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裁判2
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カタリーヌは陛下の顔を見ながら言い訳を言っていた。
「私はオルト様の婚約者として申し上げたまでです。いくら護衛でも婚約者を蔑ろにして言い訳はありませんわ。
なので私は美久様にお教えしようと思いまして…
しかし、今回の事はやりすぎたと反省しています。」
陛下の方を向いて手を胸の前で組み、目をウルウルさせながら話していた。
しかし、その行動は陛下を怒らせるのには十分だった。
「うるさい。誰の許可を得て話している。私はお前に発言の許可を上げた覚えはない。
それに、私にはそんな嘘泣きが通用すると思ったのか?
お前は裁判官の質問に答えるだけで良いのだ。」
陛下に嘘泣きがバレたカタリーヌは涙を引っ込め下を見ていた。
カタリーヌの表情は下を向かれたので分からなくなった。
「では、カタリーヌ嬢に質問をします。嘘偽りなく答える様に。
貴方はお父上から陛下がお客人の講師をして欲しいと頼まれたと聞いた時、どんな気持ちでしたか?」
裁判官の質問にカタリーヌは俯いたまま
「陛下から私にお願いされた事は嬉しかったです。私を気に入ってくれたのだと思っていました。」
「では、教える人が女と聞いてなんて思いましたか?」
カタリーヌは何か諦めた様な感じで淡々と話し始めた。
「あの女、最初は女と聞いて何も思いませんでしたは。本当です。」
「では、貴方はオルト様が美久様の護衛に付いていると分かった時の気持ちは如何でしたか?」
「はっ、気持ちですって!えぇ、憎かったわよ‼︎婚約者の私が幾らお願いしても私の護衛はしてくださらないのに!あの女の護衛を自分からやりたいなんておかしいわ!あの女に何か言われたに違いないわ⁉︎」
カタリーヌはオルトの護衛の質問に声を荒げ言った。
肩で息をしているカタリーヌの後ろからオルトが歩いてきた。
「陛下、発言許可をください。」
陛下はオルトを見て何かを企んでいると分かったのか
「分かった。発言を許可しよう。言いたい事を言いなさい。」
「ありがとうございます。さて、カタリーヌ嬢。貴方は何を勘違いしているのですか?私は貴女との婚約の話は断っています。なので、貴女が私の婚約者じゃありません。貴女のお父上にも話していると言いましたよね?聞いてないんですか?ワーズ殿、貴方はお嬢さんに話をしてないんですか?」
言いなり話しかけられたワーズは戸惑いながらもオルトの質問に答えた。
「い、いえ、カタリーヌにはきちんとお話をしました。オルト様との婚約の話は彼の方から断りの手紙が来ていたと。その手紙もカタリーヌに見せました。」
「では、その手紙を読んでいた彼女はどう反応しましたか?」
「カタリーヌは手紙を握り締め、私にこれは何かの間違いだと言い、認めようとしませんでした。なので私は直接彼に聞いてくれば良いと言ってしまいました。
それを聞いた娘は部屋を出て行きました。
私は仕事が忙しくなったのでその話は忘れていました。」
ワーズの回答にオルトや、陛下はため息をついた。
「はぁー、ワーズ殿、私は貴方に何のために手紙を出したと思っているのですか?それに、何故自分の娘にきちんとお話しなかったのですか⁉︎貴方がキッパリ諦めろと言えば今回の事は起きなかったのですよ‼︎」
ワーズは娘が起こした事件がオルトとの婚約の話で起きた事とは思ってもみなかった。
婚約の話は二人が話し合い、円満に解決したと思っていたのだ。
しかし、カタリーヌはその事が納得できずにいた。
納得出来ずにいたカタリーヌの前でオルトが美久の護衛をしていると聞いて、美久が居るからオルト様は私との婚約を諦めなければならなかったと勝手に勘違いをしていたのだ 。
それで、美久さえ居なくなればオルト様と婚約ができると思っていたカタリーヌは自分が見つけてきたケイトを侍女として城に入れ、美久を亡き者にするための協力者にした。
ケイトと言うのは貧しい村の生まれで代々魔女と呼ばれていた一族の娘だった。
魔女と言っても簡単な薬や、ちょっとした魔法を使えるだけで他は何もない。
カタリーヌは何処からかその話を聞いて内密に彼女を連れてきて、自分の父親に侍女として城に入れてくれと頼んだのだ。
父親は自分の娘が選んだ人物だからと碌に調べもせずに城に入れたのだ。
ケイトは秘密の部屋で密かに薬を作っていたのだ。
「私はオルト様の婚約者として申し上げたまでです。いくら護衛でも婚約者を蔑ろにして言い訳はありませんわ。
なので私は美久様にお教えしようと思いまして…
しかし、今回の事はやりすぎたと反省しています。」
陛下の方を向いて手を胸の前で組み、目をウルウルさせながら話していた。
しかし、その行動は陛下を怒らせるのには十分だった。
「うるさい。誰の許可を得て話している。私はお前に発言の許可を上げた覚えはない。
それに、私にはそんな嘘泣きが通用すると思ったのか?
