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第11章 −拗らせた想い−
65 真珠を探して
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朝から気分が悪い⋯⋯
レンデュラと話すカヤミを見るのは
「オレも旅人みたいなのしてるんだよ。ちょっと身体も鍛えてるし」
「そうなんですか。お元気そうで良かったです」
「相当体調いいよ。カヤミさんのおかげ~」
「いや、入院中診てたのはジゼで⋯⋯」
「そういうのじゃなくても癒し的な?」
「はぁ⋯⋯」
朝食を食べるロティルの隣で、レンデュラの猛攻に対してカヤミが反応に困っている。テーブルの下で見えないようにカヤミの白衣の袖に軽く触れ、手で制するような動きをしたロティル。
「カヤミは診察中だったんじゃないの? ジゼだって忙しいんだから、あんまり長くここに居させるのは⋯⋯」
カヤミの視線がロティルの手の方を一瞬見たことで、レンデュラは眉をピクリとさせ、何かを察した。
「あ~⋯⋯また こっそり何かしちゃって やらし~」
「!」
「な⋯⋯っ 別に何も⋯⋯っ 変な勘違いするなよ!」
2人して顔を赤らめ、ロティルは慌てて否定した。レンデュラは頬杖をついて、つまらなそうな顔で口を尖らせる。
「せっかく挨拶来たんだから、ちょっとくらい いいじゃん。奥さんが、さっき院長手伝いに行ったんだし。聞きたい事もあるんだよ」
ワガママ坊っちゃんめ⋯⋯そんな心境でロティルは鼻を鳴らし、コップに残る牛乳を飲み干した。
朝食を終えたので席を外してレンデュラのいないところへ行ってしまいたい。しかし、カヤミと2人きりには させたくないので、ロティルは仕方なくその場に留まる。
「聞きたい事って⋯⋯?」
レンデュラに対するのロティルの態度は前々から承知しているので、カヤミが慣れないながらも話を進める。
「蒼い真珠を探してるんだけど」
「真珠?」
「まるで海の色を集めたような神秘的な蒼色の真珠⋯⋯そんなのがあるらしくて、幸せを運んでくれるんだって!」
「へぇ⋯⋯お守りとかにするためですか?」
「ん~そんな感じかな⋯⋯カヤミさん、何か聞いたことない?」
「⋯⋯⋯⋯ わからないです⋯⋯」
カヤミが別の世界からきた人間だという事実をレンデュラは知らない。質問されても、こちらの世界に関しての事は薬の知識以外ほとんど わからないので元から答えられるはずもなく。
知らなくても特におかしくはない案件だが、バレてしまったらあまり良くない⋯⋯という心理が僅かに態度に出そうになる。
「⋯⋯子どもの頃、本で見た気がする」
カヤミが下を向いてしまっていると、腕組みして目を背けていたロティルが助け舟を出すようにポツリと答えた。
「ホント!? 何の本? 何て書いてあった?」
「⋯⋯今 思い出そうとしてるんだよ。古い本だったし⋯⋯昔過ぎてそこまで覚えてないから!」
「オレだって親から、ちょっと聞いただけだしさ~
あまりにも情報なくて」
食いついて、矢継ぎ早に質問してくるレンデュラにイラつき、ロティルの口調が強めになる。
「旅先で売ってんのとか見たことないの? 色んなとこ行ってるんでしょ」
「俺はお宝探しで旅してるんじゃなくて納品とか討伐とか仕事中心なの! 少なくとも今までは、そんなの見てない⋯⋯そもそも希少なら土産物みたいに売らないだろ」
「高値で売れるかもしれないじゃん。オレなら買う」
「全く⋯⋯ う~ん⋯⋯たしか、アバロ⋯⋯って貝が どうとか書いてあった⋯⋯かなぁ」
「アバロ⋯⋯ 真珠だから、やっぱ貝か⋯⋯アバロ ね⋯⋯」
