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第二章 巣立ち
第二話 宿屋ピータ
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扉を開け入ると、右手の食堂ホールがらんとしている。
横切りフロントへ行くと、そこには初老の男がパイプを吹かせ、細い木の板とにらめっこをして座っていた。
覗き込むと何やら文字が書かれている。
{木板に文字。木簡か}
「なんじゃ。今忙しいんじゃ。用がないのなら出て行ってくれ」
「あ~おじいちゃん。私たち宿を探してて、お部屋空いてる?」
「はぁ~。連れか。まぁいい、空いてるよ。一部屋だけじゃがな。まったく…最近は冷やかしや荒くれ者が多くて…」
愚痴をこぼしながら木簡を渡した。
そこには数字が書いてあった。
「104番の部屋に行きなさい。料金は二五デーミス|《*18》」
「安い! どうして。一日分の薪を売って一五〇デーミスなのに…」
「あんまり商売事情に口出さんでくれ…はぁ~。そうでもしないと破産するからさね…。あの腰抜け保安官め。奴が出てきた途端、野暮用だとかでしっぽ巻いて逃げやがる…」
「ソレは大変ダな、オヤジさん」
「おぬし喋れおったのか。まぁそういうことだ。ここら一体は治安が悪くなった。子供を連れ歩くなら気いつけろよ」
部屋にて…
「どう思う?おじいさんの話」
「手配書か。関わらナイ方ガイイ」
「でも…おじいさん困ってるよ」
「オレ独りナライイ。デモウリャーナが危ナイ。ダカラダメダ」
「…そんなの。まるで私のせいみたいじゃない…私がいなければ助けられるって言ってるみたい。私が足手まといだって…」
「ソンナ事言ってナイ。タダ、モウ危険に巻き込ミたくナイ…」
薄暗い部屋を窓から照らす陽光が俯いた彼女の顔に影を落とす。
「私のお母さんが死んだからでしょ。あそこで手出さなきゃお父さんはあんな事にならずに済んだ。あそこで手を出さなきゃお母さんは…。だからでしょ」
…
「ウリャーナ。考えナシに行動しても迷惑カケルダケだ。ダカラ…」
「分かった。この話はここでおしまい。ね。それで納得でしょ?」
「アア」
「じゃあ私はおじいさんのところで仕事できそうなところ聞いてくる。またね…」
バタンと扉が閉じられた。
洋平はベッドに座り込み、ため息を一呼吸つくと、背負っていた弾薬箱を下ろし、ベッドに弾をひっくり返した。
5.45ミリ弾がジャラジャラと散らばる。
(思ったより多い。何発入ってんだ?)
金ピカが山のように積もっていき、光沢をギラギラっと怪しく瞬かせ、積もってはジャラっと崩れてを繰り返している。
箱は依然として弾を吐き出し続けている。
(ダメだ。キリがねぇ。)
箱を戻し、散らばった弾を数えだした。
(10、11,12、13,14,15,そういえばコレっ、18。スチール薬莢《*19》じゃなくって真鍮薬莢なんだな、21,22…)
百を数えられたら一まとめにして。それを繰り返し、まとまりが四十を超えたところで数えるのをやめた。
(多すぎる。この弾薬箱四千発以上入っている。しかもまだまだ中に…なんなんだこれ。そもそもなんなんだこの世界は。まぁ、弾集めの手間が省けるから良いが。うっ、クラクラする…。ちょっと寝るか)
これより少し前のこと…
「おじいさん! どこか私が働ける場所知らない? 今路銀が尽きそうで困ってるんだ」
翁は木簡書類から目を離す様子はない。
「嬢ちゃん。こちとら職業斡旋所じゃないんだよ。こっちだって忙しいんだよ」
シッシと手で失せるよう言う。
「でもここがらんどうじゃん。私達しか客いないよ」
「うるさいわい!」
目が木簡から初めて離れた。
初めて顔をよく見たが、深いシワが刻み込まれていて、伸びた皮は頬骨辺りでぼこりと出っ張っていて、やつれた印章を与えている。
目元には隈ができていた。
