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31話
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瑠華からの無茶振りで、結局三体同時に相手取る事になってしまった。
「か、勝てるかな…」
「まぁ被弾する事は前提で考えておる。治療は妾が出来るでの。安心して怪我してくると良い」
「安心出来る要素一つもなくないかなぁ!?」
:草。
:もう瑠華ちゃんが治癒魔法も使えると聞いても驚かなくなってきた…
:瑠華ちゃんだからな。
:痛みを知るのは確かに大切だけど、じゃあ怪我してこいは無理があるわなwww
瑠華が予め焔の矢で牽制して集めていたウルフを解放すれば、正面の奏へと一斉に群がった。
「っ!?」
驚きつつも[身体強化]を施して身を翻し、迫るウルフの爪を間一髪で回避する。
「〖魔刀・断絶〗っ!」
その後勢い良く抜刀しつつ、〖魔刀・断絶〗を発動。しかしその刃はウルフの後脚一本を奪うだけに留まった。
「グルァッ!」
一体に気を取られている隙に別のウルフに飛び掛かられ、咄嗟に後ろに飛びつつ左腕で防御する。
「いっ…!」
躱し切る事が出来ず、浅く三本の爪痕が奏の柔肌に刻み込まれる。言ってしまえば擦り傷だが、それは判断力を鈍らせるには十分過ぎた。
「奏っ!」
「っ!?」
瑠華の声が聞こえた時には、既にウルフは眼前に迫っていた。
もう少しでその牙が届いてしまう――――というところで、そのウルフの頭部が吹き飛んだ。
:危ねぇぇぇ!
:いやマジで怖かった…
「大丈夫かえ?」
「う、ん…」
「腕をみせるのじゃ」
奏が血の滲む左腕を持ち上げて瑠華へと伸ばせば、瑠華がその傷跡に指を当てる。そして少しの温かさを感じれば、次の瞬間には傷跡は綺麗さっぱり消え去っていた。
「痛みは無いな?」
「うん…ありがと」
「礼には及ばん、妾にも非があるでの…少し急ぎ過ぎてしまったようじゃ…すまぬ」
「う、ううんっ! 謝る必要なんてないよ!」
「しかし」
「瑠華ちゃんは私が出来ると思ってさせたんでしょ? ならその期待に応えられなかった私の責任だもん」
「いや? 奏にはまだ早いだろうとは思っておったぞ」
「……ゑ?」
:これは怒っていいwww
:瑠華ちゃんが悪いwww
:段階はちゃんと踏みましょう。
「せめて二体じゃったか」
「待って瑠華ちゃん。私やっぱり怒っていい? 怒っていいよね?」
奏がどこか圧がある、目が全くもって笑っていない笑顔で瑠華に詰め寄る。
「………すまん」
:しょんぼり瑠華ちゃん。
:強者故の慢心…というより、過度な期待?
:ちょっと面白がってた節もある気がする。
「それは…否定出来んのう」
「瑠華ちゃん?」
「奏が何処まで出来るのかを知りたくなってしまったのじゃ。奏が追い詰められた時に集中力が跳ね上がる事は、長期休みの課題で知っておったからのう」
「なんかそれ喜びづらい…ッ!」
:草。
:そうか奏ちゃんラストスパート系だったか…
:最終日ってなんか頭が一気に回転する気がするよね。
:結局気がするだけだけどな。
「それでどうじゃ? もう動けそうかの?」
「んー…瑠華ちゃんに抱き締められたら動けそうっ!」
:あざとい。
:グイグイいくなぁwww
この程度ならば照れる事もなく瑠華はしてくれるだろうという確信があったからこその要求ではあったが、当の本人は腕を広げただけで動きを止める。
「……えっ」
「来ないのかえ?」
「え、えと…じゃあ…」
ノリノリの様子から一転して、顔を赤らめながら恐る恐る瑠華へと近付く。
:あっ…
:これは…もしかしなくても…?
:でもてぇてぇからOKです!
何か視聴者が気付いた様子ではあるが、瑠華に自ら近付いて抱き締められている奏にコメントを見る余裕は無かった。
その時カメラが独りでに動き出し、奏の後ろ、つまり瑠華の目の前で静止する。
:ん?
:何だ何だ?
突然撮影場所が移動した事で視聴者が困惑する。そして瑠華がそのままカメラのレンズに目線を合わせると――――……
……――――薄く微笑みながら、指を自らの口に当てた。
:ア゛ア゛ッ!
:小悪魔だった…
:ご馳走様です…ッ!
:てぇてぇ…
:いいか、俺達は出来る視聴者だぞ。分かってるな?
:当然。
そのコメントが流れた瞬間、配信映像に一瞬のノイズが走る。
:ん?
:通信不良…いやこれは…
:お口チャックな。
:あー…りょ。
一体何が起こったのか。何をしたのか。それを瞬時に理解しながらも口にしないでくれる視聴者に瑠華が笑みをこぼす。
「奏。もう大丈夫かの?」
「ぅん…」
少しの名残惜しさを感じつつも瑠華から身体を離す。未だに心臓はバクバクと激しく胸を打ち、顔も熱いままで瑠華と目線を合わせられそうにない。
:これ無料ってマ?
