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第3章
解放
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しばらくの間神力を流し続けた結果、少しクラっときた。
《主様!?大丈夫!?》
慌てたプレナの声が聞こえる。
「大、丈夫…ふぅ」
ドサッと地面に座り込む。そして集中するために閉じていた瞼を開くと…
「わぁ…」
先程とは打って変わって色とりどりの花が咲き乱れ、木々は青々と茂っている光景が目に入った。どうやら成功したみたい。
〈さすがですな。これで心配ありますまい〉
瑠璃も頷いている。これで聖域は守れたみたい。よかったー…
〈お疲れでしょう。一旦家に戻りますかな〉
「そう、する…」
返事をするのもやっとなぐらいの倦怠感が襲う。魔力切れに似た症状だけど、それより辛いかもしれない。でも、なんだか体がポカポカする。顔が熱っぽい。
〈ふむ。体が火照っているのは、力を解放したからでしょうな〉
瑠璃が私の額に手を当てて、そう言った。
解放、か…確かに体の中を、魔力とは違うナニカが駆け巡っている感覚がする。これが神力なんだろうね。
《主様、大丈夫?》
「うん…。でも、ちょっと休みたい」
倦怠感と共に眠気が襲う。瞼が重い。
〈では眠ってくだされ。運びます故〉
「いや、でも…」
《主様、いいから休んで》
プレナまで…
「…うん。じゃあよろ、し…く……」
返事をしながら、私の意識はそこで途切れた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
〈さて、頼むぞ〉
瑠璃がそう言うと、突然空から1つの影が降りてきた。どうやら鳥の魔物のようだ。
「グワァ」
鳴き声をひとつあげ、鳥の魔物は足で掴んでいた籠を地面に下ろす。
その籠の中に、瑠璃が草魔法で作った蔓を使い、眠ったマリーナを優しく入れた。その傍にはプレナもいた。
《凄い熱…》
マリーナは少し荒い息遣いで、額には少し汗が滲んでいた。額に手を当てると、さらに熱は上がっているようだ。
〈そう心配しなくていい。寝てしっかり休めば治る。では、頼んだぞ〉
《はい》
「グワァ」
バサッと翼を広げ、鳥の魔物が飛び立つ。無論籠の中のマリーナに負担がかからないよう優しくだ。そして真っ直ぐマリーナのために作った小屋へと向かって行った。
《主様…》
ベットで眠るマリーナにプレナが寄り添う。マリーナの額には濡らしたタオルが置かれていた。
〈そろそろ取り替えるか〉
瑠璃がタオルを取り、桶に溜まった水に浸す。そして水を絞り、またマリーナの額に当てた。
《長、主様は…》
〈うむ。どうやら体に秘めた神力が多いようだ〉
それは当然だ。なにせマリーナの力は、一般的な神龍とは比べ物にならないのだから。それは神々の加護が原因だ。それ故に、マリーナは増えすぎた自分の膨大な力が体に馴染まず、完全に解放することが難しかった。だが、それが今回引き出された事で、少しつづ体に馴染み始めた。しかし、その負担は大きく、それが体の熱としてあらわれているのだ。
…つまり、それが終わればマリーナの力は完全に解放…つまり覚醒するということだ。
〈明日には目を覚ます。心配することはない〉
《…分かった》
頭では納得しても、やはり心配なものは心配だ。プレナはそのまま夜があけるまでマリーナを看病し続けた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
なんだろう…ぽわぽわする。ここは…
「あぁ、やっと目が覚めましたか」
そう言いながら私の目の前に現れたのは…グランパパだった。見回すと、どうやらいつもの空間ではない。白っぽい空間…
「あの、ここは?」
「ここはマリーナさんの夢の中です」
夢の中…なるほど、何となく腑に落ちる。感覚として理解できたのかな。
「で、なんの用ですか?」
わざわざ夢の中に来たんだから、理由があるはず。
「それはですね、マリーナさんの力についてです」
力…
「神力のことですか?」
「そうです。マリーナさんの神力は加護の影響で多くなってしまっていて……なので使い方とか、引き出し方とかを今度教会に来た時に話そうと思っていたのですが…」
「もうやっちゃいましたね」
そういうことは早く言って欲しかったよ。
「はい…とりあえず解放の体の負担は減らしておきます。それと、ハクの"アクセス権"を引き上げておきます。これで特秘事項を知ることが出来るはずです」
「それは神力の使い方だったり?」
問いかけると、グランパパは頷いた。まぁ何となく予想はしてた。でも、なんで特秘事項にしてたんだろう?
「なんで今まで特秘事項にしてたんです?」
「そ、それは…」
明らかに焦り始める。あぁー……分かった。
「…頼って欲しかった?」
「うっ!…はい」
図星だったわ。今までのグランパパの性格からして、そうかなって思ったのよ。
「なら、なんで今アクセス権?を上げるんですか?」
頼って欲しかったなら、教会に来るよう言えばいいのに。
「……マリーナさんの神力は多いです。本来教会で少しつづ解放する予定だったのに一気に解放してしまったので、その力の制御を練習する時間が無くなってしまったんですよ…なので教会に来るまでに暴走するかもしれないんです」
怖っ!それも早く言ってよ!てかそっちを先に言って!?
「なので今その制御の練習するためにアクセス権を上げました」
「わ、かりました…頑張ります」
所謂自主練ってことね。頑張りますよ。そりゃ。
「では、また教会で」
その言葉と共に、グランパパは消えていった。
よし!じゃあ起きたら練習頑張ろう!!
