キミが存在しないラブコメ 〜病弱な僕が世界を変える唯一の方法〜

三浦るぴん

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第21話

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  *

 放課後になった。

 一年A組の教室のなかで、改めて話し合いをしていくのだが。

「さて、どうしようかな……」

「どうしよう、かな……とは?」

 真海奈がイライラしている。

「私が先だったんだよ!」

「そうだね。でも、土曜日に遊びに行くことは決まっていなかった」

「そうですよ! 残念ながら、あたしがルールなので土曜日に遊びに行くのは、あたしです!」

「いや、ここは平等にいきたい」

『平等?』

 真海奈と萌瑠が声をそろえる。

「なにが平等なんですか?」

 萌瑠が質問する――それに僕は答えていく。

「次の休みの日は、ふたりとも同じ日に遊びに行くってこと」

「えっ!? それじゃ、私の先にしていた約束が無駄になるよ……」

「なにも僕らは恋人じゃないじゃん。だから三人で遊びに行くのは普通のことだと思うんだ」

「恋人、じゃない……ね。確かに……ね」

 真海奈は少し、がっかりした表情を見せる。

「なに言ってるんですか! あたしとは恋人でしょ!」

「火花さんが発言すると、ちょっとおかしくなるから黙ろうか」

 まあ、今すぐに決めることではないか……恋人になるか、恋人にならないか、は。

「じゃあ、そんな感じで、よろしく」

「はい……」

 真海奈は明らかに残念そうな顔をしていた。

「一緒に行動できるだけでも、ありがたいことだと思うんですけどねえ……」

 おまえが言うな、って感じがしないでもない萌瑠に対して、僕は少しだけ感謝していた。

 そもそも僕は女の子ふたりと行動するだけでもプレッシャーなのだから。

  *

 あれから学校に通う一週間が終わって、明日から土曜日になる。

 正直、僕の周囲で起こったことは信じられないことばかりだった。

 そう……ついに、というか、女の子とふたり同時にデートすることになるとは思いもしなかった。

 これについて桜舞に相談しなければいけない。

「桜舞、入るぞ」

「ええ、どうぞ……兄さん」

 僕は桜舞の部屋に入っていく。

「兄さんの状況は、いろいろ進展してきましたね」

「ああ、明日は、ふたりの女の子とデートだ」

「ハーレムルートでも開設しましたか?」

「そんなんじゃないよ。たまたま重なっただけだ」

「普通は重ねないと思うんですけどね」

「しょうがなかったんだ。火花さんが、あのとき来なければ土曜日に真海奈、日曜日に火花さんになっていたはずだから」

「兄さんが、もう人生における、すべてを手に入れたんじゃないかって妹は感心しています」

「で、相談なんだけど」

「それは兄さんが決めてくださいね」

「まだ、なにも言ってないんだけど!?」

「どっちかの女性を選んでも、なるようになるしかないんです。兄さんの心の奥底には布佐良さんがいると思いますけど、それは、あきらめてくださいね。筬屋さんは外堀を埋めているので、ある意味公認です」

 桜舞は断言するが。

「ですが、イレギュラーな火花さんには、それが通用していないみたいですけどね」

「そういう意味では真海奈って性格が悪いのかな……」

「どうしてです?」

「僕が好きだってことをおおやけにして公認にするってやつが」

「好きな男性がいたら女性なら誰でも言うと思いますけどね。それだけ求められていることに、むしろ感謝すべきだと思いますが」

「そっか。じゃあ、明日……行ってくるわ」

「はい、ご武運を祈ってますね」

「おやすみ」

「おやすみなさい」

 明日は早朝に出かけるから、すぐに寝てしまおう。

 明日のことは、明日に考えれば……それで、いいはずだ――。
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