キミが存在しないラブコメ 〜病弱な僕が世界を変える唯一の方法〜

三浦るぴん

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第57話

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  *

 尼城さんとやり取りをするなかで、やっと本題に入るのだが……。

「それで、ですね……休戦協定を結びたいのですが……」

「いや、休戦協定とは言わずに協力関係を結びたい。キミが持つ技術を我々の《機関》でも活かしたい」

「つまり、《第二の組織》と《第三の組織》を統合したいと」

「というか、もともとキミは我々の《機関》の人間じゃないか。第二も第三もないよ」

「でも、それだったら、友代は……」

「心野くんには、もう、こちらから、なにかをすることは、ないよ……だけど、少しだけ調べさせてほしいことがある」

「調べるって、なにをですか?」

「まずは彼女に《現実顕現リアルリビール》をやってもらいたい」

「なにに対してですか?」

「彼女自身の姿をだよ」

「友代…………いいか」

「はい…………わかりました。《現実顕現リアルリビール》」

《影》の幽霊である彼女の姿が仮想空間に顕現した。

「ふむ。《現実顕現リアルリビール》をすると足もちゃんと実体化するんだね」

「この状態の友代に、なにを調べることがあるんですか?」

「ヘッドギアを装着してもらいたい。彼女のことを調べるためにね。なに、神憑くんも数ヶ月前にやったことじゃないか。心配ないよ。命をかけてもね」

「…………いいか」

「…………いいですよ。あたしからは彼らに悪意を感じませんから…………」

「よし、いいでしょう。早速ですけど、調べてください」

「承知した。ではヘッドギアのある場所まで案内させてもらう。神憑くんと矢林くんは心野くんの状態を見守る部屋に案内するよ」

「わかりました」

「お願いします」

 僕、御琴の順に返事をする。

 そして、見守る部屋へ案内されていった。

  *

 尼城さんの案内により、友代を見守る部屋に移動したが。

「…………あれ?」

「…………あっ!?」

「椎菜さん」

「神憑くん」

「どうして、ここに?」

「噂は聞いているよ」

「いや、質問に答えてくださいよ」

「私が第二の刺客になる予定だったんだけどね」

「えっ、そうなんですか?」

「だけど、協力関係を結ぶそうだから、もう刺客は送られないけどね」

「で、なんで椎菜さんは、ここに?」

「私も、ここを知ったのは《機関》の人に出会ったからだよ」

「いったい誰に?」

「綿里さん」

「綿里さん!?」

「うん、彼女とは連絡を取ってたんだ」

「いったい、どうやって……?」

「神憑くんが文通していた綿里さんの住所を脳内に記憶したの。退院したあとに連絡を取り合ってたんだ」

「それは…………」

 ――いいのか?

「でも、久しぶりに会えて嬉しいです!」

「そうだろ、そうだろ!」

「この方は?」

「御琴、この人は椎菜しいな爽芽さわめという僕が入院していた病院の患者さんだった人だよ」

「患者さん……ということは、あの病院のことを知っているってことですか!? ぜひ取材させてください!」

「それは、ちょっと、できないかな……こっちにはプライバシーというものがあるし」

 僕の手紙に書いてあった綿里さんの住所を脳内にコピーした人間の言うことじゃない……。

「さて、そろそろ、あの子の検査が終わるかな……?」

「そっか、友代は…………」

 ――大丈夫、だよな……?
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