「ねぇ。おじいちゃん忙しいんでしょ? ならさ、私雇ってみない?」
「お前を? はっ、笑わせるな! お前ごとき生娘に何ができるんじゃ」
失笑とばかりに嘲笑うが、声に含みがない。
空の嘲笑が中を舞う。
「あれぇ? 忙しいんじゃないの? 猫の手でも借りたいくらいに忙しくないのぉ? でも生娘の手はいらないんだぁ。じゃあ仕事斡旋はできるよねぇ?」
今世紀最大の皮肉顔でカウンターを超えて翁に迫る。
翁は少しの間の後、固唾をお一飲みし、ため息を吐いた。
「はぁ、嫌味な娘じゃ…。分かった。わしの負けじゃ。雇ったる。じゃがなぁ、給料は三分の一じゃ。今は火の車じゃからのう。それでいいんなら雇ったる。」
「良いよ。私頑張るね、おじいちゃん、っていうか名前は? 私ウリャーナっていうの」
「ウリャーナか…。遠いヤティ山脈辺りの民族…。わしは、ピータル・シミオン。ピータとでも呼んでくれ」
「よろしくね。ピータじいさん。何すればいいかな?」
「そうじゃなぁ。食堂の皿洗いがまだなんじゃ。それを済ませてくれ。その後は食堂の床掃除とテーブル磨き。ひとまずはこれくらいかのぉ。分かったらさっさと行く!」
「はーい」
食堂へ入った所、鼻をもぐような臭いがウリャーナを襲った。
「くっしゃっ。何をどうしたらこう臭くなるのさ。うっ」
鼻をつまみ、吐き跡や掃除されていないこぼし跡を避け、ようやっと厨房へたどり着いた。
洗い残しの皿が山のように積まれ、木ジョッキも洗面台からこぼれ落ちている。
ジョッキを拾い上げようとかがむと、床は砂で汚れている。
「これ、絶対思ってるより時間かかるじゃん…。三分の一は割に合わないじゃん」
そうぼやくと、掃除用具入れからほうき取り、掃き掃除を始めた。
薄暗い堂内を灯すのは、窓から薄っすら差し込む陽光のみ。
床を掃けば堂内をホコリ舞い、光に照らされるホコリがほんのり土臭く、ほんのり香ばしい臭いとともに肺から空気を奪った。
ゲホゲホ…
スカーフを口に充てがい、床を掃き続ける。
やるべきことは山のよう。
一向に終わる気配がない。
でもその方が良い。
その方があの夜の光景が頭の奥へ消えてくれるから。
ふと、涙が溢れそうになり、胸がジーンと熱くなる。
そのたびにほうきを床に叩きつけるように掃く。
バッサバッサと音を立ててホコリを舞わせ、そのたびに少し肺に入り咽る。
咽るたびに痛いのが消えるが、また舞い戻り、その繰り返しだ。陽光に照らされた床を見えると、土埃がまだ残っている。
バッサバッサ叩くと、下に砂利や石ころで傷ついた床板の木目が現れる。
掃き掃除が終わり、次は床磨き。水バケツで雑巾を濡らして床を磨いていた。
吐き跡、こぼし跡、酒染み、これらをゴシゴシ擦り落とす。
水バケツは、ホコリと吐瀉物とこぼし跡などが混じったような濁った水へと変化していく。
床を擦るたびに母親との記憶が蘇った。
…「ウリャーナ。雑巾がけはね、こうやって腰を入れないとやりづらいのよ。腕だけでやるのも…まぁトレーニングとして良いのだけれど、効率的じゃないのよ。ほら、こうやって。お尻上げて、足を伸ばす」…
尻を上げたからだろうか、涙が逆流するように溢れてくる。
泣いちゃいけないのに、そんな暇ないのになぜか体が言うことを聞かない。
ポツポツ…
視界がぼやけ、涙が床に溢れ出る。
声は出すまいと我慢するが、シャクリ声がヒクヒクと堂内に響いた。
廊下から食堂を眺めるピータが呟く。
「はぁ…。忙しい忙しい…」
部屋にて…
目が覚めると、夕日が沈みかかっていた。
…寝すぎた! ウリャーナは!…
慌てて飛び起きると、そこには自分ひとりしかいない。
…爺さんなら知ってるかな…
フロントへ駆け、ピータへ問う。
「オレ連れてタ娘、ウリャーナ知らナイか?」
「いきなり何じゃい、物取りにでも遭ったように慌てて。あの生娘なら食堂で働いてくれてるよ。よかったら晩飯でも食っていきな」
「アア。ソウだっタか。ダンケン」
