ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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姉ちゃんの声が聞こえないように、耳を塞いでしまいたいけど、密着しててそれも無理だ。


想像通りのことを言われて、俺は冷静に、いつものように返答出来るのか?いや、無理だ。既に若干震えがきている。

落ち着け、落ち着くんだ俺。万が一付き合ってるって言われたら、ホクトって野郎を姉ちゃんにバレないよう速攻暗殺すれば良いだけだろ。それで何の問題もないな、うん。

いや、だから落ち着け俺。暗殺は駄目だ。この世界じゃ、人間の命の価値は重いから暗殺は駄目だ。捕まったら死刑になってしまう。いや、一人くらいなら別に大丈夫だ。裏の方で暗躍してる皆さんはもっと殺めてらっしゃる。ーーいや待て、待つんだ俺。何、裏の皆さんと比べてんの。今問題なのはそんなんじゃないだろ。多分一人くらい闇に葬っても大丈夫だろうけど、葬った方法が問題にされて、死刑とか言われる可能性だってあり得る。ヤバい、ヤバいよ。死んだら姉ちゃんと一緒に居れなくなる。

居れなくなるか?死んだくらいで側に居れなくなってどうするんだ俺。お前の愛はそんな薄っぺらなのか?違うだろ。肉体は滅ぶが精神?魂?だけになっても姉ちゃんから永遠に離れないくらい出来ないでどうする。

良く考えたら捕まらなきゃいいのか。いや、だから落ち着け俺。捕まる捕まらない以前の問題だった。姉ちゃんも言ってたじゃないか。人間てのは結構いろんな繋がりがあって、殺すと後々かなり面倒な処理になるから、生かして使えって。


流石姉ちゃんだ。よし、俺も姉ちゃんを見習って、暗殺はしないぞ。ホクトの精神だけ壊そう。


「灘流?」
「あ、ごめん。ちょっとボーッとしてた。」


清廉な瞳が俺を見つめる。

すいませんマジすいませんごめんなさい。土下座?土下座の要求ですか?土下座するからそんな瞳で今の俺を見ないでくださいお願いします。


「えっと、な、何?」


なんだかひどく居たたまれない気持ちで、目線を逸らした俺に姉ちゃんが厳かに言った。



「ホクトハダカはハダカイワシ目、ハダカイワシ科。そして…」

「…そして?」
「有ろうことかソコハダカ属。」

「なんだってー(棒読み)」


うん、仕方無い。この反応になってしまったのは仕方無いと思う。俺は多分悪くない。誰だつまんない反応て言った奴。俺だってそう思ってるわ!ちょっと前まで独りシリアス祭り開催中だったんだよ!心がドロッドロだったんだよ!急に気持ち入れ替えられるほど大人じゃないんだよ!



言いたいことを言いきったのか、姉ちゃんは立ち上がり歩き出す。


「夕飯何かな。」


なんだ、彼氏とかそういう話じゃなかった。早とちりしたのがめっちゃ恥ずかしい。


「ホクトって、ホクトハダカ?って魚?魚だよね、イワシって入ってたし。そのことを綴りたかったんだね。」

「うん。でも来るの早いから、中途半端な文字になっちゃったよ。」

「ごめんね?つか、何で急にそれ言おうと思ったのさ。」

「北斗に会って、ホクトハダカって魚居たなって思い出したんだよね。」


え…



「ぇえええーーッちょっ、は?え、北斗?北斗は実在しちゃった!?ちょっ、え、ちょっ、そっち!そっちの北斗が知りたい!魚じゃなくて人の方の詳細を物凄く聞きたかったって察して欲しかった!」

「へぇ~。灘流は夕飯何だと思う?」

「流された!?北斗って誰!?どんな奴!?」

「どんな?…例えるなら、揺れる乙女心の行く末に、幸くれる人。」


なんかよく意味が解らないこと言われた。揺れる乙女心て何?どの男にするか悩んでるけど、最終的に北斗選ぶよ宣言?



よし、やっぱり消すか。






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