34 / 197
34話
しおりを挟む
「勝っ、た…?」
「……いや」
瑠華ちゃんから否定の言葉が聞こえた瞬間、私の目の前に黒が集まり、その姿を顕在化した。
思わず刀をもう一度握り締めるも、どうやら様子がおかしい。というより……
「……ちっちゃ」
最初の大きさから随分と小さくなってしまった黒狼。もう子犬くらいのサイズしかない。その瞳に既に敵意は感じられず、ただ戸惑う。
「……クゥン」
「っ!?」
少しの静寂の後いきなり聞こえたのは、甘えたような声。えっ、今この子が鳴いた!?
「……奏。どうやらそやつが配下になりたいそうじゃ」
「配下?」
「現代的に言えば…テイムして欲しいという事じゃな」
……え、マジで?
「ど、どうすればいいの?」
「本来ならば魔力を繋ぐが…どうせならば魂の契約でも構わぬぞ?」
「なんか物騒な用語が聞こえたんですけど」
「そう身構える物では無い。従魔契約よりも強固な繋がりというだけじゃよ」
「へー…瑠華ちゃんした事あるの?」
そう軽く尋ねたつもりだったんだけど、瑠華ちゃんは明らかに顔を顰めてしまった。ありゃ?
「…あるには、ある」
「なんでそんな表情」
「かなり無理矢理だったのじゃよ。まぁ良い友ではあったが」
「そうなんだ。…え待って。何となく聞いてみたけど、何時瑠華ちゃんその契約したの?」
「……黙秘する」
私には甘い瑠華ちゃんだけれど、それでも口を噤むと言った時は絶対話さない事を知っている。これは諦めるしかないかなぁ…。
「…まぁいいや。じゃあ魂の契約…でいい?」
「ガウッ」
「…うん。良いって事にする。瑠華ちゃんどうやるの?」
「妾が契約を代行しよう。少し時間が掛かるでの。その間にそやつの名を考えると良い」
「あ、そっか」
名前、名前ねぇ……。
色々と案を出していると、瑠華ちゃんが二枚の〖魔法板〗を展開して、そこに円を描いていく。確か魔法陣って言うんだっけ?
複雑で繊細な模様が刻まれた魔法陣があっという間に完成すると、私と黒狼の下にその〖魔法板〗が滑り込んできた。
「おぉ~」
「それで魔力を流せば魔法陣が起動する。その際契約の証として名付けを行えば良い」
「分かった!」
ずっと展開していた[身体強化]を止めてじっくり考えようとしたら、突然カクンと身体から力が抜けた。
「奏!?」
珍しい瑠華ちゃんの驚く声が聞こえて、地面に倒れる前に抱きとめられる。
「治療を忘れておったの。動くでないぞ」
いや、そもそも動けそうにないです……。
無事瑠華ちゃんに治療してもらって、支えてもらいながらもなんとか立ち上がり、黒狼と相対する。
「待たせてごめんね。じゃあやろっか!」
魔力を魔法陣に流し込めば光が零れ、私と黒狼を包む。それと同時に、私が次にしなければならない事も自然と分かった。
「――――美影」
その名前を呼んだ瞬間、私と黒狼――美影と繋がったのが分かった。
包み込んでいた光が私と美影へと吸い込まれると、魔法陣はスゥ…と薄くなって消えてしまった。
「美影っ!」
「ワウッ!」
名前を呼んで手を広げれば、勢い良く私の胸に飛び込んでくる。というかワウッて…あなた狼じゃないの?
「美影…美しい影、か」
「そー。いいでしょ!」
「良き名だと思うぞ」
「んふふ…」
「ワ、ワフ…」
「ん? 美影、どうしたの?」
いきなり私の腕の中で震え始めた美影に首を傾げる。その視線の先に居たのは、瑠華ちゃん。
……もしかして、瑠華ちゃんに怯えてる?
「そう怯えるでない。お主が妾の影に無断で入り込まん限りは何もせんわ」
「影に入り込む?」
「こやつの能力の一つじゃ。[影渡り]と呼ばれるスキルじゃの」
「へー。契約した私も使えたりする?」
「使えるぞ。魔力はかなり使うがの」
「おぅ…」
それは私に使えないやつなのでは…。
「奏でも妾の影に入るのはやめておくのじゃぞ」
「なんで?」
「……何が起こるか分からん」
「…なんで?」
ほんとになんで?
