ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

文字の大きさ
43 / 162

【2】

しおりを挟む

「"ポイ・プリ"クリアした?」

「まだ。倒しても倒してもアイテムドロップしないから、先に進めなくてちょっと飽きてきた。」

「なんてヤツ?」

差し出された煮物を食べながら考える。

「ゾルゲのヨダレ?」

味がしみてて美味しい。
三原君はほんと料理上手ですごいなと思う。

「あれか。アレはまず最初に───」





他愛ない話をしてたら、あっという間に昼休み終了間際。


授業中はあんなにも時の流れが遅いのに、美味しいお弁当を食べてるとすぐ時間が経っちゃう不思議。


「急がないと授業に──って、出ない気?」

あ、なんか小言の気配。

「ちょっとヤボ用が。」


三原君が口を開く前にダッシュで離脱。



世の中には、勉強よりも大切なことがあるんだよ。三原君。



愛とか勇気とか希望とか。


私は、授業では教えてくれないそういうことを重要視する人でありたい。




私が授業を受けてる間に、何処かで誰かが無法者に絡まれ、助けを求めているかもしれない。



私が授業を受けてる間に、何処かの誰かの大切な人が病に倒れ、名医を探しているかもしれない。



私が授業を受けてる間に、貰ったクラリネットの音が出なくなってる人が居るかもしれない。



私が授業を受けてる間に、子牛が荷馬車で市場に売られて行くかもしれない。



私が授業を受けてる間に、ブタ○リラという悪口にしか思えないアダ名を付けられる人が居るかもしれない。




私はそういう人達に手を差し伸べられる人でありたい。


だから私は、断腸の思いで授業を諦めるのだ。

本当は私だって授業に出たい。ものすごく。でも、私は行かねばならない。


重大な使命を果すために。



そう、皆が授業を受けてる間に、優雅にオヤツタイムを過ごすという重大な使命の為に。



重大な使命を果さんとする私は



弁当食ったばっかだろ。

満腹じゃないのか。

どんだけ食う気だよ。

食後、オヤツなんてすぐ食わなくね?

バナナはオヤツに入りますか?


幸子さん、わしの昼飯まだかの?お爺ちゃんさっき食べたでしょ。


お母さーん夕飯何?
お昼食べたばかりなのに、夕飯のこと言わないでちょうだい。毎日毎日、朝が終わればすぐに昼を考えて、昼が終わればすぐに夕飯を考えなきゃいけなくてうんざりだわ。


幸子さん、わしの昼飯―さっき食べたでしょ!武久、食べたら食器さげなさいって何度言ったら分かるの!




等の気遣う声を受信するが、真面目で責任感の強い私は、使命を優先させてしまうのであった。




人助け何処いった?



そんな人になれたらなぁという、単なる希望ですが何か。


悲しいことに、なりたい自分となれる自分は、大抵違っていたりするものだ。

か弱く無垢で儚い、何の力もない、ごく普通の乙女でしかない私は、誰かの力になれたらなぁと夢想するしか術がない。



なので、自分の非力さを嘆きながら、オヤツにしようと思う次第です。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら

渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!? このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!! 前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡ 「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」 ※※※ 現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。 今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました! ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

構造理解で始めるゼロからの文明開拓

TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。 ​適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。 だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――! ​――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

異世界に転生!? だけどお気楽に暮らします。

辰巳 蓮
ファンタジー
「転生して好きに暮らしてください。ただ、不便なところをちょっとだけ、改善していってください」 とゆうことで、多少の便宜を図ってもらった「ナッキート」が転生したのは、剣と魔法の世界でした。 すいません。年表書いてたら分かりにくいところがあったので、ちょっと加えたところがあります。

処理中です...