キミが存在しないラブコメ 〜病弱な僕が世界を変える唯一の方法〜

三浦るぴん

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第39話

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  *

『昼休み、屋上で会いましょう。
 話がしたいです』

 早速、萌瑠からメッセージがあった。

 まず、僕は友代の存在を隠しながら屋上へと向かった。

 友代を自身と同化した状態で、だ。

 そうすれば、お互いに思うことを共有できるし、なにより友代の感情が体感として機敏にわかるようになる。

 屋上の扉を開いた。

「神憑先輩、少し、やつれました?」

 屋上には萌瑠が紙パックの野菜ジュースを飲みながら待っていた。

「まだ、真海奈さんが亡くなったことを知って一日しか……いえ、それくらいにショックが大きかったのですよね。あたしたちの《機関》のこともあって、お疲れでしょう」

「そうだ、少し疑問に思ってたことがあったんだけど……」

「なんですか?」

「《機関》は二種類、あるのか?」

「ああ、そういえば、その説明をしていませんでしたね。そうです。神憑先輩が知っているなかでの《機関》は二種類あります。具体的な名称はないのですが、神憑先輩に対する情報操作をおこなった《機関》と、《影》と戦うために能力者になって市民を守る《機関》ですね。」

「派閥的なものか? なぜ僕の情報を隠蔽しようとする?」

「そのほうが神憑先輩も安心でしょう? なにも知らなかったようになってたほうが、まだ危機を感じずにいられたでしょうに」

「僕をだましているわけじゃないよな」

「騙す《機関》もあれば、騙さない《機関》もある。それだけの話です」

 萌瑠は僕のおでこを右手の人差し指でツンとする。

「少なくとも、《影》と戦う、あたしたちの《機関》は騙していないことを約束しますけどね」

「本当だな? 僕の目の前にある、ふたつの《機関》は互いに矛盾している。《機関》は、どうして、ふたつ……いや、それ以上の派閥があるってことなのか?」

「《機関》は世間では公表されていませんからね。もちろん《機関》にいる人間でさえも」

「なにか区別する名称を考えたら、どうなんだ? 例えば……《組織》というのは、どうだろうか?」

「《組織》?」

「ああ……《妄想具現症》のような病気を持っている患者の情報を保護する組織が《第一の組織》とする。対に《妄想具現症》のような病気による能力を覚醒させて《影》と戦う組織が《第二の組織》とする、のは、どうだろうか?」

「確かに《機関》を細分化するためには《組織》という単語が正しいのかもしれませんね。いいでしょう。あたしたちは《第二の組織》の能力者です。あたしと神憑先輩は協力関係にあります。あたしたちのなかだけでは、その《組織》というワードを使うことを認めます」

「まあ、ややこしいからね」

「神憑先輩の聞きたいことは以上ですか? あたしからも聞いておきたいことがあるのですよ」

「…………なに?」

「昨日、高井町の海岸で、なにをしていたのですか?」
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