「色々あっての…」
そう言う瑠華ちゃんの顔は、何処か哀愁が漂っていた。ほんとに何があったんだろ…。
「兎も角これでダンジョンは無事攻略じゃの」
「あっ、忘れてた」
「忘れるでないわ…その様子だと配信していた事も忘れているな?」
「…うん」
急いでスマホを取り出して画面を覗き込めば、怒涛の如くコメントが流れていく。
:草。
:忘れないでwww
:とにかくおめでと!
:よく頑張った。いやまじで。
:美影ちゃん? くん? も良かったね! 家族が増えた!
「あ、美影の性別」
「雌じゃよ」
一瞬で判別しちゃうあたり、流石瑠華ちゃんだと思う。
:美影ちゃん!
:いやほんと奏ちゃんが傷付く度に心臓がバクバクして怖かったよ…
:それな。早く瑠華ちゃん助けてって思った。
「一応言っておくけど、瑠華ちゃんは悪くないからね。これは私が決めた事だから」
瑠華ちゃんが悪しき様に言われるのは看過できない。それだけは忠告しておかないとね。
:うん、分かってる。
:瑠華ちゃんも焦ってたの分かるし。
「そうなの?」
:何度も薙刀握り直したりしてた。
:あと若干唇も噛んでた。
:目も小刻みに震えてたよね。
「へぇぇ…?」
思わずニヤニヤした笑みを浮かべて瑠華ちゃんを見てしまう。
「そんなに心配してくれたんだ?」
「……当然じゃろう。影狼が奏と相性が悪い事は分かっておったしの」
あ、影狼っていう名前だったのね。
「影狼には物理攻撃が一切通用せん。魔力攻撃手段を持っておらんかった奏からすれば、天敵とも呼べる存在じゃったからの」
「あー……でも自力で克服したから!」
「そこは十分評価に値する。良く頑張ったのう」
「えへへ…」
瑠華ちゃんが私の頭を撫でてくれた。それだけで疲れが吹き飛ぶような感じがするのだから、不思議なものだよ。
:てぇてぇ。
:これはご褒美を要求しても許されるのでは。
「ご褒美…くれたりする?」
「ん? 何か欲しいのかえ?」
ダメ元で聞いてみると、どうやらいけそう…?
「とことん甘やかして欲しいなぁ…」
「甘やかす?」
「うんとね…付きっきりでお世話? して欲しい!」
ほんとはその中でキ、キスとか欲しいけど……瑠華ちゃんにそれを望むのは無理だろうなぁ。
「……奏」
「何…っ!?」
―――――チュ。
…え、え? えぇっ!?
「お望みであったのじゃろう?」
まるで悪戯が成功した事を喜ぶ子供のような無邪気な笑みを浮かべ、クスクスと笑う瑠華ちゃんに、私は口をパクパクとする事しか出来なかった。
え、今頬に、頬に…っ!?
:あっ…
:(´・ω...:.;::..サラサラ..
「っ!?!?」
見られた? 見られた!
「お、お終いっ!」
急いで配信を止めてバクバクとした心臓を押さえ付ける。うぅ…瑠華ちゃんのばかぁ…!
「ほれ。帰るぞ」
何も感じていない様な態度で、瑠華ちゃんが私に背を向けて歩き始める。その先には光る魔法陣があった。あれは確かダンジョンのボスモンスターを倒した時に出てくる、入り口まで転移してくれる魔法陣だったかな。
美影を地面に下ろして急いで瑠華ちゃんの元へと走れば、ふと瑠華ちゃんの耳が淡く染まっている事に気付く。
……ほほ~ん?
「るーかちゃん!」
「………」
「ふふっ。瑠華ちゃんも照れてたんだね?」
「…煩いのじゃ」
それから【柊】に帰るまで、私はニマニマとした笑みが治まらないのでした。ふふふ……。
「……いや」
瑠華ちゃんから否定の言葉が聞こえた瞬間、私の目の前に黒が集まり、その姿を顕在化した。
思わず刀をもう一度握り締めるも、どうやら様子がおかしい。というより……
「……ちっちゃ」
最初の大きさから随分と小さくなってしまった黒狼。もう子犬くらいのサイズしかない。その瞳に既に敵意は感じられず、ただ戸惑う。
「……クゥン」
「っ!?」
少しの静寂の後いきなり聞こえたのは、甘えたような声。えっ、今この子が鳴いた!?
