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第40話
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僕は屋上で萌瑠に昨日あったことを問いかけられていた。
「なにやら海岸で天叢雲剣を出していたようですが、すぐにしまいましたよね? どうして、ですか?」
「それは、だな…………」
友代のことを言うしか、ないよな。
「僕は、ね…………幽霊に出会っていたんだ」
「幽霊……?」
「友代……出ておいで」
瞬時、僕の体と同化していた心野友代が、この世界に顕現した。
「はじめまして、火花萌瑠さん……あたしは、心野友代と言います。幽霊として、この世界に存在しています。よろしく、お願いします…………」
「――! 紅炎支配!」
「は?」
「神憑先輩、早くその《影》から離れて!」
「《影》って、え、まさか……友代が!?」
「今から、この世界の時間を止めます。そいつを倒します!」
「待って、待ってくれよ!」
僕は萌瑠に問いかける。
「友代は幽霊だ! 《影》じゃない! 《影》だったら、僕は昨日の時点で殺されている! もし《影》なのだとしても、彼女には敵意がない!」
「敵意がないから、なんです! 《影》は、いずれ、この世界の人間を襲います! だから《影》は殲滅すべきなのです!」
「だったら、もう一度、僕と戦うか?」
「ここで仲間割れ、ですか……? 結局、今までの会話は無駄だった、ということですか。いいでしょう。戦ってやりましょうとも!」
萌瑠は念じる。
「《想形空間》!」
《想形空間》という特殊な閉鎖された空間にて僕と萌瑠の戦いが今、始まる。
「さあ、あたしと戦ってください!」
「なら、僕は、あの剣を顕現する」
天叢雲剣と対になるであろう神剣――。
「――天羽々斬!」
日本神話のスサノオが出雲国のヤマタノオロチを退治したときに用いた神剣だ。
ヤマタノオロチを斬ったとき、体内にあった天叢雲剣に当たって切先が欠けてしまった、と言われる伝説の神剣、を僕の妄想で、この世界で顕現させた。
「紅炎弾!」
「――天叢雲剣……薙斬り!」
紅炎の弾を天叢雲剣で払った。
「紅炎剣!」
紅炎の剣と天叢雲剣が火花を散らす――剣戟によるものだ。
その、すきを見る。
二刀流だからこそ、天羽々斬の技を発動できる。
「羽々斬り!」
「えっ、ああっ――!」
二本の剣を持たなかったことが敗因だな。
僕は妄想の出力を下げて、彼女を気絶させるだけで戦闘を終わらせた。
*
僕は萌瑠が気絶から起きるまで、この時間の止まった空間に、いることにした。
でも、友代は、どうして《影》と呼ばれたのだろうか?
幽霊は、すべて《影》なのか?
その理由を萌瑠に聞いておかなきゃな、と思ったのであった。
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