:俺達は空気、俺達は空気…
「奏?」
「…うえっ!? な、何っ!?」
「何をそんなに慌てておる。そろそろ攻略を再開しようと…」
と、そこで奏のお腹が可愛らしくクゥ…と鳴いた。それに思わず瑠華がクスクスと笑いを零す。
「の前に少し休憩をするかの」
「あ…ぅん」
ダンジョン内部には安全地帯と呼ばれる、モンスターが一切入ってこない空間が生成される事がある。この第三ダンジョンでは五階層でのみ発見されており、今居る場所からも近かった為にそこで休憩する事にした。
「瑠華ちゃんのお弁当って新鮮かもっ」
流石に暫く歩けば調子も戻り、奏の表情に笑顔が戻った。
「体育祭などの行事の時くらいしか作らんからの」
:お母さん。
:体育祭の時のお弁当って重箱?
「重箱じゃよ。そちらの方が楽じゃからの」
「ただ量いつも凄いよね」
「食べる子らが多いからのぅ」
:具体的にどれくらい?
「三段の重箱が三つ?」
「それと追加でおにぎりにスープじゃの」
:( ˙꒳˙ )oh......
:えっ、それ一人で作ってるの!?
「作っておるよ。流石にその時ばかりは魔法を使って時短するがの」
:魔法使って料理を時短って改めて考えると凄いwww
:料理に使える魔法って何…?
「火属性と水属性は使えるのう。後は風属性も冷やすのに使えるが…一番は[影分身]じゃろうな」
:えー…三つ魔法属性出てきましたね。
:↑今更だ。瑠華ちゃんだもの。
:[影分身]ってあれ個別に操作出来るの?
:いやそもそも物持てるの?
「[影分身]の個別操作は[並列思考]が必要じゃの。それと[影分身]は魔力を込める量を増やせば実体を持てるぞ」
:わぁー…
:聞けばスキルがポンポン出てくる…
:瑠華ちゃんどんだけスキル使えるの…
「それ私も気になる!」
「気になると言われてものう…正直なところ妾も把握出来ておらん」
実際のところ瑠華はスキルを“持っている”訳では無い。ただ、スキルを“使える”というだけだ。なのでそもそも把握する事が不可能なのである。
(〖原初〗とはそういう力じゃからのう…)
全ての始まり。故に全てを知る。それこそ瑠華の超越スキル――〖原初〗の本懐である。
「把握出来てないの…?」
「おらんのう。使えるという事だけは分かるのじゃが」
:えぇぇ…
:瑠華ちゃんほんとに規格外…
「か、勝てるかな…」
「まぁ被弾する事は前提で考えておる。治療は妾が出来るでの。安心して怪我してくると良い」
「安心出来る要素一つもなくないかなぁ!?」
:草。
:もう瑠華ちゃんが治癒魔法も使えると聞いても驚かなくなってきた…
:瑠華ちゃんだからな。
:痛みを知るのは確かに大切だけど、じゃあ怪我してこいは無理があるわなwww
瑠華が予め焔の矢で牽制して集めていたウルフを解放すれば、正面の奏へと一斉に群がった。
「っ!?」
驚きつつも[身体強化]を施して身を翻し、迫るウルフの爪を間一髪で回避する。
「〖魔刀・断絶〗っ!」
その後勢い良く抜刀しつつ、〖魔刀・断絶〗を発動。しかしその刃はウルフの後脚一本を奪うだけに留まった。
「グルァッ!」
一体に気を取られている隙に別のウルフに飛び掛かられ、咄嗟に後ろに飛びつつ左腕で防御する。
「いっ…!」
躱し切る事が出来ず、浅く三本の爪痕が奏の柔肌に刻み込まれる。言ってしまえば擦り傷だが、それは判断力を鈍らせるには十分過ぎた。
「奏っ!」
「っ!?」
瑠華の声が聞こえた時には、既にウルフは眼前に迫っていた。
もう少しでその牙が届いてしまう――――というところで、そのウルフの頭部が吹き飛んだ。
:危ねぇぇぇ!
:いやマジで怖かった…
「大丈夫かえ?」
「う、ん…」
「腕をみせるのじゃ」
奏が血の滲む左腕を持ち上げて瑠華へと伸ばせば、瑠華がその傷跡に指を当てる。そして少しの温かさを感じれば、次の瞬間には傷跡は綺麗さっぱり消え去っていた。
「痛みは無いな?」
「うん…ありがと」
「礼には及ばん、妾にも非があるでの…少し急ぎ過ぎてしまったようじゃ…すまぬ」
「う、ううんっ! 謝る必要なんてないよ!」
「しかし」
「瑠華ちゃんは私が出来ると思ってさせたんでしょ? ならその期待に応えられなかった私の責任だもん」
「いや? 奏にはまだ早いだろうとは思っておったぞ」
「……ゑ?」
:これは怒っていいwww
:瑠華ちゃんが悪いwww
:段階はちゃんと踏みましょう。
「せめて二体じゃったか」
「待って瑠華ちゃん。私やっぱり怒っていい? 怒っていいよね?」
奏がどこか圧がある、目が全くもって笑っていない笑顔で瑠華に詰め寄る。
「………すまん」
:しょんぼり瑠華ちゃん。
:強者故の慢心…というより、過度な期待?
