命を燃やせ!! 撃鉄を起こせ!! 5.45ミリの女神に祈りを!! 転生したヨウヘーさん

平澤唯

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第一章 家族

第八話 取り戻された記憶

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 三日後である。

洋平が昏睡状態に陥った後、彼は再び意識を取り戻した。

「知ってる天井かぁ。でも知らない方の…」

大体記憶は戻っていた。

おそらく戦闘での生存本能が引き金となったのであろう、健忘症は一部治っていた。

「自衛隊ねぇ。あれを配備される自衛隊があってたまるかよぉ」

クスクス笑いながら、それを眺めていた。

折りたたみ銃床仕様と取り回しに特化したクリンコフ(AKS74U)と呼ばれる小銃。

その隣に彼の装備であった防弾プレートが入っていたはずのチョッキが置いてあった。

獣との戦闘で背中が破けてあらわになったのは、糸がぐちゃぐちゃに裂かれて使い物にならないケプラーソフトアーマーであった。

「くそぉっ、ってててて。あれ一応レベルA3仕様だぞ。それをバターみたいに貫きやがった。化け物にも程があんぞ…」

ベルトとホルスターは、洋平の足の上に置かれていた。

スライドがずっと後退したままのベレッタM9が置いてある。

「いてて、思い出した。俺は自衛隊なんざ立派なのにはいなかった。この迷彩服、クリンコフ、ベレッタ。どれもこれも有り合わせだったな。でも、やはりまだ曖昧だ…」

洋平は日本人には珍しい、「傭兵」であった。

 傭兵。

またはPMC(民間軍事会社)とは、政府機関と契約し、戦闘実施、政府要人の護衛、正規軍の訓練、兵站業務等の軍事事業を肩代わりする営利企業である。

傭兵はその任務上、戦闘での殉職はもちろんのこと、場合によってはクーデターを起こす旨の契約を結ぶこともあり、その場合正規軍に捕縛されると、公開処刑により殉職する場合もある。


 洋平はPMCに就職して、約七年経っていた。

若手でありながら経験上、年上の隊員を従えることもあった。

幾つもの戦場へ派遣され、そのどれも五体満足で生還できたのは、経験もあっただろうが、それ以上に運が大きかったのだろう。

証拠に彼の部下たちの顔ぶれは、コロコロ変わるのであった。

これは小隊を率いていれば何ら珍しいことはない。

だが、年貢の納め時は必ず来る。

とうとう洋平の運が底を尽きてしまったのだ。

中東での派遣任務にて、彼を含めた三部隊は敵の奇襲攻撃に襲われ、全滅した。

彼も頭部を撃たれて絶命。

だが、どういった神か女神のいたずらか、彼は別世界にて第二の生を授かった。

「輪廻転生だかなんだか知らんが、俺が人間として生まれられる程の善人なわけが無いのだがなぁ…果たして神はいるのかいないのか、はてまた、人の善悪には毛頭興味がないのか。どちらにしても、ここに来たんのなら戻らにゃならん。来た場所へ…問題はどう…かだが」

洋平はあの戦場を懐古していた。

「俺の命はあそこでしか使えない。俺は、ただ生きているだけなのはごめんだ」

「ヨウヘー!ウー・プラヴィディアン」

「起きたのかって聞いてるんだっけか。えぇっと、ちょっと痛いってどう言うんだっけ…えぇっと、ペニナー・スモル」




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