「……奏。どうやらそやつが配下になりたいそうじゃ」
「配下?」
「現代的に言えば…テイムして欲しいという事じゃな」
……え、マジで?
「ど、どうすればいいの?」
「本来ならば魔力を繋ぐが…どうせならば魂の契約でも構わぬぞ?」
「なんか物騒な用語が聞こえたんですけど」
「そう身構える物では無い。従魔契約よりも強固な繋がりというだけじゃよ」
「へー…瑠華ちゃんした事あるの?」
そう軽く尋ねたつもりだったんだけど、瑠華ちゃんは明らかに顔を顰めてしまった。ありゃ?
「…あるには、ある」
「なんでそんな表情」
「かなり無理矢理だったのじゃよ。まぁ良い友ではあったが」
「そうなんだ。…え待って。何となく聞いてみたけど、何時瑠華ちゃんその契約したの?」
「……黙秘する」
私には甘い瑠華ちゃんだけれど、それでも口を噤むと言った時は絶対話さない事を知っている。これは諦めるしかないかなぁ…。
「…まぁいいや。じゃあ魂の契約…でいい?」
「ガウッ」
「…うん。良いって事にする。瑠華ちゃんどうやるの?」
「妾が契約を代行しよう。少し時間が掛かるでの。その間にそやつの名を考えると良い」
「あ、そっか」
名前、名前ねぇ……。
色々と案を出していると、瑠華ちゃんが二枚の〖魔法板〗を展開して、そこに円を描いていく。確か魔法陣って言うんだっけ?
複雑で繊細な模様が刻まれた魔法陣があっという間に完成すると、私と黒狼の下にその〖魔法板〗が滑り込んできた。
「おぉ~」
「それで魔力を流せば魔法陣が起動する。その際契約の証として名付けを行えば良い」
「分かった!」
ずっと展開していた[身体強化]を止めてじっくり考えようとしたら、突然カクンと身体から力が抜けた。
「奏!?」
珍しい瑠華ちゃんの驚く声が聞こえて、地面に倒れる前に抱きとめられる。
「治療を忘れておったの。動くでないぞ」
いや、そもそも動けそうにないです……。
無事瑠華ちゃんに治療してもらって、支えてもらいながらもなんとか立ち上がり、黒狼と相対する。
「待たせてごめんね。じゃあやろっか!」
魔力を魔法陣に流し込めば光が零れ、私と黒狼を包む。それと同時に、私が次にしなければならない事も自然と分かった。
「――――美影」
その名前を呼んだ瞬間、私と黒狼――美影と繋がったのが分かった。
包み込んでいた光が私と美影へと吸い込まれると、魔法陣はスゥ…と薄くなって消えてしまった。
「美影っ!」
「ワウッ!」
名前を呼んで手を広げれば、勢い良く私の胸に飛び込んでくる。というかワウッて…あなた狼じゃないの?
「美影…美しい影、か」
「そー。いいでしょ!」
「良き名だと思うぞ」
「んふふ…」
「ワ、ワフ…」
「ん? 美影、どうしたの?」
いきなり私の腕の中で震え始めた美影に首を傾げる。その視線の先に居たのは、瑠華ちゃん。
……もしかして、瑠華ちゃんに怯えてる?
「そう怯えるでない。お主が妾の影に無断で入り込まん限りは何もせんわ」
「影に入り込む?」
「こやつの能力の一つじゃ。[影渡り]と呼ばれるスキルじゃの」
「へー。契約した私も使えたりする?」
「使えるぞ。魔力はかなり使うがの」
「おぅ…」
それは私に使えないやつなのでは…。
「奏でも妾の影に入るのはやめておくのじゃぞ」
「なんで?」
「……何が起こるか分からん」
「…なんで?」
ほんとになんで?
「色々あっての…」
そう言う瑠華ちゃんの顔は、何処か哀愁が漂っていた。ほんとに何があったんだろ…。
「兎も角これでダンジョンは無事攻略じゃの」
「あっ、忘れてた」
「忘れるでないわ…その様子だと配信していた事も忘れているな?」
「…うん」
急いでスマホを取り出して画面を覗き込めば、怒涛の如くコメントが流れていく。
:草。
:忘れないでwww
:とにかくおめでと!
