キミが存在しないラブコメ 〜病弱な僕が世界を変える唯一の方法〜

三浦るぴん

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第30話

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  *

 筬屋真海奈の葬儀がおこなわれた。

 伝播高校で彼女の友達だった人、大友小・中学校で彼女の友達だった人が葬儀に参加した。

 正直、あんな会話のすれ違いで自殺するとは思わなかった。

 僕のあのときの発言は、そんなに対して、真に受けてほしくない会話であったが、こんなことになるなんて……どういう台詞に対してかは、よくわからないけど「普通は、こんなことで死なない」という確信があるのに、案外、人はもろくなって死んでしまうものなのかもしれない。

 他人事みたいに心のなかで言っているけど、僕が原因なんじゃないか……。

 僕はクズだ。

 どうして僕は人の感情に冷酷でいられるのだろうか。

 僕に恋してくれた彼女は、もうこの世には存在しないのに。

 たとえ僕の感情を強制――外堀を埋めていたことを――させようとしても、彼女は僕がよかったのかもしれない。

 それくらいの思いだった、のかもしれない。

 だったら、なおさら、あのとき、ちゃんと会話をしておくべきだったのだ。

 僕がバスを降りる前に話の決着をつけていれば、彼女がいなくなることもなかったのだから。

 ――棺のなかの彼女を見た。

 安らかには見えなかった。

 この世に未練を残したような顔だった。

(だったら…………)

 ――いや、何度も言っても変わらない。

 過去は変えられない。

 超能力者でない限りは。

 僕は彼女の最期の顔を見届けて、この葬儀場を出た。

  *

 葬儀場を出た直後、彼女と再会する。

「……神憑先輩」

「萌瑠か」

 火花萌瑠が僕の目の前に現れる。

「あのとき以来だな」

「あれから、そんなに時間は経ってないですけどね」

「そうだな」

「少し、やつれてますね」

「そうかな……」

「そう見えます。後悔しているのですね」

「そうかもしれない。彼女が僕のことで悩んで自殺するなんて思いもしなかったから」

「神憑先輩は本当に、そう思っているのですか?」

「えっ?」

 ――どういう意味だ?

「真海奈が自殺じゃないと言いたいのか?」

「あたしは、そういう筋道で今、動いています」

 萌瑠は、なにかを知っている……?

「立ち話もなんですし、少し公園のブランコに座って話をしませんか?」

  *

 ふたつある公園のブランコで話をする僕ら。

「今回も《機関》による機密情報なので、時間を止めるアレを使います」

「アレって《機関》に支給された技術なのか?」

「人同士に簡易的な仮想空間を作成し、時間の経過を止める技術みたいなものです。いずれ、この世界でも発表されると思いますよ」

「そうなのか……じゃあ、早速、始めてくれ。萌瑠の話したいことを」

「はい、わかりました」

 僕と萌瑠以外の時間が止まっていく。

 萌瑠は僕に、なにを伝えたいのだろうか……。
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