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第1章
自己紹介とスープ
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「入って」
私は洞穴の扉のロックを解除して、中に招き入れる。ちなみに扉もカモフラージュされていて、一見したらなんの変哲もない岩壁にしか見えない。
「お、おう…」
「すごいわね…」
驚いてるね。それも当然か。だって扉の先にはソファとかキッチンとかがあるんだから。
「ここに寝かせて」
「お、おう。すまねぇ」
私は怪我人をベットに寝かせるよう指示する。攻撃を受けたと思う男の人は骨折してるみたいだけど歩けてる。問題は…
「だいぶ怪我してるね」
今ベットに寝かせた人は女の人だ。私が駆けつけたときにはもう倒れていた。所々怪我があるけど、止血はされてるみたい。
『怪我は重症ですが、命に別状はないようです』
「よかった…」
「ああ…ありがとな。助かったよ」
「本当に。でもどうして?」
「どうして…それは私がこの森にいること?それとも助けたこと?」
『おそらく両方です』
分かってるよ。でも、とりあえずね。
「そうね…両方ね。でもまずは助けてくれたことかしら?」
「それは、助けないと危ないと思ったから」
私だってよく分からない。けど、助けられるのに、見捨てられなかった。
「危ないって…おまえさんだって危ねぇだろ?」
「私は大丈夫。あれくらいなら前にも倒した」
「あれくらいって…」
「まぁまぁ。とりあえずお礼を言わないとね。ありがとね。確かにあのままだったら私たちはやられてたわ」
「ああ…おっと、まだ名乗ってなかったな。俺の名前は"ギル"。冒険者パーティ【黒竜】のリーダーだ。冒険者ランクはAだ」
えっと…なんか知らない単語のオンパレードなんですが?
『説明しましょうか?』
お願い。
『はい。この世界には冒険者と呼ばれる職業が存在します。その職業の人は冒険者ギルドと呼ばれる組織に所属し、様々な依頼を受け、報酬を受け取ります。冒険者にはランクと呼ばれるものが存在し、ランクが高いほど、報酬が高くなりますが、同時に危険度も増します。冒険者は冒険者同士で組むこともあります。それをパーティと呼びます』
ほうほう。ギルさんはAランクだけど、それは高いほう?
『はい。正確には上から2番目です』
おお!
「すごいね!」
「まぁな」
あ、照れてる。
「もう!次は私。名前は"リナ"。ランクはBよ。主に魔法で援護するわね」
魔法を使っていた女の人だ。リナっていうんだ。
「おい、リナ。回復かけてくれよ」
そんなことを言ってるのは骨折してる男の人。
「はぁ…先に自己紹介しなさいよ」
「あ、悪ぃ。俺の名前は"バケット"だ。よろしくな」
バケットさんの立ち位置がなんとなく分かるような…
「そんな適当な紹介して!……睡眠回復!」
「あ、ちょ!それ…」
名前からして寝かせる回復魔法かな。すぐ眠っちゃったよ。
「次はあなたの名前を教えてくれるかしら?」
あ、そっか。
『ファーストネームだけの方がいいと思います』
なぜ?
『ファミリーネームを持っているのは貴族くらいだからです』
あ、なるほど。まちがわれないようにってことね。
「マリーナです」
「マリーナ…いい名前ね。さて、じゃあ次の質問に答えてもらえるかしら?」
次の質問…私がなぜこの森にいるかってやつね。もちろん私だって好きでここにいる訳じゃない。そろそろ街に行きたいなーとも思ってる。でもここに家もできたし、自給自足できちゃってるんだよね。調味料は欲しいけど。
「目が覚めたらここにいた」
うん。嘘は言ってない。
「そう…街には行ったことあるの?」
「ない」
そう答えたら仲間でヒソヒソ話を始めてしまった。まぁ私の聴力だったら丸聞こえなんだけどね。で、なんか誘拐だの虐待だの捨て子だの…色々言ってくれちゃってる。誘拐は確かに合ってるかもね。あ、話し合いが終わったみたい。
「とりあえず、今寝てる人が回復するまでは、ここにいていいかしら?」
「大丈夫だよ。家を勝手に変えたり、私に危害を加えなければ」
「それは勿論約束するわ」
「そう。じゃあそろそろ食事にしよ?」
「え?」
私はキッチンへ向かう。水道は水脈を見つけたので、使える。コンロはさすがに無理でかまどだけどね。
温かいのがいいかなと思い、スープにする。まず鍋(作った)に鳥の骨(鳥っぽい魔物の骨)を入れてだしをとる。その間に岩塩を削る。これはまたまた洞穴から採掘した。なんであったのかは分かんない。鳥の骨をだして、食用で疲労回復効果があって美味しい薬草を加え、その他見つけた野菜にイノシシのお肉。隠し味にりんご(みたいなの)をすりおろして加える。塩で味を整えて、完成。
木工で作ったお椀に入れて、テーブルまで運んだ。
「どうぞ」
「あ、ありがと…」
恐る恐る口をつけたと思ったらすぐにがっつき始めた。私もいただきますと手を合わせて、食べた。うん。美味しい。
「お代わりもあるから大丈夫だよ?」
「「「ホント!?」」」
「う、うん」
ここまで反応するとは…そこまで美味しいかな?