お前は裁判官の質問に答えるだけで良いのだ。」
陛下に嘘泣きがバレたカタリーヌは涙を引っ込め下を見ていた。
カタリーヌの表情は下を向かれたので分からなくなった。
「では、カタリーヌ嬢に質問をします。嘘偽りなく答える様に。
貴方はお父上から陛下がお客人の講師をして欲しいと頼まれたと聞いた時、どんな気持ちでしたか?」
裁判官の質問にカタリーヌは俯いたまま
「陛下から私にお願いされた事は嬉しかったです。私を気に入ってくれたのだと思っていました。」
「では、教える人が女と聞いてなんて思いましたか?」
カタリーヌは何か諦めた様な感じで淡々と話し始めた。
「あの女、最初は女と聞いて何も思いませんでしたは。本当です。」
「では、貴方はオルト様が美久様の護衛に付いていると分かった時の気持ちは如何でしたか?」
「はっ、気持ちですって!えぇ、憎かったわよ‼︎婚約者の私が幾らお願いしても私の護衛はしてくださらないのに!あの女の護衛を自分からやりたいなんておかしいわ!あの女に何か言われたに違いないわ⁉︎」
カタリーヌはオルトの護衛の質問に声を荒げ言った。
肩で息をしているカタリーヌの後ろからオルトが歩いてきた。
「陛下、発言許可をください。」
陛下はオルトを見て何かを企んでいると分かったのか
「分かった。発言を許可しよう。言いたい事を言いなさい。」
「ありがとうございます。さて、カタリーヌ嬢。貴方は何を勘違いしているのですか?私は貴女との婚約の話は断っています。なので、貴女が私の婚約者じゃありません。貴女のお父上にも話していると言いましたよね?聞いてないんですか?ワーズ殿、貴方はお嬢さんに話をしてないんですか?」
言いなり話しかけられたワーズは戸惑いながらもオルトの質問に答えた。
「い、いえ、カタリーヌにはきちんとお話をしました。オルト様との婚約の話は彼の方から断りの手紙が来ていたと。その手紙もカタリーヌに見せました。」
「では、その手紙を読んでいた彼女はどう反応しましたか?」
「カタリーヌは手紙を握り締め、私にこれは何かの間違いだと言い、認めようとしませんでした。なので私は直接彼に聞いてくれば良いと言ってしまいました。
それを聞いた娘は部屋を出て行きました。
私は仕事が忙しくなったのでその話は忘れていました。」
ワーズの回答にオルトや、陛下はため息をついた。
「はぁー、ワーズ殿、私は貴方に何のために手紙を出したと思っているのですか?それに、何故自分の娘にきちんとお話しなかったのですか⁉︎貴方がキッパリ諦めろと言えば今回の事は起きなかったのですよ‼︎」
ワーズは娘が起こした事件がオルトとの婚約の話で起きた事とは思ってもみなかった。
婚約の話は二人が話し合い、円満に解決したと思っていたのだ。
しかし、カタリーヌはその事が納得できずにいた。
納得出来ずにいたカタリーヌの前でオルトが美久の護衛をしていると聞いて、美久が居るからオルト様は私との婚約を諦めなければならなかったと勝手に勘違いをしていたのだ 。
それで、美久さえ居なくなればオルト様と婚約ができると思っていたカタリーヌは自分が見つけてきたケイトを侍女として城に入れ、美久を亡き者にするための協力者にした。
ケイトと言うのは貧しい村の生まれで代々魔女と呼ばれていた一族の娘だった。
魔女と言っても簡単な薬や、ちょっとした魔法を使えるだけで他は何もない。
カタリーヌは何処からかその話を聞いて内密に彼女を連れてきて、自分の父親に侍女として城に入れてくれと頼んだのだ。
父親は自分の娘が選んだ人物だからと碌に調べもせずに城に入れたのだ。
ケイトは秘密の部屋で密かに薬を作っていたのだ。
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