:ちょっと面白がってた節もある気がする。
「それは…否定出来んのう」
「瑠華ちゃん?」
「奏が何処まで出来るのかを知りたくなってしまったのじゃ。奏が追い詰められた時に集中力が跳ね上がる事は、長期休みの課題で知っておったからのう」
「なんかそれ喜びづらい…ッ!」
:草。
:そうか奏ちゃんラストスパート系だったか…
:最終日ってなんか頭が一気に回転する気がするよね。
:結局気がするだけだけどな。
「それでどうじゃ? もう動けそうかの?」
「んー…瑠華ちゃんに抱き締められたら動けそうっ!」
:あざとい。
:グイグイいくなぁwww
この程度ならば照れる事もなく瑠華はしてくれるだろうという確信があったからこその要求ではあったが、当の本人は腕を広げただけで動きを止める。
「……えっ」
「来ないのかえ?」
「え、えと…じゃあ…」
ノリノリの様子から一転して、顔を赤らめながら恐る恐る瑠華へと近付く。
:あっ…
:これは…もしかしなくても…?
:でもてぇてぇからOKです!
何か視聴者が気付いた様子ではあるが、瑠華に自ら近付いて抱き締められている奏にコメントを見る余裕は無かった。
その時カメラが独りでに動き出し、奏の後ろ、つまり瑠華の目の前で静止する。
:ん?
:何だ何だ?
突然撮影場所が移動した事で視聴者が困惑する。そして瑠華がそのままカメラのレンズに目線を合わせると――――……
……――――薄く微笑みながら、指を自らの口に当てた。
:ア゛ア゛ッ!
:小悪魔だった…
:ご馳走様です…ッ!
:てぇてぇ…
:いいか、俺達は出来る視聴者だぞ。分かってるな?
:当然。
そのコメントが流れた瞬間、配信映像に一瞬のノイズが走る。
:ん?
:通信不良…いやこれは…
:お口チャックな。
:あー…りょ。
一体何が起こったのか。何をしたのか。それを瞬時に理解しながらも口にしないでくれる視聴者に瑠華が笑みをこぼす。
「奏。もう大丈夫かの?」
「ぅん…」
少しの名残惜しさを感じつつも瑠華から身体を離す。未だに心臓はバクバクと激しく胸を打ち、顔も熱いままで瑠華と目線を合わせられそうにない。
:これ無料ってマ?
:俺達は空気、俺達は空気…
「奏?」
「…うえっ!? な、何っ!?」
「何をそんなに慌てておる。そろそろ攻略を再開しようと…」
と、そこで奏のお腹が可愛らしくクゥ…と鳴いた。それに思わず瑠華がクスクスと笑いを零す。
「の前に少し休憩をするかの」
「あ…ぅん」
ダンジョン内部には安全地帯と呼ばれる、モンスターが一切入ってこない空間が生成される事がある。この第三ダンジョンでは五階層でのみ発見されており、今居る場所からも近かった為にそこで休憩する事にした。
「瑠華ちゃんのお弁当って新鮮かもっ」
流石に暫く歩けば調子も戻り、奏の表情に笑顔が戻った。
「体育祭などの行事の時くらいしか作らんからの」
:お母さん。
:体育祭の時のお弁当って重箱?
「重箱じゃよ。そちらの方が楽じゃからの」
「ただ量いつも凄いよね」
「食べる子らが多いからのぅ」
:具体的にどれくらい?
「三段の重箱が三つ?」
「それと追加でおにぎりにスープじゃの」
:( ˙꒳˙ )oh......
:えっ、それ一人で作ってるの!?
「作っておるよ。流石にその時ばかりは魔法を使って時短するがの」
:魔法使って料理を時短って改めて考えると凄いwww
:料理に使える魔法って何…?
「火属性と水属性は使えるのう。後は風属性も冷やすのに使えるが…一番は[影分身]じゃろうな」
:えー…三つ魔法属性出てきましたね。
:↑今更だ。瑠華ちゃんだもの。
:[影分身]ってあれ個別に操作出来るの?
:いやそもそも物持てるの?
「[影分身]の個別操作は[並列思考]が必要じゃの。それと[影分身]は魔力を込める量を増やせば実体を持てるぞ」
:わぁー…
:聞けばスキルがポンポン出てくる…
:瑠華ちゃんどんだけスキル使えるの…
「それ私も気になる!」
「気になると言われてものう…正直なところ妾も把握出来ておらん」
実際のところ瑠華はスキルを“持っている”訳では無い。ただ、スキルを“使える”というだけだ。なのでそもそも把握する事が不可能なのである。
(〖原初〗とはそういう力じゃからのう…)
全ての始まり。故に全てを知る。それこそ瑠華の超越スキル――〖原初〗の本懐である。
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