マリーナは知らない。自分が行方不明扱いになっていることを…
《主様!?大丈夫!?》
慌てたプレナの声が聞こえる。
「大、丈夫…ふぅ」
ドサッと地面に座り込む。そして集中するために閉じていた瞼を開くと…
「わぁ…」
先程とは打って変わって色とりどりの花が咲き乱れ、木々は青々と茂っている光景が目に入った。どうやら成功したみたい。
〈さすがですな。これで心配ありますまい〉
瑠璃も頷いている。これで聖域は守れたみたい。よかったー…
〈お疲れでしょう。一旦家に戻りますかな〉
「そう、する…」
返事をするのもやっとなぐらいの倦怠感が襲う。魔力切れに似た症状だけど、それより辛いかもしれない。でも、なんだか体がポカポカする。顔が熱っぽい。
〈ふむ。体が火照っているのは、力を解放したからでしょうな〉
瑠璃が私の額に手を当てて、そう言った。
解放、か…確かに体の中を、魔力とは違うナニカが駆け巡っている感覚がする。これが神力なんだろうね。
《主様、大丈夫?》
「うん…。でも、ちょっと休みたい」
倦怠感と共に眠気が襲う。瞼が重い。
〈では眠ってくだされ。運びます故〉
「いや、でも…」
《主様、いいから休んで》
プレナまで…
「…うん。じゃあよろ、し…く……」
返事をしながら、私の意識はそこで途切れた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
〈さて、頼むぞ〉
瑠璃がそう言うと、突然空から1つの影が降りてきた。どうやら鳥の魔物のようだ。
「グワァ」
鳴き声をひとつあげ、鳥の魔物は足で掴んでいた籠を地面に下ろす。
その籠の中に、瑠璃が草魔法で作った蔓を使い、眠ったマリーナを優しく入れた。その傍にはプレナもいた。
《凄い熱…》
マリーナは少し荒い息遣いで、額には少し汗が滲んでいた。額に手を当てると、さらに熱は上がっているようだ。
〈そう心配しなくていい。寝てしっかり休めば治る。では、頼んだぞ〉
《はい》
「グワァ」
バサッと翼を広げ、鳥の魔物が飛び立つ。無論籠の中のマリーナに負担がかからないよう優しくだ。そして真っ直ぐマリーナのために作った小屋へと向かって行った。
《主様…》
ベットで眠るマリーナにプレナが寄り添う。マリーナの額には濡らしたタオルが置かれていた。
〈そろそろ取り替えるか〉
瑠璃がタオルを取り、桶に溜まった水に浸す。そして水を絞り、またマリーナの額に当てた。
《長、主様は…》
〈うむ。どうやら体に秘めた神力が多いようだ〉
それは当然だ。なにせマリーナの力は、一般的な神龍とは比べ物にならないのだから。それは神々の加護が原因だ。それ故に、マリーナは増えすぎた自分の膨大な力が体に馴染まず、完全に解放することが難しかった。だが、それが今回引き出された事で、少しつづ体に馴染み始めた。しかし、その負担は大きく、それが体の熱としてあらわれているのだ。
…つまり、それが終わればマリーナの力は完全に解放…つまり覚醒するということだ。
〈明日には目を覚ます。心配することはない〉
《…分かった》
頭では納得しても、やはり心配なものは心配だ。プレナはそのまま夜があけるまでマリーナを看病し続けた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
なんだろう…ぽわぽわする。ここは…
「あぁ、やっと目が覚めましたか」
そう言いながら私の目の前に現れたのは…グランパパだった。見回すと、どうやらいつもの空間ではない。白っぽい空間…
「あの、ここは?」
「ここはマリーナさんの夢の中です」
夢の中…なるほど、何となく腑に落ちる。感覚として理解できたのかな。
「で、なんの用ですか?」
わざわざ夢の中に来たんだから、理由があるはず。
「それはですね、マリーナさんの力についてです」
力…
「神力のことですか?」
「そうです。マリーナさんの神力は加護の影響で多くなってしまっていて……なので使い方とか、引き出し方とかを今度教会に来た時に話そうと思っていたのですが…」
「もうやっちゃいましたね」
そういうことは早く言って欲しかったよ。
「はい…とりあえず解放の体の負担は減らしておきます。それと、ハクの"アクセス権"を引き上げておきます。これで特秘事項を知ることが出来るはずです」
「それは神力の使い方だったり?」
問いかけると、グランパパは頷いた。まぁ何となく予想はしてた。でも、なんで特秘事項にしてたんだろう?
「なんで今まで特秘事項にしてたんです?」
「そ、それは…」
明らかに焦り始める。あぁー……分かった。
「…頼って欲しかった?」
「うっ!…はい」
図星だったわ。今までのグランパパの性格からして、そうかなって思ったのよ。
「なら、なんで今アクセス権?を上げるんですか?」
頼って欲しかったなら、教会に来るよう言えばいいのに。
「……マリーナさんの神力は多いです。本来教会で少しつづ解放する予定だったのに一気に解放してしまったので、その力の制御を練習する時間が無くなってしまったんですよ…なので教会に来るまでに暴走するかもしれないんです」
怖っ!それも早く言ってよ!てかそっちを先に言って!?
「なので今その制御の練習するためにアクセス権を上げました」
「わ、かりました…頑張ります」
所謂自主練ってことね。頑張りますよ。そりゃ。
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