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診察
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2人は騎士に連れられて部屋を出て行った。
美久はオルトが来てくれて安心したのかはたまた変な物を飲まされたなのかオルトの腕の中で気を失った。
「ぅん… 。ん?此処は?」
美久が目を覚ました。
辺りを見渡して今自分はベットに横になっているのだと分かった。
しかし、自分の部屋では無いことは直ぐに分かった。
重い体を起こし、喉が渇いたので側にある水を取ろうとして手を伸ばしたら体に力が入らずベットから落ちてしまった。
ドタっ…
「イタッ、あれ?なんで?力が…」
美久は自分の体に力が入らないことに気づき、疑問に思った。
「美久⁉︎どうした?大丈夫か⁉︎」
「オ、オルトさん⁉︎どうしたんですか?そんなに慌てて。」
「ドアの外で話をしていたら中から何かが落ちる音が聞こえてきたから美久に何かあったんじゃ無いかと思って入ってきたんだが…。どこか打ったのか?怪我はないか? もしかして水を飲みたかったのか?」
「あ、怪我は有りません。大丈夫です。水が飲みたくて手を伸ばしたんですが体に力が入らなくてベットから落ちてしまったんです。すみません」
オルトは美久が寝ている部屋から聞こえた音が気になり部屋に入ってきたが美久に痛い所や、怪我がないか確認し、美久は大丈夫と言ったら『は~』とため息をついた。
「怪我が無くて良かった。」
オルトは美久の側に寄り、美久の体を抱き上げ、ベットに戻した。
「ありがとうございます。」
美久はベットに座った状態でオルトにお礼を言った。
「大丈夫だ。それより目が覚めたのなら一度お医者さんに診てもらおう。大丈夫。信頼している医師だから安心してくれ。」
オルトは美久が医者と聞いて体が強張ったのを見逃さなかった。
しかし、美久が目を覚ましたら医者に診てもらおうと決めて連れてきてしまった手前、断るわけにもいかず、それに、美久の体に何か変な事が起きていないか診て貰う必要があるのだ。
「カイテ、入れ。」
オルトはドアに向かっって名前を呼んだ。
ドアが開き、白衣を着た女の人が入ってきた。
「こんにちは美久さん。初めまして、この王宮の専属医師のカイテと申します。オルトとは昔からの腐れ縁なの。よろしくね?」
「は、はい。こちらこそよろしくお願いします。」
「じゃあ、早速で悪いんだけど、オルト、貴女は外に出ていて。」
カイテは美久の側まで来てオルトに外に行けと言った。
その言葉にオルトは眉間に皺を寄せ、
「なんでお前を残して俺が部屋を出なきゃ行けないんだよ⁉︎俺は美久の護衛をしているんだぞ⁉︎」
オルトはカイテだけを残して部屋を出る事を拒んだ。
しかし、カイテの次の言葉に眉間に寄せていた皺がなくなり、顔を赤くして慌てて部屋を出て行った。
その言葉とは、
「あんたバカ⁉︎私は今から彼女の診察をするの。彼女には上の服を脱いでもう必要があるの。分かる?裸になって貰う必要があるって言ってんの‼︎分かったら直ちに部屋を出て行きなさい‼︎」
2人のやり取りを見ていた美久は『ふふふっ』と小さく笑った。
カイテはオルトが出て行き、美久が笑った事に内心ホッとした。
「騒がしくしてごめんなさいね。さっ、今から診察をするから上の服を脱いで貰えるかな?」
カイテに言われた通り美久はなんとか手に力を入れ着ているボタンを外していった。
カイテは脱ぎ終わった美久の体に聴診器を当てたり、脈を測ったりと一通りの診察をして最後に質問をした。
「さて、診察はこれで終わりなんだけど、一つ質問していいかしら?」
「はい、なんですか?」
「あのね、貴女はオルトの事、なんて思っているのか聞いてもいいかしら?」
カイテの質問に美久は
「はっ?」
顔をポカンとさせてカイテを見ていた。
なんでそんな事を聞くのかと思っていたら
「ここだけの秘密、私のいる所にオルトが貴女をお姫様抱っこしながら全速力で走って来て、『カイテ‼︎今すぐこの子を見てくれ‼︎大至だ!』って真っ青にさせながら言うもんだから驚いたわ。あの女嫌いって言われているオルトが女の子を抱っこして連れてきたんだもん。青天の霹靂かと思ったわ。だからね、オルトにとって貴女はとても大切な人なんだって思ったの。だから貴女はオルトの事をどう思っているのか知りたくてね。」
美久はオルトの話を聞いて心が温かくなった。
「あ、あの、私はオルトさんの事は好きですよ。私の護衛をしてくださりますし、私の事を助けてくれましたから。ですが、カイテさんが思っているような好きではまだないです。ごめんなさい。」
カイテは美久がオルトの事をまだ好きではないといった言葉をちゃんと聞いていた。
まだって事はいずれ好きになるってことよね。っと思っているのは秘密だが。
「分かったは。貴女の口から聞けて良かったわ。じゃぁ、あいつ呼んでくるね。貴女は横になっていなさい。」