「ダンケンとは…。おぬし、ここの国の者じゃないのは分かるが、どこのものじゃ?」
「ドコ…。それは言えない…ココがドコだかワカラナイ」
「そうか…。まぁスネ傷と言った所かのう。どうでもいいが、あの娘を頼りにしすぎるのは良くないぞ。あの娘、あとちょっとで働きに出る年齢ではあろうが、それでも頼りっきりは酷だ。お前自身、腕があるなら働け、足があるなら走れ」
「…ワカッテル。耳が痛イクライだ」
「おぬしなら用心棒ならできるじゃろうて。見た所銃士のようじゃしな。ちょうどここに商隊が来とるんじゃ。そこにでも頭を下げればええじゃろう」
「ダンケン。オヤジさん。ソウしてミル」
「おやじさんじゃなくピータと呼べ。それにダンケンでも良いが、少し硬すぎる。普通にダンクでエエんじゃ。ありがとうが硬いとむず痒いわい」
「ワカッタ。ダンク(ありがとう)」
そう言い洋平は食堂へ入っていった。
—————————————————————————注釈—————————————————————————
*18 デーミスとは、ノゼス王国の通貨である。硬貨素材は、銅貨、青銅貨、白銅貨、銀貨、金貨、皇金貨である。通貨は60進法で繰り上がる計算方式が取られている。1デーミス=銅貨。一枚。
*19 スチール薬莢とは。薬莢には様々な素材が存在し、一番広く使われる素材が真鍮である。しかし、真鍮は高価な素材なため、より安価なスチールを薬莢に使う場合がある。
————————————————————————————————————————————————————
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(*´ω`*)
横切りフロントへ行くと、そこには初老の男がパイプを吹かせ、細い木の板とにらめっこをして座っていた。
覗き込むと何やら文字が書かれている。
{木板に文字。木簡か}
「なんじゃ。今忙しいんじゃ。用がないのなら出て行ってくれ」
「あ~おじいちゃん。私たち宿を探してて、お部屋空いてる?」
「はぁ~。連れか。まぁいい、空いてるよ。一部屋だけじゃがな。まったく…最近は冷やかしや荒くれ者が多くて…」
愚痴をこぼしながら木簡を渡した。
そこには数字が書いてあった。
「104番の部屋に行きなさい。料金は二五デーミス|《*18》」
「安い! どうして。一日分の薪を売って一五〇デーミスなのに…」
「あんまり商売事情に口出さんでくれ…はぁ~。そうでもしないと破産するからさね…。あの腰抜け保安官め。奴が出てきた途端、野暮用だとかでしっぽ巻いて逃げやがる…」
「ソレは大変ダな、オヤジさん」
「おぬし喋れおったのか。まぁそういうことだ。ここら一体は治安が悪くなった。子供を連れ歩くなら気いつけろよ」
部屋にて…
「どう思う?おじいさんの話」
「手配書か。関わらナイ方ガイイ」
「でも…おじいさん困ってるよ」
「オレ独りナライイ。デモウリャーナが危ナイ。ダカラダメダ」
「…そんなの。まるで私のせいみたいじゃない…私がいなければ助けられるって言ってるみたい。私が足手まといだって…」
「ソンナ事言ってナイ。タダ、モウ危険に巻き込ミたくナイ…」
薄暗い部屋を窓から照らす陽光が俯いた彼女の顔に影を落とす。
「私のお母さんが死んだからでしょ。あそこで手出さなきゃお父さんはあんな事にならずに済んだ。あそこで手を出さなきゃお母さんは…。だからでしょ」
…
「ウリャーナ。考えナシに行動しても迷惑カケルダケだ。ダカラ…」
「分かった。この話はここでおしまい。ね。それで納得でしょ?」
「アア」
「じゃあ私はおじいさんのところで仕事できそうなところ聞いてくる。またね…」
バタンと扉が閉じられた。
洋平はベッドに座り込み、ため息を一呼吸つくと、背負っていた弾薬箱を下ろし、ベッドに弾をひっくり返した。
5.45ミリ弾がジャラジャラと散らばる。
(思ったより多い。何発入ってんだ?)
