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秘密の部屋
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オルトに護身術を学んで二ヶ月になった。
美久は動きにくいドレスを着たまま体を動かすのに慣れた。
今日も練習が終わり、汗をかいていたのでお風呂に入ろうと思い自分の部屋に戻ろうとしていたその時、
美久の目の前にカタリーヌが現れたのだ。
「お久しぶりね、今まで何をしていたのかしら?私が貴女にやっておくように言っていた事、全然出来ていないじゃない‼︎もう、せっかく私が教えてあげているのに!」
美久はカタリーヌに言われていた課題を全然やっていないのだ。
それは仕方がない。何故なら、カタリーヌはお城に来ているのに美久の前に現れたのはほんの数分だけ。
しかも、美久が知りたい事は何も教えてくれていなく、碌に読めもしない本の書き写しをしろと言われていただけなのだ。
そんな事をやれと言われても意味のない事はしたくない美久はカタリーヌの言う事を聞かず、空いた時間を全部オルトと護身術を練習した。
そんな事をボーッとした頭で考えているといきなりカタリーヌに手を引かれた。
まさかカタリーヌが自分に触るとは思っていなかった美久は抵抗するまもなく何処かに連れていかれた。
練習を終えたばかりで、オルトは美久の側には居なかったのだ。
美久は手を引かれ何処に行くのかを聞いたがカタリーヌは何も言わず無言で廊下を歩いていた。
「あ、あの!私は今、何処に向かっているのですか?ていうか、今すぐ手を離してください‼︎」
カタリーヌはそれでも止まらず、やがて人気がない所まで歩いて行った。
そして、錆びたドアの前に立ち、何やら呪文みたいな言葉を言った。
すると、ドアは『ギギギー』と音を立てて開いた。
美久はこの先何が有るのか考えていたらカタリーヌは平然と部屋の中に入って行った。
中は埃臭く、思わず顔を歪めた。
暫く歩いていると何処からか光が見えてきた。
その光が見える所には何が有るのか今更になって怖くなった美久はカタカタと震え始めた。
その振動が伝わったのかカタリーヌは後ろを向き、
「今更震えているのかしら?ふふふ、」
震えている美久を見て嘲笑うかのように言った。
また、前を見て歩いていたカタリーヌが
「先生!連れて来ましたわよ‼︎カタリーヌですわ。」
先生と言った瞬間、目の前が光った。美久はその光が眩しく、思わず目を瞑ってしまった。
すると光は消え、美久は恐る恐る目を開けると目の前には見知った顔が有った。
その顔は美久がお城で世話になる時に王様が付けてくれた侍女の1人でした。
何故彼女がこんな所にいるのか分からず、また、何故こんな所でカタリーヌに先生と言われているのか美久の頭はこんがらがっていた。
その顔を見たカタリーヌは大きな声で笑った。
「あははははは‼︎貴女のその顔が見たかったのよ‼︎いっつもオルト様に護られていて偉そうにしていた貴女の絶望の顔を見たかったのよ‼︎あーいい気味だわ‼︎こんな所誰も知らない秘密の部屋なの、だから、助けが来るなんて思わないことね‼︎」
美久は何故ここまで酷い事をされなければいけないのか分かっていなかった。
美久はお城でこの国の事を教えてもらい、この国でまったり、ゆったり生活していくのが夢といつも心の中で思っていた。なので、こんなくだらない事をされる筋合いも無ければ、今すぐにでもオルトに習った護身術を発揮し、2人を倒したいと無表情で考えていた。
その態度が気に入らないのかカタリーヌが美久に近ずいて来た。
美久は動きにくいドレスを着たまま体を動かすのに慣れた。
今日も練習が終わり、汗をかいていたのでお風呂に入ろうと思い自分の部屋に戻ろうとしていたその時、
美久の目の前にカタリーヌが現れたのだ。
「お久しぶりね、今まで何をしていたのかしら?私が貴女にやっておくように言っていた事、全然出来ていないじゃない‼︎もう、せっかく私が教えてあげているのに!」
美久はカタリーヌに言われていた課題を全然やっていないのだ。
それは仕方がない。何故なら、カタリーヌはお城に来ているのに美久の前に現れたのはほんの数分だけ。
しかも、美久が知りたい事は何も教えてくれていなく、碌に読めもしない本の書き写しをしろと言われていただけなのだ。
そんな事をやれと言われても意味のない事はしたくない美久はカタリーヌの言う事を聞かず、空いた時間を全部オルトと護身術を練習した。
そんな事をボーッとした頭で考えているといきなりカタリーヌに手を引かれた。
まさかカタリーヌが自分に触るとは思っていなかった美久は抵抗するまもなく何処かに連れていかれた。
練習を終えたばかりで、オルトは美久の側には居なかったのだ。
美久は手を引かれ何処に行くのかを聞いたがカタリーヌは何も言わず無言で廊下を歩いていた。
「あ、あの!私は今、何処に向かっているのですか?ていうか、今すぐ手を離してください‼︎」
カタリーヌはそれでも止まらず、やがて人気がない所まで歩いて行った。
そして、錆びたドアの前に立ち、何やら呪文みたいな言葉を言った。
すると、ドアは『ギギギー』と音を立てて開いた。
美久はこの先何が有るのか考えていたらカタリーヌは平然と部屋の中に入って行った。
中は埃臭く、思わず顔を歪めた。
暫く歩いていると何処からか光が見えてきた。
その光が見える所には何が有るのか今更になって怖くなった美久はカタカタと震え始めた。
その振動が伝わったのかカタリーヌは後ろを向き、
「今更震えているのかしら?ふふふ、」
震えている美久を見て嘲笑うかのように言った。
また、前を見て歩いていたカタリーヌが
「先生!連れて来ましたわよ‼︎カタリーヌですわ。」
先生と言った瞬間、目の前が光った。美久はその光が眩しく、思わず目を瞑ってしまった。
すると光は消え、美久は恐る恐る目を開けると目の前には見知った顔が有った。
その顔は美久がお城で世話になる時に王様が付けてくれた侍女の1人でした。
何故彼女がこんな所にいるのか分からず、また、何故こんな所でカタリーヌに先生と言われているのか美久の頭はこんがらがっていた。
その顔を見たカタリーヌは大きな声で笑った。
「あははははは‼︎貴女のその顔が見たかったのよ‼︎いっつもオルト様に護られていて偉そうにしていた貴女の絶望の顔を見たかったのよ‼︎あーいい気味だわ‼︎こんな所誰も知らない秘密の部屋なの、だから、助けが来るなんて思わないことね‼︎」
美久は何故ここまで酷い事をされなければいけないのか分かっていなかった。
美久はお城でこの国の事を教えてもらい、この国でまったり、ゆったり生活していくのが夢といつも心の中で思っていた。なので、こんなくだらない事をされる筋合いも無ければ、今すぐにでもオルトに習った護身術を発揮し、2人を倒したいと無表情で考えていた。
その態度が気に入らないのかカタリーヌが美久に近ずいて来た。
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