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ゲームばっかしてる奴は誰だ!...はっ!私だ!!

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「おーい、ログインしたの?」

 画面にチャットの字幕が流れ出たので、返信する。

「おーしたしたー」

「そっち行くね~」

 このゆるい感じの会話、今私はオンゲーをしていると思える。
 1分ほど待つと、彼女のアバターが現れたのだが、相変わらず派手な衣装に身を包んでいる。
 きな粉のジャージ姿を見て比較してしまうと、やっぱり羨ましい。
 早くお金を稼いで、私もあれくらい派手な服装が欲しいと思い、嫌でもやる気が出る。

「さてレベリングしよう、とりあえず私も最高レベルの90にしたいからね!」

 まだ20レベル程度なので先は長い。
 ブンブンと刀を振り回しながら、コントローラーの扱いやすさを改めて実感する。

「あ~、やっぱりこれだ!コントローラーは素晴らしい人類の発明品だと思う!」

 めっちゃ動かしやすくなった自分のキャラを見て、ついニヤけてしまう。

「あ、コントローラー買ったんだ、確かに昨日よりも技を出すのが早くなってるね」

「ふふ~ん、そうでしょ~、半月分のお小遣いブッパしたコントローラーの切れ味見せてあげる」

「それ切れ味って言うのかな?」

 確かに!とハッとする私だったが、切れ味で間違いではないと自分に言い聞かせる。
 友人はゲラゲラと腹を抱えて笑っていたので、余計に恥ずかしくなったが、気にしないようにすればいいだけだ!。
 キリッと決めたような眼差しを送るが、意味はない。

「さて、じゃあそろそろ行こうか...、まず効率のいいデイリークエストを消化した後で昨日の狩場に行こうか」

「うう~ん、それもいいけど、せっかくコントローラー変えたんだし、ちょっと強めの所行って見ない?」

 私はこの世界の敵キャラをもうちょっと見て見たくなっていたのだ。
 せっかくレベルを20レベルまでにしたので、ちょっと強めの敵を倒してPS《プレイヤースキル》を上げたいと思ったのだ。
 ただキャラのレベルが高いだけでPSがないと、後々に困ることも出てくるに決まっていると思うからだ。

「まあ、きな粉がそうしたいんだったら私は従うよ、だったらそうね...」

 葵はクエストカウンターに行き、手頃なボスモンスターの依頼を持ってきた。

「これなんかどう?キングフォレストの討伐で、報酬は5万とEXP3000」

「推奨レベル20か...丁度いいかも!」

 私はこの依頼を受けて、信託の森へと向かうことにした。
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