カイテはそう言って部屋を出ていった。
美久はオルトが来てくれて安心したのかはたまた変な物を飲まされたなのかオルトの腕の中で気を失った。
「ぅん… 。ん?此処は?」
美久が目を覚ました。
辺りを見渡して今自分はベットに横になっているのだと分かった。
しかし、自分の部屋では無いことは直ぐに分かった。
重い体を起こし、喉が渇いたので側にある水を取ろうとして手を伸ばしたら体に力が入らずベットから落ちてしまった。
ドタっ…
「イタッ、あれ?なんで?力が…」
美久は自分の体に力が入らないことに気づき、疑問に思った。
「美久⁉︎どうした?大丈夫か⁉︎」
「オ、オルトさん⁉︎どうしたんですか?そんなに慌てて。」
「ドアの外で話をしていたら中から何かが落ちる音が聞こえてきたから美久に何かあったんじゃ無いかと思って入ってきたんだが…。どこか打ったのか?怪我はないか? もしかして水を飲みたかったのか?」
「あ、怪我は有りません。大丈夫です。水が飲みたくて手を伸ばしたんですが体に力が入らなくてベットから落ちてしまったんです。すみません」
オルトは美久が寝ている部屋から聞こえた音が気になり部屋に入ってきたが美久に痛い所や、怪我がないか確認し、美久は大丈夫と言ったら『は~』とため息をついた。
「怪我が無くて良かった。」
オルトは美久の側に寄り、美久の体を抱き上げ、ベットに戻した。
「ありがとうございます。」
美久はベットに座った状態でオルトにお礼を言った。
「大丈夫だ。それより目が覚めたのなら一度お医者さんに診てもらおう。大丈夫。信頼している医師だから安心してくれ。」
オルトは美久が医者と聞いて体が強張ったのを見逃さなかった。
しかし、美久が目を覚ましたら医者に診てもらおうと決めて連れてきてしまった手前、断るわけにもいかず、それに、美久の体に何か変な事が起きていないか診て貰う必要があるのだ。
「カイテ、入れ。」
オルトはドアに向かっって名前を呼んだ。
ドアが開き、白衣を着た女の人が入ってきた。
「こんにちは美久さん。初めまして、この王宮の専属医師のカイテと申します。オルトとは昔からの腐れ縁なの。よろしくね?」
「は、はい。こちらこそよろしくお願いします。」
「じゃあ、早速で悪いんだけど、オルト、貴女は外に出ていて。」
カイテは美久の側まで来てオルトに外に行けと言った。
その言葉にオルトは眉間に皺を寄せ、
「なんでお前を残して俺が部屋を出なきゃ行けないんだよ⁉︎俺は美久の護衛をしているんだぞ⁉︎」
オルトはカイテだけを残して部屋を出る事を拒んだ。
しかし、カイテの次の言葉に眉間に寄せていた皺がなくなり、顔を赤くして慌てて部屋を出て行った。
その言葉とは、
「あんたバカ⁉︎私は今から彼女の診察をするの。彼女には上の服を脱いでもう必要があるの。分かる?裸になって貰う必要があるって言ってんの‼︎分かったら直ちに部屋を出て行きなさい‼︎」
2人のやり取りを見ていた美久は『ふふふっ』と小さく笑った。
カイテはオルトが出て行き、美久が笑った事に内心ホッとした。
「騒がしくしてごめんなさいね。さっ、今から診察をするから上の服を脱いで貰えるかな?」
カイテに言われた通り美久はなんとか手に力を入れ着ているボタンを外していった。
カイテは脱ぎ終わった美久の体に聴診器を当てたり、脈を測ったりと一通りの診察をして最後に質問をした。
「さて、診察はこれで終わりなんだけど、一つ質問していいかしら?」
「はい、なんですか?」
「あのね、貴女はオルトの事、なんて思っているのか聞いてもいいかしら?」
カイテの質問に美久は
「はっ?」
顔をポカンとさせてカイテを見ていた。
なんでそんな事を聞くのかと思っていたら
「ここだけの秘密、私のいる所にオルトが貴女をお姫様抱っこしながら全速力で走って来て、『カイテ‼︎今すぐこの子を見てくれ‼︎大至だ!』って真っ青にさせながら言うもんだから驚いたわ。あの女嫌いって言われているオルトが女の子を抱っこして連れてきたんだもん。青天の霹靂かと思ったわ。だからね、オルトにとって貴女はとても大切な人なんだって思ったの。だから貴女はオルトの事をどう思っているのか知りたくてね。」
美久はオルトの話を聞いて心が温かくなった。
「あ、あの、私はオルトさんの事は好きですよ。私の護衛をしてくださりますし、私の事を助けてくれましたから。ですが、カイテさんが思っているような好きではまだないです。ごめんなさい。」
カイテは美久がオルトの事をまだ好きではないといった言葉をちゃんと聞いていた。
まだって事はいずれ好きになるってことよね。っと思っているのは秘密だが。
「分かったは。貴女の口から聞けて良かったわ。じゃぁ、あいつ呼んでくるね。貴女は横になっていなさい。」
カイテはそう言って部屋を出ていった。
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