命を燃やせ!! 撃鉄を起こせ!! 5.45ミリの女神に祈りを!! 転生したヨウヘーさん

平澤唯

文字の大きさ
26 / 27
第二章 巣立ち

第三話 食堂

しおりを挟む
 食堂内は薄暗く、オイルランプの証明が天井から吊るされていた。

荒くれ者は中心を陣取りがやがやと騒がしく、そこから数席空き、隅の方で商人達は周りを気にしながら固まって食べている。

洋平は商人の近くの席を取った。

程なくしてウェイトレスがやってきた。

二十ほどの若い娘でお盆を持ちながら駆け寄ってくる。

「注文何が良い?」

「ココではナニが食えル」

「あんた、ここらの人間じゃないね。そうだねぇ~。おすすめは豆の煮物とパリパリベークンの合わせとパンかねぇ。ここのは一味違うからねぇ」

「ベークン?」

「ああ。ベークンさ」

「ベーコンじゃナクって?」

「なんだいベーコンって。似た食べ物かい?」

「豚肉ノ塩漬け肉ダ。ソノベークンはナンだ?」

「あんた豚なんてきったねえ生き物食ってたのかい? あたいらよりよっぽど生活が困窮してたんだね…。あぁ、そのベーコンってのと似た作り方かもしれないんだけど、ベークンってのはあのランドラゴンいるだろ? あれのヒレ肉を塩漬けしたもんだよ」

「じゃぁソレをクレ」

「あいよ! 飲み物は?」

「水デいい」

「なんだい。水だなんてしけてんねぇ。男ならエールでも煽らなきゃねぇ!」

小言をいってウェイトレスは去っていった。

再び堂内を見回すと、ウリャーナもウェイトレスと同じくお盆を持って注文を渡しまわっていた。


「…ここらで腕の立つ奴らといえばなぁ…」

「…でもアイツらは盗賊だぜ。やめといたほうがいいぜ…」

「…俺の知り合いの商隊も用心棒選びミスっちまってよ、積み荷の半分かっさらわれて大目玉食らったって言ってたぜ…」

「…困ったなぁ…」

(用心棒か…。要人護衛隊が懐かしいぜ)

「ククククク…」

洋平は席を立ち、商人たちに近づいた。

「銃士ノ用心棒はイラナイか?」

「何だね、君は!?」

面食らったように各々洋平に視線を飛ばしている。

「アンタタチは用心棒イル。違うか?」

「え…、いや、まぁそうだが。あんたが誰だと聞いてるんだ」

「オレハヨウヘーだ。腕ハ保証スル」

商人たちは見合わせ、ブツブツと言い合っている。

しばらく話し合っている様子だったが、内の一人、立派な立派なカール巻きの男が口を開いた。

「ダメだ。大体あんた、この国の人間じゃないだろ。見たところ、その平たい顔はヒーヅェルの民っぽいが、しかし訛りがほとんど無い。そんな良くわからない相手に大事な商品を任せられるわけなかろうて」

うんうんと頷く商人たち。洋平の目は商人たちをギラリと覗いている。

「用心棒ノ相場ハ?」

「相場?」

商人たちの目が疑心に染まっていく。

「オレは元々傭兵ヲしてイタ。ソノ時の相場は…ソウダなぁ。五月分ダカラ、ザット………。二七〇〇〇デーミスだ」

一人がそろばんを出し、玉を弾き出す。

「二七〇〇〇デーミス…、どれどれ。白銅貨七枚と青銅貨三〇枚か…。まぁ少し高いが、相場と同じくらいか…。だが、それがどうしたのだ。」

「初回ダ。安クしてヤル。ソウダなぁ。半額デどうダ?」

「一三五〇〇デーミスか…。良心的ではある…。だが、だめだ」

カール髪の決意は硬い。

「俺の友人の商隊は見知らない用心棒を雇って、積み荷の半分をかっさらわれて大目玉を食らっている。お前がそうしない保証は?」

洋平はため息をつくと肩をすくめて答えた。

「オレ、盗賊団ミタイ、大人数ニ見エルか? 積荷はイラナイ。一人デ持ち出せナイからナ」

「それにあんたの用心棒としての腕前の保証は? しかも、あんた今、あんた一人って言ったろ?! それじゃあんた一人に一三五〇〇は高くないか。まさかあんたで国を消しされるんなら、ねぇ…」

嘲笑が渦巻いている。

「ハァ…。昔国ノ要人警護を任さレタ。ダガ、言葉デハなんとデモ言えル。腕前の保証ヲ仕事前にデキルワケナイ。ダカラ半額ナンダ。ソレデモダメなら何ガ欲しイ?」

顔を見合わせる商人たち。更に畳み掛ける。

「お前タチは用心棒ガ必要ダ。ココラで、マトモな用心棒を探すにしても、骨が折れルだろう。だから、オレを雇ウのは悪イ話ではナイはずダ。ソレトモ、アイツラにデモ頼むカ?」

堂内の中心の荒くれ者を指差す。

気持ちよく飲んでいるような顔から獲物を見るような鋭い視線が商人たちに投げられる。

「何見てんだよ! ぶっ殺すぞ!」

「モシ、オレの提案が高スギルのなら、アイツラに口添エしてヤルよ、カール巻きさんヨ」

その内の、恰幅の良い商人が言った。荒くれ者を見て引きつった顔を見せる商人たち。

「担保が必要だな。目的地に着いたらこれを返す。これでどうだ?」

「担保カ…。ナラコイツでドウだ」

 テーブルに腿から引き抜いたクロを叩き落とす。

「銃か…。銃なのか…。見たことの無い形だ」

置かれた拳銃を手に取り眺めている商人たち。

(マガジン抜いてて良かった。持ち方が危ない…)

「商売道具を担保に置くのか?」

恰幅の良い商人が驚きと疑念で答える。

「モウ一つ持ってイル。言っタ通リ担保ダ。商売道具デ大事ナ相棒だ。だが、珍シイのナラコレクターにでも売レば金ニなるダロウ」

「確かにこんなものは見たこと無い。見た所、部品の作りも一級品だ。本物か偽物かはさておくとして、担保にはなりうる品だろう。相分かった。アンタを雇おう。でも雇うからにはそれ相応の仕事をしともらう」

「任せロ。出発はイツだ?」

「出発は明日だ。明日の朝、そうだな、九刻辺り日時計集合でいいだろう」

「明日朝…。早スギル…」

「無理ならいいさ。他をあたる」

しばらく無言が続いた後、洋平が口を開いた。

「ワカッタ…。日時計はドコにある?」

「あの見張り塔の建物の下にある。そこで集合だ。遅れるなよ」

「おーい。異国人さんや? 飯持ってきたよ。って、食わないのかい?」

ウェイトレスに呼ばれ、洋平は自分の席に戻った。





————————————————————————————————————————————————————

✰感想やハートで作者がニマニマします。
気に入っていただけたらブックマークや星をポチっとお願いします!
いただいた感想にはニマニマしながら返信しますので、よろしくなのです!
(*´ω`*)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...