:よく頑張った。いやまじで。
:美影ちゃん? くん? も良かったね! 家族が増えた!
「あ、美影の性別」
「雌じゃよ」
一瞬で判別しちゃうあたり、流石瑠華ちゃんだと思う。
:美影ちゃん!
:いやほんと奏ちゃんが傷付く度に心臓がバクバクして怖かったよ…
:それな。早く瑠華ちゃん助けてって思った。
「一応言っておくけど、瑠華ちゃんは悪くないからね。これは私が決めた事だから」
瑠華ちゃんが悪しき様に言われるのは看過できない。それだけは忠告しておかないとね。
:うん、分かってる。
:瑠華ちゃんも焦ってたの分かるし。
「そうなの?」
:何度も薙刀握り直したりしてた。
:あと若干唇も噛んでた。
:目も小刻みに震えてたよね。
「へぇぇ…?」
思わずニヤニヤした笑みを浮かべて瑠華ちゃんを見てしまう。
「そんなに心配してくれたんだ?」
「……当然じゃろう。影狼が奏と相性が悪い事は分かっておったしの」
あ、影狼っていう名前だったのね。
「影狼には物理攻撃が一切通用せん。魔力攻撃手段を持っておらんかった奏からすれば、天敵とも呼べる存在じゃったからの」
「あー……でも自力で克服したから!」
「そこは十分評価に値する。良く頑張ったのう」
「えへへ…」
瑠華ちゃんが私の頭を撫でてくれた。それだけで疲れが吹き飛ぶような感じがするのだから、不思議なものだよ。
:てぇてぇ。
:これはご褒美を要求しても許されるのでは。
「ご褒美…くれたりする?」
「ん? 何か欲しいのかえ?」
ダメ元で聞いてみると、どうやらいけそう…?
「とことん甘やかして欲しいなぁ…」
「甘やかす?」
「うんとね…付きっきりでお世話? して欲しい!」
ほんとはその中でキ、キスとか欲しいけど……瑠華ちゃんにそれを望むのは無理だろうなぁ。
「……奏」
「何…っ!?」
―――――チュ。
…え、え? えぇっ!?
「お望みであったのじゃろう?」
まるで悪戯が成功した事を喜ぶ子供のような無邪気な笑みを浮かべ、クスクスと笑う瑠華ちゃんに、私は口をパクパクとする事しか出来なかった。
え、今頬に、頬に…っ!?
:あっ…
:(´・ω...:.;::..サラサラ..
「っ!?!?」
見られた? 見られた!
「お、お終いっ!」
急いで配信を止めてバクバクとした心臓を押さえ付ける。うぅ…瑠華ちゃんのばかぁ…!
「ほれ。帰るぞ」
何も感じていない様な態度で、瑠華ちゃんが私に背を向けて歩き始める。その先には光る魔法陣があった。あれは確かダンジョンのボスモンスターを倒した時に出てくる、入り口まで転移してくれる魔法陣だったかな。
美影を地面に下ろして急いで瑠華ちゃんの元へと走れば、ふと瑠華ちゃんの耳が淡く染まっている事に気付く。
……ほほ~ん?
「るーかちゃん!」
「………」
「ふふっ。瑠華ちゃんも照れてたんだね?」
「…煩いのじゃ」
それから【柊】に帰るまで、私はニマニマとした笑みが治まらないのでした。ふふふ……。
26
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
勤続5年。1日15時間勤務。業務内容:戦闘ログ解析の俺。気づけばダンジョン配信界のスターになってました
厳座励主(ごんざれす)
ファンタジー
ダンジョン出現から六年。攻略をライブ配信し投げ銭を稼ぐストリーマーは、いまや新時代のヒーローだ。その舞台裏、ひたすらモンスターの戦闘映像を解析する男が一人。百万件を超える戦闘ログを叩き込んだ頭脳は、彼が偶然カメラを握った瞬間に覚醒する。
敵の挙動を完全に読み切る彼の視点は、まさに戦場の未来を映す神の映像。
配信は熱狂の渦に包まれ、世界のトップストリーマーから専属オファーが殺到する。
常人離れした読みを手にした無名の裏方は、再びダンジョンへ舞い戻る。
誰も死なせないために。
そして、封じた過去の記憶と向き合うために。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる