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しおりを挟む破壊された室内──噎せかえる血の匂い──散らばる肉片…
クソクソクソクソ!こんな筈じゃなかった!ただの人間の分際で調子に乗りやがって!クソが!
攻撃魔法を繰り出し、斬り飛ばされてもすぐ元通りの姿を見せつけ、お前の攻撃など効かないって嘲笑ってやれば──じゃあ長く楽しめますね──そう言って強がるから、現実を教えてやるつもりだったのに、気がつけば優勢だった筈が劣勢になっていた。
豪快に斬り飛ばす攻撃から、少しずつあたしの身体を削る攻撃に変えた凪沙は、ずっと笑顔でそれを成す。疲れを知らないヤツにどんどん削られ、徐々に再生スピードは落ちていった。
「確か…『相手の力量も分かんないような雑魚が、いつまでそんな余裕でいられるかしらね!』とか言ってた気が。」
骨だけになった両腕──抉れた脇腹──片足の膝から下が無いせいでバランスが取れず立ってられない。
あんなに速攻で出来てたのに、今じゃもう全然再生出来てない。正確には再生している。…ちょっとずつだけど。
早くぶち込みたいって言ってたショーンは四肢を切断され、剣を尻に何度も何度もぶち込まれ、大分前から呻き声も聴こえなくなった。
あたしとの攻防の片手間に弄くり回されたショーンは多分──いやもう絶対死んでる。人間はあんな物体になってまで生きてらんない。
反応なんてとっくにしなくなってるのに何が楽しいのか、ショーンを執拗なまでにぐちゃぐちゃにしてる。
「まだですか?暇潰しして待ってあげてるんだから、早くご自慢の再生してくださいよ。」
そう言いながら剣を一閃、耳を削がれた。
「ギャッ!」
「急がないとどんどん面積小さくなっちゃいますよ。」
どうする?──どうしたら─…そうだまだジュドが!アイツを囮に──って失神してる!?どうりで静かだと思った!ほんと使えない!
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『 』
「了解でーす。」
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