「ふぁー食った食った」
「どんだけ食べたのよ!ごめんね?」
「ううん。私が好きで作ったんだから」
「それにしても美味しかったわ。具はなんだったの?」
「うんと…ビックボアのお肉にジリル草にポアの実」
ジリル草は疲労回復の薬草。ポアの実はりんごのこと。
「「「ビックボアにジリル草!?」」」
「う、うん…おかしかった?」
『ビックボアはBランクの冒険者が5人いてやっと倒せる魔物です。ジリル草はその高い疲労回復効果から高値で取引される希少な薬草です』
まじか?!やっちゃった?
「そんな貴重なものがはいってたなんて…」
貴重っていってもねぇ?そこら中に生えてたんだけど?
「別に気にしなくていいよ?まだまだあるから」
「「「まだまだあるの!?」」」
「う、うん」
言わなきゃ良かったか?
「ふぁぁ…もう寝よっか」
「あ、ええ…」
「ベットはみんなの分あるから、好きなの使って」
なんでベットをそんなに作ったのか自分でも疑問なんだけど、役に立ったからいっか!
「あ、ああ。ありがとな」
「うん。おやすみ」
「ええ…おやすみなさい」
私は会話から逃げるようにベットに潜り込むと、眠りについた。
私は洞穴の扉のロックを解除して、中に招き入れる。ちなみに扉もカモフラージュされていて、一見したらなんの変哲もない岩壁にしか見えない。
「お、おう…」
「すごいわね…」
驚いてるね。それも当然か。だって扉の先にはソファとかキッチンとかがあるんだから。
「ここに寝かせて」
「お、おう。すまねぇ」
私は怪我人をベットに寝かせるよう指示する。攻撃を受けたと思う男の人は骨折してるみたいだけど歩けてる。問題は…
「だいぶ怪我してるね」
今ベットに寝かせた人は女の人だ。私が駆けつけたときにはもう倒れていた。所々怪我があるけど、止血はされてるみたい。
『怪我は重症ですが、命に別状はないようです』
「よかった…」
「ああ…ありがとな。助かったよ」
「本当に。でもどうして?」
「どうして…それは私がこの森にいること?それとも助けたこと?」
『おそらく両方です』
分かってるよ。でも、とりあえずね。
「そうね…両方ね。でもまずは助けてくれたことかしら?」
「それは、助けないと危ないと思ったから」
私だってよく分からない。けど、助けられるのに、見捨てられなかった。
「危ないって…おまえさんだって危ねぇだろ?」
「私は大丈夫。あれくらいなら前にも倒した」
「あれくらいって…」
「まぁまぁ。とりあえずお礼を言わないとね。ありがとね。確かにあのままだったら私たちはやられてたわ」
「ああ…おっと、まだ名乗ってなかったな。俺の名前は"ギル"。冒険者パーティ【黒竜】のリーダーだ。冒険者ランクはAだ」
えっと…なんか知らない単語のオンパレードなんですが?
『説明しましょうか?』
お願い。
『はい。この世界には冒険者と呼ばれる職業が存在します。その職業の人は冒険者ギルドと呼ばれる組織に所属し、様々な依頼を受け、報酬を受け取ります。冒険者にはランクと呼ばれるものが存在し、ランクが高いほど、報酬が高くなりますが、同時に危険度も増します。冒険者は冒険者同士で組むこともあります。それをパーティと呼びます』
ほうほう。ギルさんはAランクだけど、それは高いほう?