金ピカが山のように積もっていき、光沢をギラギラっと怪しく瞬かせ、積もってはジャラっと崩れてを繰り返している。
箱は依然として弾を吐き出し続けている。
(ダメだ。キリがねぇ。)
箱を戻し、散らばった弾を数えだした。
(10、11,12、13,14,15,そういえばコレっ、18。スチール薬莢《*19》じゃなくって真鍮薬莢なんだな、21,22…)
百を数えられたら一まとめにして。それを繰り返し、まとまりが四十を超えたところで数えるのをやめた。
(多すぎる。この弾薬箱四千発以上入っている。しかもまだまだ中に…なんなんだこれ。そもそもなんなんだこの世界は。まぁ、弾集めの手間が省けるから良いが。うっ、クラクラする…。ちょっと寝るか)
これより少し前のこと…
「おじいさん! どこか私が働ける場所知らない? 今路銀が尽きそうで困ってるんだ」
翁は木簡書類から目を離す様子はない。
「嬢ちゃん。こちとら職業斡旋所じゃないんだよ。こっちだって忙しいんだよ」
シッシと手で失せるよう言う。
「でもここがらんどうじゃん。私達しか客いないよ」
「うるさいわい!」
目が木簡から初めて離れた。
初めて顔をよく見たが、深いシワが刻み込まれていて、伸びた皮は頬骨辺りでぼこりと出っ張っていて、やつれた印章を与えている。
目元には隈ができていた。
「ねぇ。おじいちゃん忙しいんでしょ? ならさ、私雇ってみない?」
「お前を? はっ、笑わせるな! お前ごとき生娘に何ができるんじゃ」
失笑とばかりに嘲笑うが、声に含みがない。
空の嘲笑が中を舞う。
「あれぇ? 忙しいんじゃないの? 猫の手でも借りたいくらいに忙しくないのぉ? でも生娘の手はいらないんだぁ。じゃあ仕事斡旋はできるよねぇ?」
今世紀最大の皮肉顔でカウンターを超えて翁に迫る。
翁は少しの間の後、固唾をお一飲みし、ため息を吐いた。
「はぁ、嫌味な娘じゃ…。分かった。わしの負けじゃ。雇ったる。じゃがなぁ、給料は三分の一じゃ。今は火の車じゃからのう。それでいいんなら雇ったる。」
「良いよ。私頑張るね、おじいちゃん、っていうか名前は? 私ウリャーナっていうの」
「ウリャーナか…。遠いヤティ山脈辺りの民族…。わしは、ピータル・シミオン。ピータとでも呼んでくれ」
「よろしくね。ピータじいさん。何すればいいかな?」
「そうじゃなぁ。食堂の皿洗いがまだなんじゃ。それを済ませてくれ。その後は食堂の床掃除とテーブル磨き。ひとまずはこれくらいかのぉ。分かったらさっさと行く!」
「はーい」
食堂へ入った所、鼻をもぐような臭いがウリャーナを襲った。
「くっしゃっ。何をどうしたらこう臭くなるのさ。うっ」
鼻をつまみ、吐き跡や掃除されていないこぼし跡を避け、ようやっと厨房へたどり着いた。
洗い残しの皿が山のように積まれ、木ジョッキも洗面台からこぼれ落ちている。
ジョッキを拾い上げようとかがむと、床は砂で汚れている。
「これ、絶対思ってるより時間かかるじゃん…。三分の一は割に合わないじゃん」
そうぼやくと、掃除用具入れからほうき取り、掃き掃除を始めた。
薄暗い堂内を灯すのは、窓から薄っすら差し込む陽光のみ。
床を掃けば堂内をホコリ舞い、光に照らされるホコリがほんのり土臭く、ほんのり香ばしい臭いとともに肺から空気を奪った。
ゲホゲホ…
スカーフを口に充てがい、床を掃き続ける。
やるべきことは山のよう。
一向に終わる気配がない。
でもその方が良い。
