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第34話
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仮想空間にて火花萌瑠と戦闘する――それが今の課題。
今、僕らは闘技場らしき異空間にいて、火花萌瑠が《アビリティ》を発動する。
「《アビリティ》……《烈火》発動」
激しい勢いで燃える火が彼女をまとう。
「紅炎支配……これで太陽から発せられる炎を支配しました」
「本当に異能が現れるとは……」
「……神憑先輩にも、あたしと同じようなことができるはずです。《習合》の能力を使ってください」
「できるのかな……?」
「《習合》は神々の特性を自身に上書きして、それを使うことができる能力のはずです。まずは一番、念じやすい神にするのがよいでしょう」
「神々の特性か……なら」
自身の名前にちなんだ、あの能力を使ってみるか。
「日本武尊、天叢雲剣《あめのむらくものつるぎ》を顕現せよ!」
左右対称のシンプルな形の剣が顕現される。
「これが天叢雲剣《あめのむらくものつるぎ》か。とりあえず、萌瑠は僕に向かって炎を放ってくれ!」
「わかりました! 紅炎弾!」
その弾を、斬ってみせる!
「薙斬り!」
すべての紅炎を薙いだ。
「ちょっと炎の出力を上げていきますよ!」
紅炎の技が、また発動される。
「紅炎剣!」
紅炎をまとう剣が出現する。
「この剣戟が終わったら、戦いを終了します! もう少しですよ!」
「わかった!」
萌瑠が僕に向かって直進してくる。
紅炎の剣と天叢雲剣《あめのむらくものつるぎ》が重なり合い、キンキンと音を立てる。
炎が熱くて、神剣が溶けそうだ。
でも、蛇の尾から出現した剣なので、その神剣は丈夫であった。
天羽々斬《あめのはばきり》を欠けさせた、その神剣は決して折れなかった。
「これは永久に勝負がつきそうにありませんね……ここまでにしますか」
「ああ……うん」
勝負は、いったん終わった。
模擬戦だったので、まあ、そんなものか。
ただ、これって《影》との戦いで活かすことができるのか……?
*
模擬戦が終わって《機関》を運営しているリーダー的な人物に出会う。
その人物の名は尼城空至というが、あまり頼りなさそうな初老のおじさんに見えた。
「僕も二十年前に《妄想具現症》と診断されてね……でも、このS市では謎の死が事件にならずに現れるようになっておかしいと思ったんだ。だから僕はS市を個人的な意味でパトロールしていたのだけど、そのときに《影》を見たんだ。そして人が殺される場面を見てしまった」
「そうだったんですね」
「神憑くんも《妄想具現症》だというじゃないか。なら、キミは戦う資格を持った人間だということだ。一緒に戦ってくれるかな?」
「はい、がんばります! そして、彼女のためにも復讐を誓います!」
「精進するんだよ」
「はい!」
そんな感じで筬屋真海奈の葬儀から時間の感覚がないほどに長く、実際に流れる時間は短い夜が終わろうとしていた。
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