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魔王とは
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アニスから話を聞いて…うん。ちゃんと話してから連れてきたほうが良かったかなぁ……
「当然です」
「いやでもさぁ。話したら来なかったかも知れないでしょ?」
そうなるとあの子は完全に生き場を失う。文字通りね。
「それはまぁ否定できませんが…」
「でしょう?」
「……(拒んでも無理やり連れて来そうです)」
……否定はしない。見殺しなんてできないからね。
「で。あの子は?」
「今はお風呂で体を綺麗にしたので、食事を」
「ふーん」
「……行っちゃだめですよ?今は」
「緊張させちゃうか」
「はい」
うーん…それなら無理には行かない方がいいよね。満足な食事も貰えなかっただろうから。魔王って結構畏怖の対象だったりするからなぁ…後で怖がれないか心配だわぁ…。
「誘拐犯は、どうしたのですか?」
「あぁ、あれね。国に意見書書いたから、一斉摘発でもされてるよ」
「何故今まで動かなかったのか……」
それは本当に思うよ。地図から消えなくてよかったね。
「…この犯人を見つけたのがユーリ様で本当に良かったです。もし他の魔王が見つけていたら…」
「確実に戦争だったろうねー」
魔王という存在。実はわたしだけじゃない。わたしは東の魔王。これを聞いて分かるとは思うけど、それぞれの方角に1人ずつ魔王がいる。だからわたしを除いてあと3人、他に魔王がいるんだ。
そしてアニスの言葉。わたしって魔王の中で比較的温厚なほうなんだよ。だから他の魔王が今回の事を見つけていたら、確実に戦争になっただろう。
「……ん?」
わたしは亜空間収納から魔導石版を取り出す。するとそれが震え始めた。これは通信が来ているという合図。誰から…あぁ。
「…もしもし」
『あ、繋がった…ほんとお前に繋がんねぇな』
いや。繋がってはいるんだよ。ただわたしが気付かないと言うだけで……収納の中って分かりにくいんだもの。だからと言って常に持っとくには案外デカくて重いんだよね……
「…ユーリ様には、ですけど」
「…うるさい」
どうせ体格が小さいからね!
『どうした?』
「…なんでもない。それよりどうしたの」
『ああ。説明にお前の名前、使わせて貰ったって報告だな』
「別にいいのに」
『そういう訳にもいかんだろ。でも助かった。絶大だったぞ、説得力』
「……あんまり嬉しくは無いなぁ」
いくらわたしが昔ちょっと有名だったからってねぇ…
『まぁそう言うな。…息子を助けてくれたこと、心から感謝する』
「いいよ別に。たまたまだから」
『…分かった。で、ちょっと話できねぇか?』
「えっと…どう?」
「……まぁ、ユーリ様が後で頑張れば、どうとでもなります」
うぅ…やだよぉ…でも久しぶりに会いたいしなぁ……
「…行こう」
『じゃあいつものとこでいいか?』
「うん」
『じゃあ後でな』
そこで通信が切れた。はぁぁ……帰ったら頑張ろ。
「という訳であの子のこともよろしく」
「はい。帰ったら覚悟しといてくださいね?」
いい笑顔でアニスがそう言い放つ。
「………」
わたしは無言で転移した。
……帰りたくないなぁ。
「当然です」
「いやでもさぁ。話したら来なかったかも知れないでしょ?」
そうなるとあの子は完全に生き場を失う。文字通りね。
「それはまぁ否定できませんが…」
「でしょう?」
「……(拒んでも無理やり連れて来そうです)」
……否定はしない。見殺しなんてできないからね。
「で。あの子は?」
「今はお風呂で体を綺麗にしたので、食事を」
「ふーん」
「……行っちゃだめですよ?今は」
「緊張させちゃうか」
「はい」
うーん…それなら無理には行かない方がいいよね。満足な食事も貰えなかっただろうから。魔王って結構畏怖の対象だったりするからなぁ…後で怖がれないか心配だわぁ…。
「誘拐犯は、どうしたのですか?」
「あぁ、あれね。国に意見書書いたから、一斉摘発でもされてるよ」
「何故今まで動かなかったのか……」
それは本当に思うよ。地図から消えなくてよかったね。
「…この犯人を見つけたのがユーリ様で本当に良かったです。もし他の魔王が見つけていたら…」
「確実に戦争だったろうねー」
魔王という存在。実はわたしだけじゃない。わたしは東の魔王。これを聞いて分かるとは思うけど、それぞれの方角に1人ずつ魔王がいる。だからわたしを除いてあと3人、他に魔王がいるんだ。
そしてアニスの言葉。わたしって魔王の中で比較的温厚なほうなんだよ。だから他の魔王が今回の事を見つけていたら、確実に戦争になっただろう。
「……ん?」
わたしは亜空間収納から魔導石版を取り出す。するとそれが震え始めた。これは通信が来ているという合図。誰から…あぁ。
「…もしもし」
『あ、繋がった…ほんとお前に繋がんねぇな』
いや。繋がってはいるんだよ。ただわたしが気付かないと言うだけで……収納の中って分かりにくいんだもの。だからと言って常に持っとくには案外デカくて重いんだよね……
「…ユーリ様には、ですけど」
「…うるさい」
どうせ体格が小さいからね!
『どうした?』
「…なんでもない。それよりどうしたの」
『ああ。説明にお前の名前、使わせて貰ったって報告だな』
「別にいいのに」
『そういう訳にもいかんだろ。でも助かった。絶大だったぞ、説得力』
「……あんまり嬉しくは無いなぁ」
いくらわたしが昔ちょっと有名だったからってねぇ…
『まぁそう言うな。…息子を助けてくれたこと、心から感謝する』
「いいよ別に。たまたまだから」
『…分かった。で、ちょっと話できねぇか?』
「えっと…どう?」
「……まぁ、ユーリ様が後で頑張れば、どうとでもなります」
うぅ…やだよぉ…でも久しぶりに会いたいしなぁ……
「…行こう」
『じゃあいつものとこでいいか?』
「うん」
『じゃあ後でな』
そこで通信が切れた。はぁぁ……帰ったら頑張ろ。
「という訳であの子のこともよろしく」
「はい。帰ったら覚悟しといてくださいね?」
いい笑顔でアニスがそう言い放つ。
「………」
わたしは無言で転移した。
……帰りたくないなぁ。
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