ロティルが記憶を呼び起こして出した単語にレンデュラはアゴに手をあてながら、手がかりがあった事に したり顔で頷く。
その時、廊下からポーラの声が聞こえてきた。カヤミに来てほしいと言っているようだ。
「⋯⋯呼んでる。行かなきゃ。
じゃあ、レンデュラ⋯⋯あんまり無理は しないで下さいね」
「ありがと~! カヤミさん またねぇ~」
微笑みながら体調を気遣う言葉をくれたカヤミに満面の笑みを返し、手を振るレンデュラ。そして不満気な顔のロティル。望まない組み合わせの2人きりになってしまった。
「カヤミさん、やっさしい~」
「⋯⋯」
多分 仕事仕様のカヤミだし
あの笑いかけてた顔だって⋯⋯
カヤミがいなくなり、ここにいる理由もなくなったロティルが立ち上がって無言で去ろうすると、レンデュラが話しかけてくる。
「ちょっとは収穫になったよ。ロティルカレアさんのおかげで?」
「あー それは、よかったね」
「蒼い真珠はさ~ 手に入ったらカヤミさんに あげようかと思ってるんだよねぇ」
「⋯⋯あ、そ」
先ほどより一段と声に熱も感情もなく、無関心、無表情のロティルの対応。目の前の彼をどうでもいい と思っていることだけは見て取れる。
「さっきの雰囲気からして、まぁだモタモタやってんだ? カヤミさんとの関係は。拗らせてるなぁ~
変わったのって右眼の色くらいじゃないの?」
「⋯⋯⋯⋯ 早く帰れば?」
煽りを無視しつつ、ロティルは座っているレンデュラを見下ろすように睨みつけ言い放った。
「カヤミさんて気づかなそうだもんなぁ。
そういうのも可愛いけど」
「⋯⋯カヤミを大して知りもしないくせに、適当なこと言うな」
「余裕ないね? ま、いいや⋯⋯今日は帰りまーす。じゃあね」
レンデュラは終始笑顔で言いたいことだけ言い、さっさと出て行った。大きく息を吐いたロティルが顔の右側を軽く手で覆う。
「⋯⋯右眼を疼かせるヤツばっかりで、参る⋯⋯」
レンデュラと話すカヤミを見るのは
「オレも旅人みたいなのしてるんだよ。ちょっと身体も鍛えてるし」
「そうなんですか。お元気そうで良かったです」
「相当体調いいよ。カヤミさんのおかげ~」
「いや、入院中診てたのはジゼで⋯⋯」
「そういうのじゃなくても癒し的な?」
「はぁ⋯⋯」
朝食を食べるロティルの隣で、レンデュラの猛攻に対してカヤミが反応に困っている。テーブルの下で見えないようにカヤミの白衣の袖に軽く触れ、手で制するような動きをしたロティル。
「カヤミは診察中だったんじゃないの? ジゼだって忙しいんだから、あんまり長くここに居させるのは⋯⋯」
カヤミの視線がロティルの手の方を一瞬見たことで、レンデュラは眉をピクリとさせ、何かを察した。
「あ~⋯⋯また こっそり何かしちゃって やらし~」
「!」
「な⋯⋯っ 別に何も⋯⋯っ 変な勘違いするなよ!」
2人して顔を赤らめ、ロティルは慌てて否定した。レンデュラは頬杖をついて、つまらなそうな顔で口を尖らせる。
「せっかく挨拶来たんだから、ちょっとくらい いいじゃん。奥さんが、さっき院長手伝いに行ったんだし。聞きたい事もあるんだよ」
ワガママ坊っちゃんめ⋯⋯そんな心境でロティルは鼻を鳴らし、コップに残る牛乳を飲み干した。
朝食を終えたので席を外してレンデュラのいないところへ行ってしまいたい。しかし、カヤミと2人きりには させたくないので、ロティルは仕方なくその場に留まる。
「聞きたい事って⋯⋯?」
レンデュラに対するのロティルの態度は前々から承知しているので、カヤミが慣れないながらも話を進める。
「蒼い真珠を探してるんだけど」
「真珠?」
