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第54話
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僕の両足を木々に絡めて拘束した。
「現実顕現」
日本神話の弓を構え、日本神話の矢を僕に向けて放つ。
「これで終わりです」
矢が当たる瞬間に神剣で防御しようとするが。
「軌道を変えます」
矢は方向を変え、僕の頭に……。
「はは、負けたわ」
矢林さんの攻撃が当たったことで模擬戦は終了した。
*
僕たちは、これから、どうするかについて考えなきゃいけない。
まずは心野友代について矢林さん――いや、仲間になったから御琴さんでいいか――に説明しなきゃいけない。
「友代は自身のことを幽霊として認識している。《影》にはない自我があり、人を襲おうとしない。だから《第三の組織》にいても大丈夫なように取り計らってほしいんだ。御琴さんにもね」
「もう、御琴さん呼びですか……矢林先輩から矢林さん、その次は御琴さんだから次は御琴かな……?」
「僕が言いたいのは、そこじゃないんだよ……御琴」
「早速、呼び捨て! まあ、いいけどさあ……」
御琴は照れたような表情を見せるが。
「友代ちゃんが危害を加えない《影》だってことはわかったよ。実際、私には、なにもしてないし」
「友代は貴重な戦力になるかもしれない。今、僕と友代は精神と肉体をシンクロさせて、思いもよらない動作をおこなえるように練習しているところだ」
「思いもよらない動作?」
「もし思考を掌握する《影》が現れたときに別の動作の思考を友代にさせることで相手に勘違いさせることができるってこと」
「そんなことが起こる機会はあるのですかね」
「でも、ないとは言い切れない」
「まあ、そうですけどね」
「さて、そろそろ戻りましょうか。僕の知るすべては伝えましたが、これを記事になんかしても誰も信じないでしょう。どうあがいても僕の戦いに協力することになります。《影》が出たら瞬時に転移することになりますが、それでいいですね?」
「ええ、それでいいです。この世界の真実を、あなたは教えてくれたのですから」
「じゃあ、これで一年A組の教室に戻ります。なにも知らないふりをしてください」
「わかりました」
「では、一緒に唱えましょう」
「はい」
『《想形門》!』
これで、やっと時間が流れ始めることになる。
*
「屋上へ行きましょう、矢林先輩」
「わかりました」
「彼女がいるはずですから」
「彼女、というのは?」
「あの子です。一応、説明はしました」
「炎を操る、あの子ですか」
「ええ、とにかく行きましょう」
屋上に着いた。
「萌瑠」
「神憑先輩じゃないですか。いったい、どうして、ここに」
「綿里未雪が《第二の組織》の、第一の刺客だったんだよな?」
「ええ、まあ、そうですけど……それが、なにか」
「これ以上、僕らで戦っても、なんの意味もない。むしろ犠牲者が増えるだけだ。だから休戦協定を結びたい」
「休戦協定……?」
「僕らは僕らで争うよりも、本当の敵に対して、なにかしらの策を考えるべきなんだ」
「なんの策ですか?」
「ツクヨミという神を使役するヴィジョン・マインディングに対抗する策だよ」
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