出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む

家具屋ふふみに

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後日談

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「そういうもんなんだねぇ…はぁぁ……」

 突然ぐでぇっとお姉ちゃんがもたれかかってきた。

「ど、どうしたの?」
「疲れた…」

 先程のお姉ちゃんの魔法はわたしの魔力を使っていた。自分の物では無い魔力を動かすのは高い集中力を要すると聞いているので、おそらくその影響だろう。

「じゃあ帰ろっか。仕事はこれでお終いだから」

 本当は何かあった時のために、する事が無くとも常駐しておく必要がある。でもそうそう何かが起こるようなことは無いし、あったとしても魔導具で直ぐに連絡が付くので問題無いだろう。

「ちょっと待って…体小さくする・・・・・

 そう言うと、ポンッ! とお姉ちゃんの体が小さくなり、わたしの頭の上への乗っかる。
 お姉ちゃんの体は魔力で構成されているので、こういった体の変化も容易なのだ。

「こっちの方が楽…」

 体を維持する為にも魔力を操作する必要があり、大きいほど疲れるらしい。

「ふふっ、お疲れ様。ありがとね、手伝ってくれたり、魔導具直したり」

 お姉ちゃんを頭の上に乗せたまま、地下室を出る途中でそう声をかける。

「それくらいしか、もう出来ないからね…」

 会話を楽しみながら買い物したり、旅行したりすることは、今のお姉ちゃんの状態では難しい。
 お姉ちゃんの知り合いが居ないような遠くへ行けば大丈夫そうだが、堕ちた精霊の影響で乱れてしまった環境を治す為に、お姉ちゃんは暫くの間ここを離れられないそうなので不可能だ。それにわたしも忙しい。

「わたしは、またこうしてお姉ちゃんと話せるだけで嬉しいよ」

 情報は伝える人が多いほど漏洩しやすくなる。だからこそ、家族にすらお姉ちゃんのことは伝えていない。そんな状態だから、わたしにとってはこうして話せているだけでも嬉しいのだ。

「…そっか。…話すべき、なのかな…」
「わたしはどっちでもいいと思うよ。…お兄ちゃんは…ちょっと危険かもだけど」
「…うん、否定できないね」

 口を滑らせそうで怖い。

「あ、ここからは念話で」
「分かった」

 外でお姉ちゃんとの会話が誰かに聞かれる恐れがある場合は、念話…という名の、お姉ちゃんがわたしの内心を読んで返事をすることになっている。精霊の力のひとつらしい。

(今日何か食べたいものとかある?)
「うーん……じゃあ串焼き」

 お姉ちゃんは基本食べる必要は無いが、食べられないこともないのだ。

(じゃあこのまま買いに行こっか。お姉ちゃんの好きなところの串焼き)
「やった!」

 あぁ…今の喜ぶお姉ちゃん見たい。凄く見たい。

「……リーフって結構重度のシスコンだよね」
(それお姉ちゃんに言われたくない)

 お姉ちゃんも十分わたしのこと好きだと思うの。

「それは否定しないけど、このままじゃ……まぁ、いっか」

 お姉ちゃんが何を口走ろうとしたのは聞かないでおく。いや聞きたくない。




「お姉ちゃん」
「ん?」
「…今、幸せ?」
「もちろん!」


 お姉ちゃんとの生活はまだまだ続く。でも、この幸せは、もう二度と手離したくない。
 さぁ。明日はお姉ちゃんと、どんなことをしようかな。


 































『出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む』~完~






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