「まるで海の色を集めたような神秘的な蒼色の真珠⋯⋯そんなのがあるらしくて、幸せを運んでくれるんだって!」
「へぇ⋯⋯お守りとかにするためですか?」
「ん~そんな感じかな⋯⋯カヤミさん、何か聞いたことない?」
「⋯⋯⋯⋯ わからないです⋯⋯」
カヤミが別の世界からきた人間だという事実をレンデュラは知らない。質問されても、こちらの世界に関しての事は薬の知識以外ほとんど わからないので元から答えられるはずもなく。
知らなくても特におかしくはない案件だが、バレてしまったらあまり良くない⋯⋯という心理が僅かに態度に出そうになる。
「⋯⋯子どもの頃、本で見た気がする」
カヤミが下を向いてしまっていると、腕組みして目を背けていたロティルが助け舟を出すようにポツリと答えた。
「ホント!? 何の本? 何て書いてあった?」
「⋯⋯今 思い出そうとしてるんだよ。古い本だったし⋯⋯昔過ぎてそこまで覚えてないから!」
「オレだって親から、ちょっと聞いただけだしさ~
あまりにも情報なくて」
食いついて、矢継ぎ早に質問してくるレンデュラにイラつき、ロティルの口調が強めになる。
「旅先で売ってんのとか見たことないの? 色んなとこ行ってるんでしょ」
「俺はお宝探しで旅してるんじゃなくて納品とか討伐とか仕事中心なの! 少なくとも今までは、そんなの見てない⋯⋯そもそも希少なら土産物みたいに売らないだろ」
「高値で売れるかもしれないじゃん。オレなら買う」
「全く⋯⋯ う~ん⋯⋯たしか、アバロ⋯⋯って貝が どうとか書いてあった⋯⋯かなぁ」
「アバロ⋯⋯ 真珠だから、やっぱ貝か⋯⋯アバロ ね⋯⋯」
ロティルが記憶を呼び起こして出した単語にレンデュラはアゴに手をあてながら、手がかりがあった事に したり顔で頷く。
その時、廊下からポーラの声が聞こえてきた。カヤミに来てほしいと言っているようだ。
「⋯⋯呼んでる。行かなきゃ。
じゃあ、レンデュラ⋯⋯あんまり無理は しないで下さいね」
「ありがと~! カヤミさん またねぇ~」
微笑みながら体調を気遣う言葉をくれたカヤミに満面の笑みを返し、手を振るレンデュラ。そして不満気な顔のロティル。望まない組み合わせの2人きりになってしまった。
「カヤミさん、やっさしい~」
「⋯⋯」
多分 仕事仕様のカヤミだし
あの笑いかけてた顔だって⋯⋯
カヤミがいなくなり、ここにいる理由もなくなったロティルが立ち上がって無言で去ろうすると、レンデュラが話しかけてくる。
「ちょっとは収穫になったよ。ロティルカレアさんのおかげで?」
「あー それは、よかったね」
「蒼い真珠はさ~ 手に入ったらカヤミさんに あげようかと思ってるんだよねぇ」
「⋯⋯あ、そ」
先ほどより一段と声に熱も感情もなく、無関心、無表情のロティルの対応。目の前の彼をどうでもいい と思っていることだけは見て取れる。
「さっきの雰囲気からして、まぁだモタモタやってんだ? カヤミさんとの関係は。拗らせてるなぁ~
変わったのって右眼の色くらいじゃないの?」
「⋯⋯⋯⋯ 早く帰れば?」
煽りを無視しつつ、ロティルは座っているレンデュラを見下ろすように睨みつけ言い放った。
「カヤミさんて気づかなそうだもんなぁ。
そういうのも可愛いけど」
「⋯⋯カヤミを大して知りもしないくせに、適当なこと言うな」
「余裕ないね? ま、いいや⋯⋯今日は帰りまーす。じゃあね」
レンデュラは終始笑顔で言いたいことだけ言い、さっさと出て行った。大きく息を吐いたロティルが顔の右側を軽く手で覆う。
「⋯⋯右眼を疼かせるヤツばっかりで、参る⋯⋯」
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