ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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私の思いは報われないらしい

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私はそっと目を閉じ、耳を澄ませ、ゆっくりと呼吸を繰り返す。

空気に身を委ねるように溶け込むように、そっと一体となるように。

ふわふわとした感覚が私を支配し、ここではないどこかへ導こうと働きかけてくる。

私をここに繋ぐものなど存在しないのだと、心が囁いた。


そうだ、私は自由なのだ。

だから私は行く。

未知なる物を知るために。

まだ出逢っていない未来の誰かに出逢うために。


遠くで誰かが私の名を呼ぶ。

ごめんね…、私、もう決めたの。

未練も何も感じないまま、私は新たな世界へ旅立った。







「…ぃ、おい。」
「………………………何か?」

「何か?じゃないだろ。貴女が寝てるうちに試験終わってますが。」

「……寝てません。…新世界へ旅立ってたのです。」

「そうだね、ドリームワールド的な新世界に行ってたね。ヨダレを拭きなさい。」

「これはヨダレじゃないよ。スライムだよ。」

「それは食べたスライムが逆流してきたの?それとも、体内で生成されたスライムが産まれおちるところなの?」

「どっちだと思う?」
「逆流?」

「それは、ひ・み・つ」
「えー教えてよー(棒読み)」

「乙女の秘密を暴いちゃ駄目。」

「口からスライムの時点で乙女とは認めたくないです。つか、試験で寝ないよね、普通。」

「最後まで終わって時間余った人は寝る。」

「時間余ったんだ?開始五分で終われるってすごいね。」

「終わるわけがない。」
「うん知ってる。放課後、先生のご指名入ってますよ。」

「もしかして…、私の身体が望みだろうか。」
「強いて言うなら、身も心もだね。」

「心もお望みでは、分離して身体のみ届けられないじゃないですか。」

「心と身体を分離て…。」

「身体から精神を抽出?」

「思ってた以上に大事だった件。何かやってんの?実験的な。」

「やってるけどさっぱりはかどらない。」

「つか、そんなんあった?」

「分かんないけど、あるんじゃないですかね。」


なかったら作るしかないが。

私ははっきり言って、勉強が得意じゃない。

興味があることは熱心に取り組めるが、それ以外がダメダメだ。


学校で教わる勉強のほとんどが、私の興味を引かないから、全然やる気がしないんだよね。

出来ることなら、授業サボって盗…、動画鑑賞したり自動人形を造りたい。

今、新しいタイプの自動人形を造りたくて試行錯誤中だったり。

精神と身体を分離ってヤツは、自動人形造りのためだ。


生き物から精神取った身体に、私が造った核埋めて、人形に出来るか知りたくて、んじゃ、取り敢えず、精神抽出しよう。

と思ったのは良かったけど、それ用の魔法が見つからなかった。


もういっそ諦めて、死体に核埋めようかと、何度思ったことか。

でも、それはなんか違う気がする。

それに、魔法で腐敗防止したとして、あまり身体がもちそうもない気もするし、せっかく造ったのに長く付き合っていけないなんて、ちょっと切ない。


死体で造った人形に、私の為のお役立ち知識を与え、人形自体がその後更に学習し、より私が求める形に近くなっても、腐ってお別れとか勿体なさすぎる。


…いや、でも、その人形の核を別の身体に入れたら、セーブポイントからスタート、みたいに持続学習になるのかな?

今まで幸いなことに、人形の身体がぶっ壊れたって状況がなくて、確かめられてない。

煮詰まってるし、検証の為、一度死体で実験しようかな。


「もし身体だけになってたら、どうやって職員室に行くつもりだったの?」

「そんなの決まってますわ。三原君がわたくしの身体をお姫様抱っこで運ぶんですわ。」

「なんでお嬢様臭、出したの?」

「なんとなく?」
「ふ~ん。…お断りします。」

「小説等で学校のプリンス的痛々しい存在が、もっと注目されたいがため、必要もないのに敢えて衆人環視のもと女子をお姫様抱っこし、抱っこした女子に嫉妬を集め、自分の人気を実感するという痛々しい行為を正当化しつつ、『どうよ?俺、王子だろ』と堂々と胸を張って酔いしれることが出来るお姫様抱っこをする機会を、何故断るの?」

「偏見がすごいって気のせいですか。美形に何か恨みでも?なレベルの偏見を聞かされ、そんな風に思ってる行為を何故俺にさせようとしたのか問い詰めたいのですが。」

「三原君、誤魔化さないで。今問題なのは、リア充男は禿げろとか、モゲろとか、そんなことじゃない。…私の思いに気付いてるくせに、何故断るの?……私の思いは報われないってこと?」

「なんか前半恐ろしい単語が聞こえたのは空耳ですか。お姫様抱っこした俺に重力かけ、カッコ悪くヨタヨタする様を見せてやれという思いですね分かります。」

「チッ」
「舌打ちすんな。」





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