その方があの夜の光景が頭の奥へ消えてくれるから。
ふと、涙が溢れそうになり、胸がジーンと熱くなる。
そのたびにほうきを床に叩きつけるように掃く。
バッサバッサと音を立ててホコリを舞わせ、そのたびに少し肺に入り咽る。
咽るたびに痛いのが消えるが、また舞い戻り、その繰り返しだ。陽光に照らされた床を見えると、土埃がまだ残っている。
バッサバッサ叩くと、下に砂利や石ころで傷ついた床板の木目が現れる。
掃き掃除が終わり、次は床磨き。水バケツで雑巾を濡らして床を磨いていた。
吐き跡、こぼし跡、酒染み、これらをゴシゴシ擦り落とす。
水バケツは、ホコリと吐瀉物とこぼし跡などが混じったような濁った水へと変化していく。
床を擦るたびに母親との記憶が蘇った。
…「ウリャーナ。雑巾がけはね、こうやって腰を入れないとやりづらいのよ。腕だけでやるのも…まぁトレーニングとして良いのだけれど、効率的じゃないのよ。ほら、こうやって。お尻上げて、足を伸ばす」…
尻を上げたからだろうか、涙が逆流するように溢れてくる。
泣いちゃいけないのに、そんな暇ないのになぜか体が言うことを聞かない。
ポツポツ…
視界がぼやけ、涙が床に溢れ出る。
声は出すまいと我慢するが、シャクリ声がヒクヒクと堂内に響いた。
廊下から食堂を眺めるピータが呟く。
「はぁ…。忙しい忙しい…」
部屋にて…
目が覚めると、夕日が沈みかかっていた。
…寝すぎた! ウリャーナは!…
慌てて飛び起きると、そこには自分ひとりしかいない。
…爺さんなら知ってるかな…
フロントへ駆け、ピータへ問う。
「オレ連れてタ娘、ウリャーナ知らナイか?」
「いきなり何じゃい、物取りにでも遭ったように慌てて。あの生娘なら食堂で働いてくれてるよ。よかったら晩飯でも食っていきな」
「アア。ソウだっタか。ダンケン」
「ダンケンとは…。おぬし、ここの国の者じゃないのは分かるが、どこのものじゃ?」
「ドコ…。それは言えない…ココがドコだかワカラナイ」
「そうか…。まぁスネ傷と言った所かのう。どうでもいいが、あの娘を頼りにしすぎるのは良くないぞ。あの娘、あとちょっとで働きに出る年齢ではあろうが、それでも頼りっきりは酷だ。お前自身、腕があるなら働け、足があるなら走れ」
「…ワカッテル。耳が痛イクライだ」
「おぬしなら用心棒ならできるじゃろうて。見た所銃士のようじゃしな。ちょうどここに商隊が来とるんじゃ。そこにでも頭を下げればええじゃろう」
「ダンケン。オヤジさん。ソウしてミル」
「おやじさんじゃなくピータと呼べ。それにダンケンでも良いが、少し硬すぎる。普通にダンクでエエんじゃ。ありがとうが硬いとむず痒いわい」
「ワカッタ。ダンク(ありがとう)」
そう言い洋平は食堂へ入っていった。
—————————————————————————注釈—————————————————————————
*18 デーミスとは、ノゼス王国の通貨である。硬貨素材は、銅貨、青銅貨、白銅貨、銀貨、金貨、皇金貨である。通貨は60進法で繰り上がる計算方式が取られている。1デーミス=銅貨。一枚。
*19 スチール薬莢とは。薬莢には様々な素材が存在し、一番広く使われる素材が真鍮である。しかし、真鍮は高価な素材なため、より安価なスチールを薬莢に使う場合がある。
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