ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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黒歴史≪萩原≫

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○月Χ日



今日も天使を守護するため側に控える。

勿論、優しい天使に余計な気を使わせないように、気付かれないようにだ。


天使の移動に合わせ行動。


生憎隣の個室が使用されていて、側で守護が出来ず、出入口が見え、且つ、出て来た相手に悟られない位置で天使が出て来るのを待つ。


天使が無事に教室へ戻るのを見届け、自分の教室へ戻った。




本日三度目の移動は、運良く個室を確保。

後から入って来たらしい女子数名が、天使が居ることも知らず、天使の悪口を言い始めた。

悪口を聞いている天使の心が、酷く傷付いたと思うと怒りが沸く。

後でどこのどいつか割り出し制裁してやろう。






放課後、天使の守護続行。

帰宅途中、天使が他校の男と合流。


誰にでも分け隔てなく、優しく出来、すぐに誰とでも仲良しになれてしまう尊敬すべき天使は、親しみを込め男の名を呼び、眩しい笑顔を惜し気もなく見せている。


少し抜けたところのある、どこか頼りない天使は、迷子になるのが怖いのか、男と手を繋ぎつつ歩き、とあるアパートへと入っていった。


男が天使に酷いことをしたり、または、命を狙う暗殺者の可能性もあり、人目につかない位置でアパートを見張り、耳を澄ます。


二人が入った部屋からは、ギシギシという音と荒い息づかい、そして圧し殺しつつも、漏れる天使の声。


漏れる天使の声を聞きながら、初めてこの声を聞いた日を思い出す。





男のアパートに入り暫くした頃、聞いたことのないような声を出す天使。

近くに控えていながら、天使を危険に晒したことを悔やみ、すぐさま部屋に突入した。

焦ってはいたが、敵に察知されるような愚は犯さない。

物音ひとつたてず、男の近くへ。

俺に背後を取られたことにも気付かず、男は

「…?」

何故か全裸で腰を振っていた。

天使はと言えば、四つん這いで、男に背を見せる形で、俺が外で聞いた声を出している。

「…」

暫し俺の中の情報を検索した結果。


ああ、これが所謂合体という行為か。

親密度MAXの相手と二人きりの時におこなったり、親密度をあげてる相手としたりする儀式だ。


それが分かった途端、何故か、重要な部分をガン見しなくてはならないような気がした。

ガン見しておかないと、後でなんだか恐ろしい目に合わされそうな、居てもたってもいられない、そんな気持ちに駆られ、俺は二人にバレないようにガン見し、フィニッシュまで見届けてから部屋を出た。


これできっと満足してくれるだろう。


・・・・・誰が??


その後二時間ほどしてから天使が出て来たのだった。






今ではアパートから天使の声が漏れ聞こえても、焦ったりしなくなった。

あれは天使なりの、人とより一層仲良くなるための儀式だと心得ている。

許されるなら、俺も天使と儀式をしてみたい。

間近で俺のために歌う、天使の喜びの歌を聴きたい。

けれど、いくら親密度をあげようと、俺にその資格がないことは分かっている。

出来ないことを嘆き悲しむつもりはない。

出来ないことがあるのなら、出来ることをすれば良い。

俺は、俺の出来ることで、天使と親密になろうと思う。





頭に異常をきたしてた頃の日記を読み返す度、壁に全力で頭を打ち付けたい衝動や、美羽クソビッチを闇に葬りさりたい衝動にかられる。

だからと言って、実行に移すことはもちろんしない。アレをどうするかは主に決定権があり、主のお心のままに俺は従うだけだ。ただ、いつ殺れと言われてもいいように、即実行出来るように万全を期してはいるが。


出来ることなら、今すぐこの日記を消し去りたい。あと記憶も。

でも俺は敢えてそれをせず、時折日記を読み返すという苦行以外のなんでもない行為をしている。

懐が宇宙よりも広く、心が人類史上最も美しい主は、卑劣極まりない罠に嵌まったせいで他の人間に夢中になった俺を、叱ることはしなかった。

主以外に心を寄せた俺を、責めることもせず許してくれた。

主が許すと言うなら、それはどこまでも本心で、本当に許されたのは間違いない。

だが、俺は俺自身が許せない。許したくない。

だから日記を読み返す。

卑怯な手段を使われたせいではあるが、主以外に心を寄せるような頭のイカれた過去の自分を思い出し、戒めるために。
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