『はい。正確には上から2番目です』
おお!
「すごいね!」
「まぁな」
あ、照れてる。
「もう!次は私。名前は"リナ"。ランクはBよ。主に魔法で援護するわね」
魔法を使っていた女の人だ。リナっていうんだ。
「おい、リナ。回復かけてくれよ」
そんなことを言ってるのは骨折してる男の人。
「はぁ…先に自己紹介しなさいよ」
「あ、悪ぃ。俺の名前は"バケット"だ。よろしくな」
バケットさんの立ち位置がなんとなく分かるような…
「そんな適当な紹介して!……睡眠回復!」
「あ、ちょ!それ…」
名前からして寝かせる回復魔法かな。すぐ眠っちゃったよ。
「次はあなたの名前を教えてくれるかしら?」
あ、そっか。
『ファーストネームだけの方がいいと思います』
なぜ?
『ファミリーネームを持っているのは貴族くらいだからです』
あ、なるほど。まちがわれないようにってことね。
「マリーナです」
「マリーナ…いい名前ね。さて、じゃあ次の質問に答えてもらえるかしら?」
次の質問…私がなぜこの森にいるかってやつね。もちろん私だって好きでここにいる訳じゃない。そろそろ街に行きたいなーとも思ってる。でもここに家もできたし、自給自足できちゃってるんだよね。調味料は欲しいけど。
「目が覚めたらここにいた」
うん。嘘は言ってない。
「そう…街には行ったことあるの?」
「ない」
そう答えたら仲間でヒソヒソ話を始めてしまった。まぁ私の聴力だったら丸聞こえなんだけどね。で、なんか誘拐だの虐待だの捨て子だの…色々言ってくれちゃってる。誘拐は確かに合ってるかもね。あ、話し合いが終わったみたい。
「とりあえず、今寝てる人が回復するまでは、ここにいていいかしら?」
「大丈夫だよ。家を勝手に変えたり、私に危害を加えなければ」
「それは勿論約束するわ」
「そう。じゃあそろそろ食事にしよ?」
「え?」
私はキッチンへ向かう。水道は水脈を見つけたので、使える。コンロはさすがに無理でかまどだけどね。
温かいのがいいかなと思い、スープにする。まず鍋(作った)に鳥の骨(鳥っぽい魔物の骨)を入れてだしをとる。その間に岩塩を削る。これはまたまた洞穴から採掘した。なんであったのかは分かんない。鳥の骨をだして、食用で疲労回復効果があって美味しい薬草を加え、その他見つけた野菜にイノシシのお肉。隠し味にりんご(みたいなの)をすりおろして加える。塩で味を整えて、完成。
木工で作ったお椀に入れて、テーブルまで運んだ。
「どうぞ」
「あ、ありがと…」
恐る恐る口をつけたと思ったらすぐにがっつき始めた。私もいただきますと手を合わせて、食べた。うん。美味しい。
「お代わりもあるから大丈夫だよ?」
「「「ホント!?」」」
「う、うん」
ここまで反応するとは…そこまで美味しいかな?
「ふぁー食った食った」
「どんだけ食べたのよ!ごめんね?」
「ううん。私が好きで作ったんだから」
「それにしても美味しかったわ。具はなんだったの?」
「うんと…ビックボアのお肉にジリル草にポアの実」
ジリル草は疲労回復の薬草。ポアの実はりんごのこと。
「「「ビックボアにジリル草!?」」」
「う、うん…おかしかった?」
『ビックボアはBランクの冒険者が5人いてやっと倒せる魔物です。ジリル草はその高い疲労回復効果から高値で取引される希少な薬草です』
まじか?!やっちゃった?
「そんな貴重なものがはいってたなんて…」
貴重っていってもねぇ?そこら中に生えてたんだけど?
「別に気にしなくていいよ?まだまだあるから」
「「「まだまだあるの!?」」」
「う、うん」
言わなきゃ良かったか?
「ふぁぁ…もう寝よっか」
「あ、ええ…」
「ベットはみんなの分あるから、好きなの使って」
なんでベットをそんなに作ったのか自分でも疑問なんだけど、役に立ったからいっか!
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