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買い物に来たのに事件が起きました⁉︎

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美久は必死に追いかけていったが中々捕まえられず、段々とひったくり犯との間が開いていった。
しかし、必死になっていて気づかなかった。
ハミュさんや、おばさんに近づいたら駄目だと言われていた暗い路地裏に来てしまったのだ。
それに気づいた美久は直ぐに戻ろうとしたが、いつのまにか三人の人に囲まれてしまった。
隙間を抜けようとするが、無理だった。
すると、

「おい、お前。此処で何をしている。
此処はお前が来るようなところではない。」

三人の人のうちの男1が美久に何しに来たのかを尋ねた。
その言葉に美久は

「向こうの街で買い物をしていたのですが、財布を引ったくられて取り戻そうとして追いかけていたらいつの間にかこっちに…」

美久は三人を警戒しながら何故こっちまで来たのかを説明した。
警戒するのは当たり前だ。
見た感じ只者じゃ無いと直感したからでもある。
美久が警戒していると、男2が

「それは残念ですね。しかし、此処は危ないです。財布のことは忘れてさっさと帰りなさい。」

「そうだよ。財布のことは残念だけど、此処は君が思っている以上に危険なんだ。僕達がわざわざ教えてあげたんだから言う事聞いてよね。」

男2と、3に言われたが美久は話を聞いてなかった。
それよりも、男が三人と分かって更に警戒をした。
美久はちゃんと三人を見た。
三人とも真っ黒な服に、フードを深き被っている。
ズボンは見た事が無いので、この国の服なのだろう。
とても動きやすそうだ。
そんな事を考えていると

「おい!聞いているのか⁉︎さっさと帰れ…うゎっ」

男1が美久の肩を掴んで帰るようにいったその時、男の被っていたフードが取れて男の顔が見えたのだ。
男は慌ててフードを被り直したが、美久にバッチリと顔を見られてしまった。
三人は一ヶ所に集まり、何かを話していた。
美久はその三人を見て今のうちに逃げようとゆっくりと歩き出した。
しかし、ガシッと腕を掴まれ、逃げられなかった。

「おい、何処にいく。」

男1の質問に美久は頭にハテナを浮かべて答えた。

「え?帰ろうとしていたんですが…。だって、そこの人が帰れって言ったので帰るところです。」

美久の答えに三人は固まった。
美久は頭を傾げた。

「あの、手、話していただけませんか?帰りますから。」

「いや、返さねぇ、俺の顔を見られたからには帰れると思うな。
今からある所について来て貰う。
勿論拒否権は無い。
抵抗はするなよ?何するか分からないからな。」

男に脅し?を受けた美久は男に従った。
何故かって?男達の顔を何処かで見た事が有ると思った美久は何処で見たのか気になったので素直に従った。

男2に腕を掴まれたまま歩いていたら目の前が真っ暗になった。

「な、何?」

男3が

「今から行く所は秘密の所だ。
場所に着くまで目隠しをする。絶対に外すな。」

「はい。」

美久は素直に従った。
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