今に始まったことじゃないし、お姉ちゃんの気持ちも分かるんだけどね」
「なら」
「でも!お姉ちゃんは十分すごいんだからね!他の誰かが認めなくても、わたしが認めるから!」
「はいはい」
ほんとに分かってるのー?と疑いの目で見られるが、クーリアはその目を無視する。すると聞く気がないと分かったのか、リーフィアは諦めた表情をしてため息をついた。
「はぁ…まぁ、いいや。それで体調は?」
「全然大丈夫だよ。心配かけてごめんね?」
「なんで謝るの!お姉ちゃんは悪くないでしょ!」
「う、うん、まぁそうなんだけど……つい、ね」
「……ほんとに住まなくていいの?」
改まった様子でリーフィアが尋ねてきた。住むとは、クーリアがフェルナスの屋敷に住むということだろう。
ちなみに今現在リーフィアや兄2人は別のところに住んでいる。色々と事情があるのだ。
「うん。わたしは、ここが好きだから」
じーっとリーフィアがクーリアの目を見つめる。だが、すぐにまたため息をついた。クーリアが曲げるつもりがないことを理解したのだ。
「お姉ちゃんらしいね………で、気になってたんだけど、その狼、なに?」
一転して興味津々といった様子で、クーリアが抱くリーヴォへと視線を向ける。
「あぁ、この子?リーヴォ」
「契約獣?」
「そうそう。撫でる?」
「え、いいの?!」
そう言うが、もう既にリーフィアの手は撫でる体勢に入っていた。似た者姉妹である。
クーリアが初めてリーヴォに会った時と同じように、まるで壊れ物を扱うかの如く、リーヴォを撫でた。するとリーヴォは満更でも無い様子で、目を細めて尻尾を揺らしていた。
………ちなみに、クーリアがリーヴォをリーフィアに抱かせなかった理由は、リーヴォが離れようとしなかったからであった。
兄2人と入れ替わるようにしてパン屋へと入ってきたのは……クーリアの妹、リーフィアだった。
入って早々、リーフィアはパン屋内の魔力濃度の濃さに、思わず顔を顰めた。
「あぁ、ごめんリーフ。すぐ戻す」
「それはいいんだけど……何があったの?多分お姉ちゃんの機嫌が悪かったか、怒ったんだろうけど……」
さすがクーリアの妹か。クーリアのその時の様子を勘で言い当てる当たり、姉のことをよく分かっている。
「……お兄ちゃんがきた」
「あぁ…」
それだけでリーフィアは納得してしまった。どれだけ妹達に信用されていないのか……少し兄2人に同情してしまう。
ちなみにこうしてリーフィアと話している間にも、クーリアは放出した魔力を再吸収していた。
……だが、魔力の再吸収など、そんなこと普通出来はしない。クーリアの魔力制御の高さがなせる技である。
「……相変わらずの制御力だね」
半ば呆れた様子でリーフィアが呟く。
「まぁわたしにはそれしか取り柄がないからね」
「そんなことないよ!」
リーフィアが思わず強く否定した。
クーリアは自身を過小評価することが多い。だが、リーフィアはそれを止めて欲しいと常に思っていた。
姉が正当な評価を受けない。それがとても悔しいのだ。
「……ごめん。つい」
それを知るクーリアだからこそ、リーフィアの前では自身を過小評価しないようにしていた。今回は本当にうっかりだったので、素直に謝った。
「はぁ……まぁ、今に始まったことじゃないし、お姉ちゃんの気持ちも分かるんだけどね」
「なら」
「でも!お姉ちゃんは十分すごいんだからね!他の誰かが認めなくても、わたしが認めるから!」
「はいはい」
ほんとに分かってるのー?と疑いの目で見られるが、クーリアはその目を無視する。すると聞く気がないと分かったのか、リーフィアは諦めた表情をしてため息をついた。
「はぁ…まぁ、いいや。それで体調は?」
「全然大丈夫だよ。心配かけてごめんね?」
「なんで謝るの!お姉ちゃんは悪くないでしょ!」
「う、うん、まぁそうなんだけど……つい、ね」
「……ほんとに住まなくていいの?」
改まった様子でリーフィアが尋ねてきた。住むとは、クーリアがフェルナスの屋敷に住むということだろう。
ちなみに今現在リーフィアや兄2人は別のところに住んでいる。色々と事情があるのだ。
「うん。わたしは、ここが好きだから」
じーっとリーフィアがクーリアの目を見つめる。だが、すぐにまたため息をついた。クーリアが曲げるつもりがないことを理解したのだ。
「お姉ちゃんらしいね………で、気になってたんだけど、その狼、なに?」
一転して興味津々といった様子で、クーリアが抱くリーヴォへと視線を向ける。
「あぁ、この子?リーヴォ」
「契約獣?」
「そうそう。撫でる?」
「え、いいの?!」
そう言うが、もう既にリーフィアの手は撫でる体勢に入っていた。似た者姉妹である。
クーリアが初めてリーヴォに会った時と同じように、まるで壊れ物を扱うかの如く、リーヴォを撫でた。するとリーヴォは満更でも無い様子で、目を細めて尻尾を揺らしていた。
………ちなみに、クーリアがリーヴォをリーフィアに抱かせなかった理由は、リーヴォが離れようとしなかったからであった。
46
あなたにおすすめの小説
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
追放王子の気ままなクラフト旅
九頭七尾
ファンタジー
前世の記憶を持って生まれたロデス王国の第五王子、セリウス。赤子時代から魔法にのめり込んだ彼は、前世の知識を活かしながら便利な魔道具を次々と作り出していた。しかしそんな彼の存在を脅威に感じた兄の謀略で、僅か十歳のときに王宮から追放されてしまう。「むしろありがたい。世界中をのんびり旅しよう」お陰で自由の身になったセリウスは、様々な魔道具をクラフトしながら気ままな旅を満喫するのだった。
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
yukataka
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる