怠惰な蟲使い(仮)

胸の轟

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にこやかな顔でお姉さんは言う。

「一緒に来て?ーーまぁ、拒否権なんてものはないけど。」

「そのセリフ、そのままお返しします。」


ボコボコボコッッー

音と同時に飛び退き距離を取る。

「えっ!な」


お姉さんは最後まで言い切る前に消えた。ーー地中から現れたサイズの大きな蚯蚓レーゲンヴルムに飲み込まれて。


「「「アンナ!?」」」


驚愕から直ぐ立ち直った槍使いと斧使いが、地中に戻ろうとしている蚯蚓レーゲンヴルムに攻撃を仕掛けようとするのを、毒ナイフを投げて防ぐ。


「「ッ!!」」


見事命中したナイフの毒は、あっという間に全身に巡り、激痛に悶え苦しみながら息絶える代物だ。



「ぐぉあ゛あ゛が、が、があああ」
「あぐぅあ゛あ゛ー」


俺の可愛い蚯蚓レーゲンヴルムに攻撃しようとしたことを、後悔しながら死ね。



「てめぇッ」


他の奴らはアンナと呼ばれた女のことは、もう手遅れだと判断したのだろう。俺を殺すことに専念する気だ。


斬りかかる二人の剣を幾度か避け、片方には蹴りを、もう片方には拳を叩き込む。


「グッ!」
「ゴッ!」


拳で沈む相手の喉を掻き切り、蹴りで吹っ飛んだヤツに素早く駆け寄り、立ち上がろうとしたところを蹴りあげる。


「ガッ、アガッ」


のたうち仰向けになった首を踏みつけて骨を折りトドメを刺す。


「死゛ね゛ぇ゛え゛ー」

最期の力を振り絞り、槍使いが槍を投げてきた。


殺した男の襟首を掴み、持ち上げて盾に。


「投げる前に声かけるとか馬鹿じゃないの。」

槍の刺さった男を捨てる。



ボコボコッー

お姉さんを飲み込んだのとは別の蚯蚓レーゲンヴルムが現れ、男達の死体を飲み込んでいく。


「美味しい?」


蚯蚓レーゲンヴルムのヌラヌラしたカラダがユラユラ揺れた。ーーあんまり美味しくなかったようだ。

まぁ、見た感じからして美味しそうではなかったからね。うちの子グルメで困る。


「さてと、お家帰ろっかな。ーー楽しみが出来たし。」








食い込むロープ、これでもかと強調される二つの果実ーーエロい方面で大活躍する縛り方を、全裸のお姉さんにやってみた。うん、良い眺め。


暫く素敵な姿を眺めていると、お姉さんが目覚めた。ーー自分の状況が理解出来ず暫し呆然とした後、理解。


「な、何なのこれ!?」

モロ出し状態が恥ずかしいのか、なんとか隠そうと身を捩ってみたりしてるけど、もちろん隠せるわけがない。


「何が目的!?」
「目的を聞きたいのはこっちだよ。何で俺の後つけてたの?」

「誤解だわ。後なんてつけてない。ーーたまたま見かけて声をかけたって言ったでしょ。」

「へー、たまたま見かけて声をね。じゃああの連中は何?たまたま見かけた俺を、たまたま集まった連中でどうこうしようとしたってことなんだ?」

「連中って誰のこと?私は久しぶりに見かけたあなたが懐かしくて、ケーキでも食べながらお喋りしたかっただけ。」

「その設定まだ引っ張るんだ。アンナさん?」

「何で名前ッ」
「アンナさんは直ぐ消えちゃったから知らないだろうけど、名前呼ばれてたよ。ーーで?何で俺の後つけてたの?」

「つけてないわ!信じて!」

うるうるした瞳が真っ直ぐに俺を見つめる。疚しいことなど何もないと言いたげに。ーー詐欺師って逸らさず相手の目をガッツリ見るよね。


「アンナさんの言い分は良く分かった。」

「良かった、信じてくれるのね!じゃあ早くロープを」

「取りあえず指の関節全部折るね。それからまた聞くよ。」

「え?」
「本当のこと言っても言わなくても、指の関節全部折るまでは止めないからね。」


ボキッー

「あ゛あ゛ーッ!止めッー」





「で?何で俺の後つけてたの?」

アンナさんの綺麗な顔は、鼻水と涎と涙で台無しだ。

指の関節を全部折り、そう言えば爪剥がしてなかったなってことで爪を剥がし、何となく指を裂いて折れた関節を取り出しながら聞く。

手は後ろに回されてるから、アンナさんは自分の手がどんな風になってるかは知らない。見たら驚くかもね。


「アンナさーん?」

静かだと思ったら失神してた。
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