ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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美しくも儚く散った僕≪アンリ≫【1】

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僕が生まれた世界は、『人とかゴミムシじゃね?』って思ってる神様のお造りになった世界――名はゴミムシヤーン。


我がナンヤネーン国の王族は、エロマニアと呼ばれる力を持つ者が大半で、力が強いほど玉座につく資格があり、代々一番力の強い者が玉座についてきた。

王の息子ナンヤー・ワレ様が国一番のエロマニアの使い手とうたわれ、将来王として君臨することが確定していた矢先、王のもとに神様が降臨。

「なんかすごいの生まれたぜ」的な余計なことを仰られたせいで、僕は五歳になった頃王家に引き取られる羽目に。


庶民なのに侍女にお世話され、欲しい物は何でも手に入るような環境になり、僕は何時も微笑むような子どもになった。

微笑みの仮面を付けてないと誰かに何か言われそうで怖かったから。


そんな風に無理をした毎日は、やっぱり心の負担が大きくて、限界がきたある日、僕はこっそり部屋を抜け出した。


「わぁ~ッ、きれ~い。」

どこをどう歩いたか覚えていないけど、目の前には花園が。


沢山の種類の色とりどりの花が咲き乱れ、優しい香りが僕を包む。

眺めたり匂いを嗅いだりして歩き回り疲れた頃、見つけたベンチに座ると、それが目に飛び込んできた。


「…あ」


それは青く美しい薔薇だった。

「あ、…ああ……っく、ひっく。…ぁさん、お母さんにっ会い、たいよぉ。」


まだお母さんと暮らしてた頃、一緒に買い物した帰り道、青い薔薇の咲くお屋敷の薔薇を眺めるために少し遠回りして帰ってた。


僕は青い薔薇がとても好きで、お屋敷の前を通りたがる僕を、しょうがないなぁって言いながら笑って手を引いてくれたお母さん。

お母さんに会いたい。お母さんに…


ガサッ―


音にハッとなり慌てて涙を拭って笑顔を作る。


「良い香りだね。」

黒髪に黄金の瞳をした少年が近づいて来る。

「うん。」

涙の跡に気付かないのか、少年は普通に話しかけてきた。

「こんなに綺麗に咲いてるなんて、庭師さんは腕の良い人なんだろうね。」

「うん。」


独りになりたくて部屋を抜け出したのに、結局独りになることも出来ない。出そうになるため息と涙を我慢してるせいでぶっきらぼうな返事になってしまう。


「手、出して。」

「?」

手を出すと小袋をのせてきた。

「チョコレートあげる。バカみたいに高い値段のやつだから美味しいよ。あ、俺が買ったんじゃないから。ワレ様のオヤツをこっそり貰ったんだ。」

そう言って笑う少年は、現れた時とは違い音もさせずに去って行った。


チョコレートを一つ口に放り込む。

「…美味しい。」




後日、あの少年がワレ様専属エロスター5隊長の息子で、名前をテテリヤスといい、将来ワレ様に仕えるということを知った。



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