11 / 75
第11話
しおりを挟む*
純粋無垢なる、その子に事情を説明しなければいけないのか……?
「そっか。もしかして新聞部とか、そんな感じの取材って捉えればいいのかな?」
「いいえ。あたしは新聞部ではないです。個人的興味があって神憑先輩に聞きに来ました」
「個人的興味、ね」
別に、すべてをしゃべる必要はないが。
「悪いけど、僕の病気の詳細は答えることはできない。プライベートというものがあるのでね」
「へえ、それは残念です。じゃあ……」
彼女は決意を込めて。
「付き合ってください!」
「は?」
これは正しい彼女の声なのだろうか? だから、ちょっと、とぼけてみる。
「なにに?」
「とぼけないでください! そのままの意味です!」
「そのままの意味って?」
「神憑先輩が彼氏として、あたしが彼女として、お付き合いをするって意味です!」
「またあっ!?」
衝撃で頭がおかしくなりそうだ……というか、すでに、おかしい。どう解釈したらいいんだ?
「……またあっ!? って、なんですか?」
「え、いや、なんでもないです……。火花さんには関係ないことです……」
「恋人なんだから隠しごとはなしです! 正直に言ってください!」
「もう恋人になってる前提で話をしないでよ!」
「恋人です! あたしが正しい! あたしがこの世界のすべて! 世界は、あたしのためにあるのです!」
「自己中だね!」
「だから知りたいと思ったことは知っておきたいし、 興味を持ったことはどんなことでも 求めていきたい。そういうふうに、あたしはできている」
「詩人だね!」
「さあ、恋人になったんだから答えてもらいましょうか?」
「悪いけど答える気はないね」
「どうしてっ!? 恋人なのに!」
「恋人じゃないから! 勝手に決めないでよ!」
「あたしのルールに従えないの?」
「従いません! 帰って!」
「帰りません! あたしがルールです!」
「あーグダグダだよ、もう。恋人になったとしても答える気がないから、あきらめてくれ」
「あたし、個人的興味への欲求が止まることがないので、神憑先輩の逃げ場はありませんよ!」
「逃げ場って、なによ! おい、桜舞! 黙ってないで、なにか言ってくれよ!」
「知りません」
「知らないって、なんだよそりゃ! 助けてくれよ!」
「そうですね……。こんなこと、兄さんには絶対、訪れないであろう転機が来ているようですね。両手に花ってやつですかね……? 筬屋さん、か、火花さん、か? 兄さんにとっては、ふたりにモテているだけでも奇跡です」
「好きじゃない子にモテたって嬉しくないやい!」
「わたしから言わせてもらえば、それは贅沢ですよ。それに非モテの恨みは時に恐ろしいので気をつけてくださいね」
「はい?」
すでに教室の窓には一年A組の生徒たちがいたのであった。
どうしたらいいんだよ……。
0
あなたにおすすめの小説
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる