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第12話
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僕が火花萌瑠に告白された情報は、すでに伝播高校内で広まっていた。
「この状況は、どう処理したらいいものなのか?」
「なるように、なるんじゃないですかね?」
「なるようになるって他人事みたいに言うなよな……」
「わたしは兄さんの思うままに行動すればいいと思います」
「そうは言ってもなあ……」
「なるように、なってみてもいいんじゃないですかね……?」
「……何回、同じような会話を繰り返すんだ?」
「で、まあ、火花萌瑠さんの情報ですけど、彼女は一年E組に所属している生徒みたいですね」
「えっ、E組って、めっちゃ頭のいいクラスじゃん!」
「そう、いわゆる特別進学コースのエリートってわけですよ。もし彼女と付き合うことになったら逆玉の輿も夢じゃないかもしれませんね」
「逆玉の輿って……僕は、そんなことで好きになるような人間じゃないぞ!」
「長い人生を俯瞰して見てみてください。どっちがいいのか、ちゃんと決めてくださいよ」
「どっちも好きじゃないよ……」
「その発言は、あらゆる女を敵に回しますよ」
――突然、ピッという音が聞こえた。
「今の発言、録音させていただきました!」
「……誰?」
「私は三年C組の矢林御琴と申します! 新聞部です! 今回は入学初日から一週間もかからないうちに、ふたりの女性に告白された神憑武尊さんの記事を作成するために取材させてもらいますね!」
「なんだそりゃ!? 認めるわけないだろ、そんなの!」
「でも、今の録音した音声が全校生徒に、ばらまかれたくなかったら……どうしますかね?」
「人権侵害だろ、それ!」
「だったら取材を受けてもらいましょうかね? 一年間も、どこで、なにをしていたのか? その説明が我々に必要だと思いますよ?」
「もう、勝手にしたらっ!? 今さら、どう思われようが、どうでもいいね!」
「本当に、どうでもいいと思っているなら、中学時代に不登校だった事情と矛盾するような気がしますけど……」
「過去は過去なんだよ。そんなことだけを指摘しても、なんの意味もない」
「私たちに意味を示してくれないと?」
「というか、どうして意味を示す必要があるんだ? 僕に、なにを期待している?」
「まあ、一年前、不登校になった神憑さんの噂は二年生の私にも届いていましたからね。ちょっと気になることもあるし……」
「気になること?」
「神憑さんが入院していた病院の情報が、どこにもないんですよ……」
「……それに対して僕が答えるとでも?」
「答えてくれないと、ふたりの女性の好感度が下がりますが……」
わざわざ答えなければいけないのか?
あの病院のことを――。
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